HOME >> 鉄道模型実験室 > 引出し特性 キハ35-68号機
測定装置の整備と予備実験を何とか完了したので、いよいよ慣性負荷を与えた時の発進時の状態を実験を始める。最初にキハ35-68号機の引出し特性の測定を実施した。
■ キハ35-68号機
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測定の対象として選定したのは、キハ35-68号機である。この動力車の仕様は、
などです。動力車の特性は、2016/6/18に実施しており、その時のデータの一部を下に示す。また、粘着特性についても「粘着特性を測定しよう トラクションタイヤの無い車両での測定」(2025/10/9)に報告しているのでその時のデータも転記する。



■ 実験装置の様子
実験装置と実施状況を下に示す。
実験をセットするには少し時間は掛かるが、測定はすぐに終了する。でも、データを取得後の整理とグラフ化にはかなりの時間を必要とした。今回は、供給電圧を変えながらいくつかの測定を実施した。
■ 実験その1
手始めに、糸が伸びきった後はどうなるかも観察するため、長めの時間で測定した。



距離データの最後の方を見ると、糸が伸びきり慣性円盤の回転力によって引き戻されている様子を見る事が出来る。この距離データの差分を取ってスケール速度を計算したのが中央のグラフである。これではよく分からないので平均化処理を実施したデータを右のグラフに示す。このグラフより、5秒後には一定の速度に落ち着き、15秒後には糸に引っ張られてバックしていることも分かる。
そして、下左のグラフに示す平均化処理を実施していない引張力のデータを見ると、ほぼ一定の力が掛かっているが、スタート時と反転時に衝撃的な力が掛かっていることもわかる。これらの項目を同じタイミングで観察できるようにひとつのグラフにしたものを下右に示す。なお、引張力は他のデータと同様に平均化処理を実施している。

引出し特性が観察出来るのは、加速中の5秒間だけである。その後は、動力車の引張力と負荷抵抗がバランスして一定の速度で走行しているのだ。そして、引張力をみても、その間は大きな変化は無い。ちなみに、供給電圧と電流をみても一定値である。下左のグラフ。



こうして測定されたこの引張力は、本当にこの動力車の引張力最大値である牽引力を示しているのだろうか?
そこで、定番である引張力と車速の関係を示す特性グラフを上中央に示す。でも、引きも出されている部分も表示しているので、この部分を削除したグラフを上右に示す。そして、すでに測定済みである既存グラフ(最初に示したキハ35-68牽引特性)と比較してみよう。
これだけ苦労して測定したのに、なんと情報が少ないグラフなのだろうか?
特性線図の見方については、以前に説明した「特性線図から何が読み取れるか その1」(2014/7/8)を参照ください。
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でも、 今まで測定が難しかった極低速域での特性を示していることは確かなので、良しとしよう。引張力の値も合致しているし!
■ 実験その2
次に、電圧条件を少し高めて測定した。その時の測定結果を同様な方法でグラフ化した。





今回の測定結果でも、見るのは最後のグラフだけですね。そして、何が変化したのか解析できませんでした。・・・・・・・・・・・・・・。
■ 実験その3
今度は、電圧を低くして測定してみました。






今回の測定結果でも、やはり見るのは最後のグラフだけですね。さらに、何が変化したのか解析できませんでした。・・・・・・・・・・・・・・。
■ まとめ
面白いデータが得られるのではないかと期待して実験を始めたのですが、ガッカリの結果となりました。今回の実験の結果をまとめておきましょう。
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過渡応答によって動力車の引張力特性を求めようというのは、やはり無理であることを痛感しているのであるが、せっかくここまで準備してきたので、もう少し遊んでみることにします。
2026/3/19