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鉄道模型実験室 No.305  引出し特性 EF65-1103号機と KATO Standaed S

 引出し特性という現象を観察しています。今回はPWM制御では無い古いタイプの KATO Standaed S を使用して、EF65-1103号機の引出し特性を観察しました。

 

■ KATOの古いパワーパック Standaed S

 今回使用した電源は、KATOの古いパワーパック Standaed S である。品番が22-012 で、この製品については、「パワーユニットを知ろう KATOのスタンダードS」(2017/1/8)、「パワーユニットを知ろう 電圧と電流の波形」(2017/1/19)、「KATO製パワーパック Standard S の調査」(2017/10/31)などにて内容を調査済みである。

  

 そして、回路構成も調査してあったので右に再掲載します。回路図からも分かるように、電源はAC/ACアダプターにてAC15Vに落とし、本体にて整流してから、パワートランジスタにて電圧制御を実施した簡単な構成である。

 フィーダーからの電圧出力波形も観察しており、下左のオシロ波形に示すように、まさに全波整流を実施したそのままの波形である。コンデンサなどを使用した整形回路は見当たりません。

 この出力をダイヤルに接続された可変抵抗によって電圧制御しています。そして、モータと接続した場合の波形も観察して有りました。下右の波形です。ここでは、電圧(黄色)と電流(青色)も測定していました。

 

 この波形状態をモータを駆動している場合には様子が変化します。電圧波形はモータの逆起電力によって底上げされているのですが、電流値はその影響がないのでゼロとなっています。そして、モータで発生しているノイズも乗ってきます。

 このような特性が引出し特性にどのように影響するのか、先回と同様な装置を使用して観察してみましょう。

 

■ ダイヤル設定とステップ応答

 スピードコントロールダイヤルの位置を変更しながら、手放し状態からヨーイドンにてスタートさせました。この時のステップ応答の状態を観察しました。

● ダイヤルをMAX位置に設定する。

 電圧は13voltにて供給されているようです。また、電流の状態がやはり今までとは異なるようです。

● ダイヤルを3時の位置に設定する。電圧は12voltにて供給されているようです。

● ダイヤルを1時の位置に設定する。電圧は9voltにて供給されているようです。

● ダイヤルを12時の位置に設定する。電圧は7voltにて供給されているようです。

● ダイヤルを11時の位置に設定する。電圧は5voltにて供給されているようです。

● ダイヤルを10時の位置に設定する。電圧は4voltにて供給されているようです。

 EF65-1103号機の場合、この状態でやっとこさ動き出し状態でした。

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■ データのまとめ

 先回と同様に引張力と車速の関係を右に示すようにまとめてグラフ化しました。特性パターンは、電圧制御の場合と同じようなパターンですね。また、走り始めのオーバーシュートがやや大きいように思われます。

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 上記でも述べたように、この電源の特徴である脈動について観察しましたが、引出し特性への影響は見当たらののは当然でしょうか。長年、商品として愛用されてきた物ですので、何ら問題無いはずです。

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 しかし、観察されたデータの一部を拡大したグラフを左に示します。 ”cur”と言うデータは電流の測定値をそのまま表した数値です。「引出し特性の予備実験」(2026/3/16)にて紹介した Arduino から送られてきた測定データの中の String(current) データそのものです。

 通常は、ある程度のバラツキが認められます。そこで、回路上でも100μFのコンデンサを挿入し少しでも平滑化を配慮しています。その上、データの前後9個のデータを平均化してグラフに表示しています。

 今回の生データとは言えども、あまりにもはっきりした脈動波形を示しています。それも電流波形だけです。電流は回路途中のどこかでカットされるとゼロに落っこちるのですね。途中でコンデンサが有ると多少は影響しますが。

 この脈動波形の周波数は7Hz で、1サイクルが 141.6msec です。何故だろうか?

 電源の脈動は、120Hz ですので、17サイクルで141.7msec です。今回の場合、Arduino がデータを取り込むサイクルは、平均して15.69msec でした。即ち、データ収集サイクルが9回で 141.0msec なのです。電源とデータ収集のサイクルがこのタイミングで一致してしまうので、このような脈動のデータとなったと判定しました。

 データ収集のタイミングは完全な ON/OFF サイクルなので、電源の脈動とタイミングが合ってしまえば、このような観察結果となります。これは、あくまで観測結果ですので、実際の電流状況とは言えません。脈動現象の測定上の問題ですね。

 でも間違えないでください。電流がゼロに落ち込んでいる場合があることは事実なのです。そのサイクルは電源の脈動サイクルと同じです。このような現象を観測するにはオシロスコープで観察する必要があるのです。

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 次回は、気になっていたトラクションタイヤのへたりの状態と走り始めのオーバーシュートの疑問に対して、確認のための観察状況を報告予定です。

 

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 2026/4/23 作成