HOME >> 鉄道模型実験室 > 小型DCモータの調査 タミヤのアトミックチューン2モーターPRO
手持ちの小型DCモータについて、性能測定を実施しています。今回はタミヤのミニ四駆PRO専用モータであるアトミックチューン2モーターPROを測定しました。
■ タミヤのミニ四駆PRO専用モータ アトミックチューン2モーターPRO
今回は、タミヤのミニ四駆PRO専用モータであるATOMIC-TUNED 2 MOTOR PRO ITEM 15488-420 を測定した。
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自分はミニ四駆に興味は無いが、実験のための部品探しのために、ミニ四駆コーナーを探索することがあります。工作に活用できるベアリング付きプーリーとか、ホイールなどの部品探しです。このモーターは、モータ軸が両側にでている形状に引かれた入手していたものです。でも、まだ使用先は決まっていません。
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製品の包装紙を右に示します。裏面には使用説明と共に、仕様も記されていました。
製品の適正使用範囲を示しているのは良いですね。また、管理ナンバーとして、No.38 とています。モータの状態を下に示します。
■ モータの取付と運転準備
モータをモータ取り付け台に固定します。取付方法は先回と同様の方法でセットしました。
そして、先回より使用開始したモータ表面の温度を測定するようにしています。サーミスタによる表面温度測定用のもので、モータの表面に紙テープを使って貼り付けているだけです。測定中の温度は、10 〜28℃でした。測定の最終段階ではかなりの電流を流していたのでシッカリと温度は上昇していましたが、冷めるのも早かったですね。
また、電源としては何時もの安定化電源を使用しましたがmax 1.0A しか流せません。それ以上の電流を流すために、単一乾電池も使用した。
そして、測定開始前の無負荷状態において、2〜3ボルトにて10分間、暖機運転をするようにしました。温度計を見ていると、数度しか上昇しませんが・・・・・・・・。この暖機運転中にパソコン側の測定準備を実施しています。Excelシートの設定やPython の実行などです。
■ 測定結果
測定された結果を見ていきましょう。今回の測定は「DCモータのブレーキ特性 特性の解析 その1」(2025/12/3)で報告したように、逆起電力定数Ke を直接測定する方法を基本データとして測定を実施しました。
● ジョイント無しの無負荷運転
作動を確認して問題なければ、一度ジョイントを外してモータを無負荷で運転します。これは、モータの無負荷特性を測定するためと、トルク計のゼロ点チェックを実施するためです。
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グラフからの読み 供給電圧が3.0voltの時: 回転数 = 17,240 rpm 電流値 = 355 mA |
モータが回転を始める電圧は測定していません。でも意外とスムースな立上りです。電流値の値は、Nゲージ鉄道模型用とは異なって、低電圧高電流仕様なので電流は大きめです。
● 電気回路をオープンにしての測定
次に、外したジョイントを元に戻し、今度は駆動側モータと負荷側モータの配線を取り換えます。即ち、測定対象のモータを負荷側モータにして強制的に回転させます。この時の電気回路はオープン状態にしておきます。
これは、電気回路がオープンですので電流は流れませんが、モータは強制的に回転させられるので逆起電力が発生するのです。この時の電圧を測定して、逆起電力定数Ke を測定する手法なのです。
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電流がゼロの時、発生する電圧Eは、逆起電力定数をKe、ブラシ部電圧降下を Eb 、回転数をNm とすると、E = Ke・Nm + Eb となります。そこで、電圧 E と回転数 Nm の関係をグラフにして近似直線を求めます。すると、その式の勾配がKe となり、Y切片が電圧降下Eb を示すことになります。
また、 「カタログ値からDCモータの特性値を推定する」(2025/11/23)に示した単位の換算より Kt も計算できました。
● トルク特性の測定
次に、トルク特性を求める測定を実施します。測定は供給電圧は固定している状態で、負荷条件を変化させながら測定する方法と、負荷回路をオープンとクローズ状態にして電源電圧を変化させる方法を併用して実施しました。
このやり方の利点は、測定な可能な領域をほぼカバーできると考えたからです。下の左側のグラフを見ると、右下がりのデータ列が電圧固定の場合では、その両側のデータ列が負荷回路固定の場合です。「DCモータのブレーキ特性 特性の解析 その2」(2025/12/5)にて報告した制御できる範囲と対応している様子が分かります。また、1A以上の電流を供給させるために、乾電池を電源とした状態でも測定しました。 測定結果を下のグラフに示します。
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測定可能な範囲をほぼカバーしています。 |
