HOME >> 鉄道模型実験室 > 小型DCモータの調査 タミヤのモータ RE-260
手持ちの小型DCモータについて、性能測定を実施しています。今回はタミヤのモータ RE-260 を測定しました。
■ タミヤのモータ RE-260
今回も、タミヤのテクニクラフシリーズに使用されているモータを測定した。このモータは、タミヤ製テクニクラフシリーズのNo.5 6速ギヤボックスHEに使用されているモータと、同じシリーズ No.4 ウォームボックスHEに使用されている RE-260 形式のモータを取り上げた。
このシリーズも乾電池を1個または2個使用すことを前提にしていることの他は、何も説明が無いので、事前の仕様は不明である。このテクニクラフシリーズの組立キットとして梱包されていたの箱を下に示す。
このキットに使用されていたモータは、自分の管理ナンバーとして、No.5に使用されていたモータをNo.35 とし、No.4に使用されていたものをNo.39とした。
テクニクラフシリーズノNo.4 は、合計3セット持っているが、No.39 の物は最近購入したもんで、モータにはタミヤのラベルが貼ってあった。始めてお目にかかるが、残念ながら形式番号等は表示されていなかった。形式名は説明書内に記述されていた。
■ モータの取付と運転準備
モータを測定装置のモータ取り付け台に固定します。取付方法は先回と同様の方法でセットしました。
そして、今回よりモータ表面の温度を測定するようにしました。モノタロウにて入手した「デジタル温度計 表面温度用」で、サーミスタによる表面温度測定用のものです。 測定範囲-40〜95℃。ボタン電池内蔵式で上の写真の様にモータの表面に紙テープを使って貼り付けているだけです。
そして、測定開始前の無負荷状態において、2〜3ボルトにて10分間、暖機運転をするようにしました。温度計を見ていると、数度しか上昇しませんが・・・・・・・・。この暖機運転中にパソコン側の測定準備を実施しています。Excelシートの設定やPython の実行などです。
■ 測定結果
測定された結果を見ていきましょう。今回の測定は「DCモータのブレーキ特性 特性の解析 その1」(2025/12/3)で報告したように、逆起電力定数Ke を直接測定する方法を基本データとして測定を実施しました。
● ジョイント無しの無負荷運転
作動を確認して問題なければ、一度ジョイントを外してモータを無負荷で運転します。これは、モータの無負荷特性を測定するためと、トルク計のゼロ点チェックを実施するためです。
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グラフからの読み 供給電圧が3.0voltの時: 回転数 = 12,950 rpm 電流値 = 191 mA |
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グラフからの読み 供給電圧が3.0 voltの時: 回転数 = 12,990 rpm 電流値 = 196 mA |
モータが回転を始める電圧は測定していません。でも意外とスムースな立上りです。電流値の値は、Nゲージ鉄道模型用とは異なって、低電圧高電流仕様なので電流は大きめです。
● 電気回路をオープンにしての測定
次に、外したジョイントを元に戻し、今度は駆動側モータと負荷側モータの配線を取り換えます。即ち、測定対象のRE-260 モータを負荷側モータにして、強制的に回転させます。この時の電気回路はオープン状態にしておきます。
これは、電気回路がオープンですので電流は流れませんが、モータは強制的に回転させられるので逆起電力が発生するのです。この時の電圧を測定して、逆起電力定数Ke を測定する手法なのです。
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二つのモータの特性は揃っていますね。 |
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電流がゼロの時、発生する電圧Eは、逆起電力定数をKe、ブラシ部電圧降下を Eb 、回転数をNm とすると、E = Ke・Nm + Eb となります。そこで、電圧 E と回転数 Nm の関係をグラフにして近似直線を求めます。すると、その式の勾配がKe となり、Y切片が電圧降下Eb を示すことになります。
また、 「カタログ値からDCモータの特性値を推定する」(2025/11/23)に示した単位の換算より Kt も計算できました。
● トルク特性の測定
次に、トルク特性を求める測定を実施します。しかし、供給電圧をパラメータとした今までと同じ方法では、シャント抵抗による電圧降下の影響が大きくなるので、パラメータ設定を中止しました。そこで、ランダム状態で測定する方針でしたが、データの傾向が分かるのがよさそうと考えて、供給電圧は固定している状態で、負荷条件を変化させながら測定する方法と、負荷回路をオープンとクローズ状態にして電源電圧を変化させる方法を併用して実施しました。
