HOME >> 鉄道模型実験室 > 小型蒸気機関車の重連 (その4) Baldwin 9 号機と Krauss 141号機
■ はじめに
小生のコレクションでは、ミニレイアウトにマッチする小型の蒸気機関車が揃ってきた。 その小型の蒸気機関車の幾つかの重連組合わせについて紹介しよう。 今回はトーマモデルワークス製のBaldwin 9 号機と、ワールド工芸製のKrauss 141号機を重連させてみた。 この二つの車両は通常は重連させるのが無理な程、速度が離れているが、牽引力特性の特徴から重連出来ると睨んでテストすることにした。
■ Baldwin 9 号機と Krauss 141号機の重連
小型蒸気機関車の重連組合わせについては、「小型蒸気機関車の重連」(2013.12.6作成)にて紹介したデータをもとに検討した。 今回は、小型SLにだけに絞ってグラフ化してみた。
今回、新たに入線した Baldwin 9 号機と Krauss 141号機は、単機平坦路走行では、その速度差が2倍以上も異なっている。 通常は重連は不可能と判断する状態であるが、 Krauss 141号機の牽引力特性がしっかりと寝ているので、試しにテスト走行させてみた。 勿論、 Krauss 141号機が先行車で引っ張り役です。
特性が寝ていることは、相手の特性に合わせやすい、協調性のある車両ということであり、実際の電車や機関車に採用されている「直巻きモータ」の特徴でもある。
● 速度特性の測定
まず、平坦路単機走行状態に於ける速度特性のデータは、「マイコレクション」に記載したそれぞれの車両の測定データを転記する。 右のグラフ。 その違いに注目してください。
● 牽引力特性
牽引力特性は、それぞれの車両単独の測定データと重連時のデータを重ねました。 供給電圧は、すべて 4volt です。
重連時のデータは青いポイントで示していますが、
“何とすっきりとした特性だろうか!”
と一人で感心しておりました。
データのバラツキやドリフトも少なく、安定した特性に見えますが、実際の走行状態を観察していても、ほれぼれとするぐらいに、スムースに走行していました。
測定データのシートには、次の様なメモが記入してありました。
測定は2014/7/11実施した。 観察記録は、忘れないようにメモしている。
この二つの車両の重連がうまくいっているのは、駆動側のお互いのスリップ領域がほとんど同じ速度領域になっていることではないかと判断します。 2両で力を合わせて牽引する領域、 Krauss 141号機が引っ張り役でBaldwin 9 号機が引っ張られ役の「引っ張りやっこ」状態の領域、 両方がブレーキ状態の制動領域など、明確にでていますね。 それに合わせて電流値の特性も納得の行く特性を示しています。
“ 重連させる時は、二つの車両の速度を合わせよ ” という格言だけではない事を言いたかったのです。