HOME >> 鉄道模型レイアウト > 登山電車の自動運転 構想

登山電車の自動運転 構想

■ はじめに

 物置部屋のレイアウトについて、大幅改造をしてみたいなとあれこれ思案中であるが、その一環として登山電車の自動運転の改良もそのテーマのひとつである。 現在のシステムはTOMIXの自動運転ユニットを使用しているが、いりいろ不具合の点があって最近ではほとんど運転していない。 チリが山となる前に手を打とうとしているのである。

■ 現在の状況

 レイアウトとしては気にいっている工作物であるが、不満な点を整理してみよう。 まず現在のレイアウトの状態を下に示す。 レイアウトの右端に結構な高さの山を築き、登山鉄道を設置した。 山のふもとには登山口駅を設けて、ループを巻いて山の上まで登るようにしている。 頂上には駅を設けて、豪勢なホテル風の山小屋もあるだ。

  一方では、 登山口駅からはスイッチバックを経由して、ふもとのデパートの二階に設けられた都市駅まで下りてくる人気の路線・・・・・・・・・のつもりである。

  .

 自動運転のコントロールは、TOMIX のTCS自動運転ユニットN (品番:5563)を使用し、パワーユニットは、N-400 を使っている。 そして、右の写真の様に框の下の棚に収めている。 運転モードはモード3のスイッチバックモードで走らせている。

 走行状態については、以前のレイアウトでの紹介記事である、「RTM東海サブ路線の自動運転設定」を参照ください。 現在は、このシステムをスイッチバック形態に変更したもので、運転パターンは同様です。

 不満な点を整理してみよう。

  1. センサの作動が不安定で、時々レールエンドに衝突して、ガリガリやっている。
  2. 1台の電車しか走行させる事ができない。 電車の交代はふもとの都市駅と登山口駅のホームに待機している電車に対して、駅での停車中に手動でポイントを切り替える必要がある。
  3. センサ位置と停車位置の調整は、電車のスピードを適切に調整して置く必要があり、複数の電車の場合には、それに合わせていちいち調整する必要がある。

 そこで、この自動運転システムを自作出来ないかと考え始めた。 スピードの調整はPWM制御で実施できるし、ポイントの切り替えも経験済みの技術である。

 

■ システム構想

 そこで、まず実施したい内容を列挙することにした。 現在のスイッチバックパターンを生かし、3〜4台の電車を自動運転させる。 とはいってもエンドレスパターンではないので制約があるだろう。

  1. 足の速い車両や遅い車両を混在させて走らせることが出来ること。 このために、各車両毎の速度調整つまみを設けること。
  2. 運転の一時停止ボタンと運転終了ボタンを設ける。 一時停止ボタンは、脱線等のトラブル発生時に一時的に全電車を停止させ、再開時にはそこから走行を開始させる。 運転終了ボタンは、スタート位置まで自動的に戻って来て運転をすべて終了させる。 スタートボタンも兼ねる。
  3. システム不具合時でもレールエンドに激突しないこと。
  4. 通電やポイントの作動状態をパネルやモニタに表示させるといいのだが・・・・・・・・。 希望事項

 なかなか欲張った要求であるが、対応アイディアを検討していこう。

● レールエンド激突防止策

 この対策はハード的に容易に実施出来そうである。 TOMIX のエンドレールE(LEDタイプ2・ノイズキャンセリラー付)の説明書を見ていてひらめいたのである。 エンドレール側面にはDCフィーダー差し込み口があり、ここから給電するとエンドの緩衝部に電車が当たった場合に、通電を遮断する機能があるのである。

 この機能を使って、入り口側の線路とこの部分を通電させておけば、エンド部の線路に給電させていることになる。 電車が進入してきて、ストッパに当たると通電を遮断する。 そして、反対方向に向かうように線路に給電されると、電車はそのまま反対方向に発車していくのである。 DCフィーダーは何もパワーユニットに接続させる必要は無いのである。 通電状態はLEDがエンドレールに組まれているが見にくいし目立たないので、線路わきに自作すると良いであろう。 到着はダイダイ色、出発は青色のLEDを光らせることも出来そうだ。