このやり方の利点は、測定な可能な領域をほぼカバーできると考えたからです。下の左側のグラフを見ると、右下がりのデータ列が電圧固定の場合では、その両側のデータ列が負荷回路固定の場合です。「DCモータのブレーキ特性 特性の解析 その2」(2025/12/5)にて報告した制御できる範囲と対応している様子が分かります。
測定結果を下のグラフに示します。
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測定可能な範囲をほぼカバーしています。 |
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測定可能な範囲をほぼカバーしています。
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なお、使用している安定化電源の容量は、電流が最大で1.0A しか流せないので、最大電流の測定限界となっています。そこで、単一乾電池2個を直列に繋ぎ測定を追加しましたが、電圧の微調節が出来なかったのでポツンと一点だけのプロットとなってしまった。負荷側の抵抗が1Ω以下の調整が可能であれば、その周辺も測定出来たのだが・・・・・・・。このため、No.39モータでは実施しなかった。
● モータ特性の解析
測定で得られたこれらのデータをもとにして、先回実施した手法にて特性値を求めるべき解析を実施しました。
まず、 Ke の値がすでに求められていますので、
E - Ke・Nm = Ra・I + Eb
として上記のランダム測定したデータをもとに、左辺の値を計算してグラフ化しました。その勾配とY切片を読み取れば、巻線抵抗Raとブラシ部電圧降下Eb を、ダイレクトに読み取ることが出来るのです。なお、mA をA の単位に換算し直して抵抗値として求めています。
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二つのモータの特性は、少しズレています。個体ごとのバラツキですかね。 |
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次にモータ軸の摩擦損失を推定しました。方法は前回と同じように、Kt・I - Tm' の値を計算して回転数を横軸にグラフ化しました。下の左端のグラフです。
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今回も、モータ軸の損失は回転数と関係するとした考えでグラフ化したのですが、先回よりは関係を見出せそうに思えました。試しに、速度項とトルク項に分解してグラフ化しました。速度項は綺麗なグラフになりましたが、トルク項の損失はバラツキの大きいパターンです。 そこで、このモータに関しては最初のグラフから速度の関数として摩擦損失に関する特性式を強引に求めました。
■ 推定特性値よりカタログに示された特性と比較する
このように推定してきた特性値を推定計算式にて計算しました。その方法は、「モータ特性のモデル化 改良版」(2016/10/25)の式を使用し、無負荷時の回転数と電流、およびストール時のトルクと電流を計算しました。
| 電圧 3.0 V | 無負荷時 | ストール時 | 無負荷時のデータについて: グラフから読み取った値と、推定した値とでは、回転数はほぼ合っているが電流値はやや離れています。 |
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| 回転数 | 電流 | トルク | 電流 | |||
| No.35 | グラフ読み取り | 12,987 rpm | 0.191 A | *** | *** | |
| 推定計算値 | 12,950 rpm | 0.321 A | 707 gf-mm | 3.57 A | ||
| No.39 | グラフ読み取り | 12.990 rpm | 0196 A | *** | *** | |
| 推定計算値 | 13,164 rpm | 0.286 A | 7311 gf-mm | 3.78 A | ||
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また、「モータ特性の測定とモデル化 データのまとめと比較」(2019/5/27)に示した方法にて、効率や出力なども計算してみました。その結果を下のグラフに示します。

このグラフを見ていると、最大効率の状態を把握することができます。
■ まとめ
N増しとして実施した測定ですが、今回も同じタイプのモータを2個測定しました。今回の個体には大きな差はありませんでした。
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次回は、続けて他のモータの測定を実施するつもりです。
2026/1/28