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鉄道模型実験室 No.156  モータドライバBD6211FのVREF制御モードを実験

 ROHM社のHブリッジドライバーシリーズのBD6211を使って、VREF制御モードを実験しました。

 このドライバには、入力されて信号電圧と供給電圧の比によって、自分で発振しているPWM信号のデューティ比を変化させて出力するという機能があります。 このVREF 制御モード機能を使用すると、可聴域外の高周波 ( およそ20KHz以上)発振機能を持たないコンピュータであってもPWM制御が出来るので、その確認のために実験したのです。

 実は、 「Arduino Nano Every のPWM周波数をアップする」(2020/3/3)にて説明した給電制御での周波数アップの方法のひとつとして考えていたもので、確認実験につい報告するものです。 ちなみに、Arduino Nano Every のPWM周波数をアップする方法を見出したので、この手法はお蔵入りになったのですが、簡単なレイアウトのコントローラとして応用できると考えられますので、記録しておくことにしました。

 

■ ブリッジドライバ BD6211Fについて

 このドライバはローム(株)製のブラシ付きモータ用のHブリッジドライバシリーズのひとつであります。 絶対最大定格電圧が、7V、18V、36Vで、最大出力電流が0.5A、1.0A、2.0A、および、チャネル数が1chと2chのシリーズがラインアップされています。 今回は、7V耐圧の1.0A仕様であるBD6211F-E2を使用しました。

 この部品は、1.27mmピッチの表面実装パッケージのICであるため、DIPに変換する基板が必要でした。 そこで、上の写真のように、これらの部品も一緒に購入し、写真の右上に示す状態にハンダ付けしました。

 このドライバの技術書を見ると、VREF制御モードの解説が下のように説明されいます。

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 この内容に従って、右のような回路を組み、簡単な円形レイアウトで小型のNゲージ電車を走らせてみました。 回路には安全のために0.5A用のポリスイッチと、技術書に記載されていたコンデンサも組み込んでいます。 進行方向の制御は、とりあえず一方向のみの制御ですので、FIN 端子を電源のプラス側に、RIN 端子をGNDに接続しています。 速度調整は半固定の可変抵抗を使用し、電源は、DC5V用のACアダプターを使用しました。

 

 実験状態を下の写真に示します。

 電車の走行状態は、非常に滑らかで、PWMキャリヤ周波数は当然ながら全く聞こえませんでした。 この時の動画を紹介します。

 この方法にて、Nゲージの電車の走行制御が簡単に出来る事が分かりました。 こうして給電制御での周波数アップの方法のひとつとして考えていたのですが、Arduino Nano Every 自身のPWMキャリヤ周波数のアップ方法を見つけたので、この方式はお蔵入りとしました。

 しかし、FIN とRIN ポートの極性を変更できるスイッチや、電源通電を表示するLEDを追加し、ドライバの耐圧仕様を12V以上にすれば、簡単で安価なコントローラを自作できるのではないかと思われます。

 

■ 卓上レイアウト用の給電制御用として工作する

 このドライバが使用できることが、「モータドライバのPWM波形を観察する (その3)」(2020/3/6)にて確認できましたので、通常のPWM制御モードで使うkとにしました。 このための工作として、「Arduino Nano Every のPWM出力を調べる」(2020/2/22)で工作したモータドライバセットを分解し、新しいBD6211が取り付けられるように改造しました。

 制御用のスケッチは、ボリュームいっぱいでデューティ比が100%になる様に変更してだけで、そのまま走らせました。

 結果は、いまいちでした。 電車は走るのですが元気がありません。 ボリュームいっぱいでも、少しモタモタとしか走りません。 やはり電源電圧が5volt では浮上分の様ですので、12volt にアップする必要があるようです。

 なかなか、すんなりとは行かないもんですね。

       ・・・・・・・・・・・・まあ、世間はコロナウイルスが潜んでいるようですので、自宅での実験工作を楽しむことにします。

 

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 2020/3/8 作成