● 複数電車を走行させるダイヤ

 どのようなダイヤを組むと複数の電車を走らせることが出来るか、いろいろ考えてみたが、次のようなダイヤを組めば可能であることが分かった。

 複数のホームがある都市駅と登山口駅に複数の電車を待機させて、到着・発車時に電車を交代させれば、この単線のスイッチ・ バックパターンを有するレイアウトでは最大4台の電車を走らせることが出来る事が分かった。 そして、ダイヤパターンをよく見ると、最初の位置に戻ってくる間に、よく似た運行パターンがあり、これをひとつのクールとするならば、4回のクールを実施することにより、最初のスタート位置に戻るのである。 そして、一つのクール内では、走行する電車は変化しているものの運行形態は同じであることが分かる。 これは、運行ソフトを組むうえで、サブルーチン(古い言い方だ! 今では関数と言うのかな?)を組んでおけば、対応できそうである。

 そして、いつも4台走らせる必要はないのではないか。 もし、1台の場合はどうだろうか? 電車Aだけで走行させた場合のダイヤグラムを示す。

 この時、他の電車はいないので、パスさせる? のか、あるいはすぐに次の駅に到着したものとして処理すれば、ダイヤを短縮して運行出来ると思われる。 同様に2台の場合はどうであろうか。

 この問題はプログラムを組む時に考える事にする。 ただし、電車の有無をどうやって設定するのかを考えて置く必要がある。 各車両の速度調整ツマミ(要するに可変抵抗器)をスイッチ付にして、スイッチが切りの状態では電車がいないことを指令すれば良いであろう。

  .

●センサと給電場所

 どの場所にセンサと給電のためのフィーダーを取り付けるも検討した。 車両が到着したことを検知するセンサの位置は駅の駅の手前として4ヶ所設ける。 センサーは信頼性のあるものとする。 右のイラスト参照。

 給電ポイントは都市駅からのアプローチ部、スイッチバック部、登山部の3つのゾーンに給電するようにして、各ゾーン毎に速度調整が出来るようにしておく。 ポイントは、完全選択式であるが、ショートする恐れがあるの部分にはギャップを設けておく。

 スイッチバック部と登山部は、ギャップの設定を中止すれば一ヶ所で済むが、出来たら速度調整や途中の電圧降下を配慮して分離している。

● 配線図

 なんと、既に配線図まで作ってしまっているのである。 とはいっても、決定している訳ではないのである。 I/Oポートが足りるのか、どんな回路でどのような要素が必要なのかを検討するためである。

 一番心配したI/Oポートの数は、使い馴れたArduino UNO で丁度行けそうである。 速度設定ボリュームの回路は、スイッチOFF時に確実にGNDレベルになるようにするため、ある程度の抵抗値の下駄を履かせる予定であったが、LEDで代用できるかどうかは試してみることにしよう。

●プログラムの検討

 プログラム仕様はまだ検討していない。 適切な関数を使用して行けばうまく作成できるのではないかと楽観視している。 まずは、ハードの目途が付いてから考える事にしょう。 一時停止ボタンや終了ボタンは割り込み処理を使う必要がありそうだ。

 

■ まとめ

 問題になりそうな点を想定して検討してみたが、今の自分の技能レベルで対応できそうであると考えている。 しかし、現在、偶然に入手した RaspberryPi を勉強中であるのだが、(そのいきさつはブログの方で記述している) このRaspberryPi を使うことも検討する価値がありそうだ。

 もしかして、スマホからコントロール出来るかも知れないのだ。 モニタ画面には運行状態を表示させる事が出来るかも知れないのである。 そのハードルは非常に高そうであるので、すぐには実現できないかもしれないが、可能性のあるシステムにしておくのも選択肢となりうるのである。 Linux の扱いに四苦八苦している老いぼれには、まずはその勉強から始めよう。 目標は高く持って!