HOME >> 鉄道模型実験室 > 室内灯のチラツキを低減したい -- ダイオードの種類
車両整備の一環として、室内灯としてテープ式LEDの工作を実施しましたが、走行時のチラツキがひどいため手が止まってしまいました。 でも、このテーマは避けて通れないので、少し首を突っ込んでみたいと思います。 今回はダイードに関する情報を把握しておきましょう。
■ ショットキーバリアダイオードを使ってみる
噂のショットキーバリアダイオードの単品の手持ちがあったので、その効能を試してみることにした。 この部品は、順電圧が小さいと言うことで昨年入手していた物であるが、使用されずに保管されていた部品である。
テストは先回の「問題点はどこか?」(2020/7/2)と同様な方法でテストしてみた。 そして下の図のような回路にしてPWM制御波形を観察した。 実験では供給電源の極性を変更する必要がないので、何もブリッジ構成にする必要は無いと判断している。
観察した結果を順不同でリストアップしよう。
次に、コンデンサの位置を変えて実験してみた。
この観察によると、
が分かる。
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ダイオード上流の電圧は、コンデンサが有ったとしても微動だにしていない事が分かる。 そして、μ秒での範囲では、電流はダイオードを逆流していないことが確認できた。
すなわち、ショットキーバリアダイオードを使うと、チラツキ防止のコンデンサは上流側のPWM制御に影響を与えないと言うことが出来るのだ。
■ 色々な種類のダイード
このような効果は、ショットキーバリアダイオードだけなのだろうか? そこで手持ちのダイオードを探してみた。
報告書作成時点では、すでにショットキーバリアダイオード仕様のブリッジダイオードも入手済みであるので、これを含めて上左の写真に示す。 上右の写真は、1、4,5の部品の状態を示す。
番号 | 品名 | 種類 | 品番 | 仕様 |
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1 | 汎用整流用ダイード | シリコン整流器 | IN4007 | 1000V 1A VF=1.1V |
2 | ブリッジダイード | ブリッジダイード | DB107 | 1A 1000V DIP-4 Poilee |
3 | ブリッジダイードDIP型 | ブリッジダイード | S1YB20 | 200V 0.4A VF=1.05V |
4 | 整流用ショットキーバリアダイオード | ショットキーバリアダイオード(SBD) | 1S4 | 40V 1A 順電圧:0.5V 逆電圧:40V |
5 | 汎用小信号高速スイッチング・ダイオード | スイッチング・ダイオード | 1N4148 | Vr=100V Io=200mA VF=1.0V Pd=500mW |
6 | ツェナーダイオード | ツェナー(定電圧)ダイオード | GDZJ3.3B | Vz=3.3V PD=500mW |
7 | ショットキーバリアダイオードブリッジ | ショットキーブリッジ | SDI260 | 60V 2A 順電圧:0.68V 逆電圧:60V DIP4 |
8 | 表面実装用ショットキーバリアダイオードブリッジ | ショットキーバリア | TS260S | 60V 2A 順電圧:0.7V 逆電圧:60V MICRO DIP |
この他にも、定電流ダイオードやチップ品も有りましたね。
上記の実験では、No.4の部品を使いました。 そして、、No.5の部品のスイッチング・ダイオードにも注目しています。 200mA と許容電流は小さいものの、室内灯向けには充分な使用です。 高速スイッチングと言うからには、PWM制御などの高周波に対応しているものと思われます。 カタログによると Reverse Recovery Time は、4.0ns とのことであるので、問題の逆回復時間は、ナノ秒レベルである。 ショットキーバリアダイオードと比べて順電圧 VF=1.0V が少し高めであるが、コンデンサ対応としては使用出来そうだ。
次回は、上記の1、4,5の3種類のダイオードを使ってコンデンサに貯まった電流はどちらに流れるのかの実験を報告しましょう。
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なお、対策品として入手したショットキーバリアダイオードブリッジと小型の100μFのコンデンサによる室内灯の試作品を走らせてみました。その様子は、別室のブログの「室内灯のチラツキ対策」をご覧ください。 工作内容は、これからこちらで順次報告してきます。
2020/7/4 作成