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鉄道模型実験室 No.288  簡単な実験を実施

 先回の実験では多くの疑問が残ってしまったので、簡単な実験にて問題点を単純化してみた結果、その答えを見つける事が出来た。

 

■ 慣性体の低速での回転摩擦を求める

 実験方法を単縦化し、慣性体が回転を始めることが出来る力を求めることにした。その方法は、回転体を静止状態にしておき、回転を始める時の重さを測るのである。この時に、静摩擦と動摩擦の境界があるので厳密には測定できないのであるが、ボールベアリングで軸支しているのはその差は小さいとみており、おおよその値は測定出来た。

 まず、実験装置を紹介する。といっても、今までの装置において重りを載せる籠を、紙製の軽い籠を使用し、重りは1円玉を使った。籠だけの場合は円盤は動きません。そこで1円玉をひとつづつ籠の中に入れてゆき、円盤が動き始める様子を観察した。

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 重りとして使用した1円玉を右に示す。テスト結果は、

枚数 重さ 状態
6枚 6.8 グラム 手でつつくと動き始める
7枚 7.8 グラム 手を離すと動き始める

となり、回転軸のミニマム摩擦力は7グラム程度と判定できた。

 この時の状態を動画で紹介しよう。

 

 そして、先回と同じ方法で回転状態を記録した。その測定データを下に示す。

 左のグラフに示すcount値 は累積パルス数なので、回転位置を示しています。中央のグラフは、その差分を取った冂ount を求め、その前後の9個の値の平均値を示しています。これは回転速度を示しているので、状態の変化具合を見ることが出来ます。この冂ount平均の値について、さらにその差分を取って同じような処理を実施してみました。上の右のグラフです。

 速度はほぼ一定の状態で回転していることが分かり、その変化具合も平均してゼロであることが分かります。このことより、重りの重さと摩擦力が均衡して回転を一定状態に保っていると判断できます。

 結論としては、ごく低速での回転摩擦は、糸の直線運動に換算して7gf 程度と言えるでしょう。先回との結果とは大幅に違ってきました。

 

■ 回転速度と摩擦抵抗

 次に、重りなどを取り付けずに回転円盤だけにした状態にしておいて、回転円盤を手で回転させた後、回転が減衰していく様子を観察しました。こうすると関係するのは回転円盤の慣性力と摩擦などの抵抗力だけになりますので、抵抗力の傾向が分かると考えました。

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 この様子も右に示す動画で紹介します。

 

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 回転は、左回りと右回りを実施し、その状態の測定データを下に示します。

 グラフに示すcount 、 冂ount 、刧冂ount 、の値は上記と同じ方法で計算しています。測定は連続して実施していますので、手で円盤を回した状態も記録されています。そこで、円盤が自然減衰する状態だけを切り出す必要があります。

 そこで、減衰状態を明示する 刧冂ount と、その位置を明示する count 状態のグラフを重ね合わせ、対象ゾーンの位置を特定することにした。この場合、速度の変化よりも加速度の変化の方が判別しやすいのです。

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 そのグラフを右に示します。位置を正確に把握するため、時間軸の横軸を拡大して表示させています。

 減衰状態にあるゾーンを特定できると、その部分だけの位置データを表示させ、先回と同様に近似曲線を当てはめてみました。下左のグラフです。

 近似式として、2次式を当てはめてみましたが、どうもしっくりいきませんでした。そこで今回は3次式を当てはめてみました。

 なんだか複雑な関係がありそうですね。

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 そこで、このゾーンにおける冂ount刧冂ountの関係を示すグラフを作成してみました。下右のグラフです。

 プラス側とマイナス側がありますが、これは回転方向を反対にした結果なのです。

 綺麗なグラフとなりましたね。これは、冂ount刧冂ountの間には、何らかの関係があることを物語っています。

    

 データは綺麗な模様を呈していますが、試しに近似式を当てはめてみました。直線的に変化している様子でもあり、速度の低い部分が曲線的に変化している様にもみえます。試しに、3次式の近似式を適応していました。その様子をグラフ上に表示させましたが、なんだかピッタリですね。

 また、冂ount がゼロの時の刧冂ountの値がゼロではありませんでした。これは、回転を始める時の値に対応していると想定しています。

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 このようなグラフから関係式を求めるのは無理があるので実施しませんが、加速度項は速度項と何らかの関係があることは明白ですね。

 

 

■ まとめ

 これまでの内容より、

 今回はこのような知見を得ることが出来たと考えています。

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 自分が目的とする実験では、この慣性体の質量や摩擦力のデータは使用しないつもりであるので、これ以上の探求は止めにして、次の実験の準備に取り掛かることにします。

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 2026/3/9