なお、使用している安定化電源の容量は、電流が最大で1.0A しか流せないので、最大電流の測定限界となっています。そこで、単一乾電池2個を直列に繋ぎ測定を追加しましたが、電圧の微調節が出来なかったのでポツンと離れたプロットとなってしまった。負荷側の抵抗が1Ω以下の調整が可能であれば、その周辺も測定出来たのだが・・・・・・・。
● モータ特性の解析
. 測定で得られたこれらのデータをもとにして、先回実施した手法にて特性値を求めるべき解析を実施しました。
まず、 Ke の値がすでに求められていますので、
E - Ke・Nm = Ra・I + Eb
として上記のランダム測定したデータをもとに、左辺の値を計算してグラフ化しました。その勾配とY切片を読み取れば、巻線抵抗Raとブラシ部電圧降下Eb を、ダイレクトに読み取ることが出来るのです。なお、mA をA の単位に換算し直して抵抗値として求めています。
でも、グラフの様子が変です。データのバラつき具合があるパターンを描いています。電圧固定の場合、負荷回路がオープンとクローズ状態など、クッキリと分離しているのが分かります。巻線抵抗を示す勾配は、このような条件に左右されないはずです。何かがおかしいのですが・・・・・・・・・・・?。
そして、モータ軸の摩擦損失を推定しました。方法は前回と同じように、Kt・I - Tm' の値を計算して回転数を横軸にグラフ化しました。下の左端のグラフです。
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やっぱり、こちらのデータもどこかが狂っているとしか言いようが無いと判断しました。原因は、Ke の値にあるとにらんでいるのですが、上に示したように、逆起電力定数Ke を測定した測定値とグラフは優等生のような状態を示しています。
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そこで、Excel シートの上で遊んで見ることにしました。
● 綺麗なグラフとなるKe 値を探る
注目したのは直線近似式を求めた場合のR2 の値です。この値が1に近いほど近似具合が良いとのことなので、E-KeN の値を計算する欄に於いて、Ke の値をいろいろ変えて、R2 の値が最大になる時のKe の値を求めました。その結果を示すグラフを右に示します。E-KeN の データは綺麗に一直線に並んでしまいました。
この時のKe の値は、
Ke = 0.000150
の時でした。そして、この値をもとに、Kt も換算しました。
Kt = 146.1
となりました。
この値をもとに、KtI-Tm' や、速度項損失とトルク項損失も再計算してグラフに表示しました。
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これらのグラフも、他のモータと同じようなパターンを呈しており、こちらの値を適応させる方が合っていると思われます。
でも、なんで?・・・・・・・・・・・・・・・・。 専門外の自分には理解できませんが、データは嘘をつかないと判断しています。
■ 推定特性値とカタログに示された特性と比較する
このように推定してきた特性値をもとに、推定計算値を求めました。上記のカタログには、適正電圧と推奨負荷トルクが示されており、この条件をもとに回転数と電流を計算してみました。KeやKtの値は、綺麗なグラフになる方の値を使用しました。
| 電圧 2.4 volt トルク 160 gf-mm | 電圧 3.0 volt トルク 180 gf-mm | 推定計算値 A は最初に求めた値であり、Bはその後で求めた値です。 A よりも B の方が、殆どピッタリと合っています。即ち、こちらの値の方が特性値としては合致していることを示していると判断できます。 |
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| 回転数 | 電流 | 回転数 | 電流 | ||
| カタログ値 | 12,300 rpm | 1.5 A | 14,500 rpm | 1.7 A | |
| 推定計算値 B | 11,380 rpm | 1.49 A | 14,654 rpm | 1.71 A | |
| 推定計算値 A | 12,100 rpm | 1.83 A | 16,497 rpm | 2.19 A | |
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また、「モータ特性の測定とモデル化 データのまとめと比較」(2019/5/27)に示した方法にて、効率や出力なども計算してみました。その結果を下のグラフに示します。

このグラフを見ていると、最大効率の状態を把握することができます。
■ まとめ
N増しとして実施した測定ですが、電気回路はオープン状態にしモータを強制的に回転させて逆起電力定数を測定する方法が万能でないことを知りました。モータに関しては専門外のなので理由はよくわかりません。
ミニ四駆用モータと使用した場合に、このモータがどのような性能を発揮するのかかいもく分かりませんが、優秀なモータなのでしょうか、なかなかパワーーが有るようです。
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2026/2/1