HOME >> 鉄道模型実験室 > 室内灯のチラツキを低減したい -- コアレスモータへの影響
車両整備の一環として、室内灯としてテープ式LEDの工作を実施しましたが、走行時のチラツキがひどいため手が止まってしまいました。 でも、このテーマは避けて通れないので、少し首を突っ込んでみたいと思います。 先回は、ダイオードを逆流する現象を説明しましたが、今回はその逆流された電流がコアレスモータにどのように影響にするのかを観察しました。
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■ 上流にコアレスモータを取付ける
今回の観察回路を右の様に組んでオシロで観察しました。
使用したコアレスモータは、Bトレ電気機関車に組込んだKATOさんが昨年発売された「チビ凸用動力ユニット」(品番:11-109)を使用しました。 これは、「ポケットラインシリーズの新しい動力ユニット」、「ポケットライン・シリーズの新しい動力ユニットを分解する」、「KATOの新動力を走らせる」などで報告した動力です。 詳しい調査をサボっていますが、外観からの観察では、従来のコアレスモータと同じ仕様ではないかと思いました。
測定時の様子を下に示します。
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このKATOさんの動力ユニットはコンパクトで合理的な設計のため、動力車に電力を供給する接続口が見つかりません。 車輪では回転してしまうので安定した接続ができません。 そこで、ユニットを少し分解し、集電シューの胴体に細い銅線を巻き付けて車体の底から取り出し、これを接続線としました。 上右の写真。
電気回路は、先回の測定回路を使用し、ダイオード上流にモータを接続しました。 ここで、モータの回転数をチェック出来れば万全なのですが、今回は音を聴きながら回転している事を確認するだけでした。
観察結果を下に示します。
1) Duty 約 20%の場合 拡大図(PDF)
モータ無しの場合(先回の報告を参照して下さい)と比較して、逆流する電流値が大きくなっています。 これは、パルスがOFFになっても、コンデンサから電気が逆流して供給されている事を示していると考えます。
2) Duty 約 5%の場合 拡大図(PDF)
■ 観察のまとめ
オシロの画面を見比べながら分かったことを列挙する。 先回述べた項目はパスします。
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■ モータ側の電圧はどうなのか?
電流の状態を観察しましたが、電圧はどうなっているのでしょうか? 電圧にはモータの逆起電力が作用するため、電流とは違った様子が見られると考えたからです。 そこで、オシロの測定端子を右の位置に変えて観察しました。
モータの逆起電圧は、もしかしてGND線との関係があるかも知れないとかんがえて、ブリッジ構成であるブリッジダイードをしようしました。
実験の様子を下に示します。
観察結果を下に示します。 拡大図(PDF)
同じような画面ですので、どの様な現象が起きているのか読み切れないのですが、次の現象は理解出来ました。
10μFのコンデンサをブリッジの後ろに取り付けると、パルスOFF時では、上流のコアレスモータの逆起電圧が高くなっている! 即ち、モータの回転数が高くなっている事を示しています。 また、下流のLEDの電圧もこれによって高くなっていますので、少しは明るくなっているかも知れません。 うん? 違うかな?
■ ショットキーバリアダイオードの場合は?
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次にショットキーバリアダイオードの場合を観察してみましょう。 実験した時点では、ショットキーバリアダイオードのブリッジ部品は、まだ入手していませんでしたので、回路図にしめすように、二つのダイードを使って構成しました。
観察したオシロ画面を並べてみました。 拡大図(PDF)
同じような画面が並んでしまいました。 どこがどのように変化したのだろうかを眺めていましたが、もう根気と気力がありません!
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と言うことで、実験はこのあたりで完了とすることにしました。 通常のDCモータなど、コアレスモータ以外の場合はどうか、モータの回転数はどの様に変化するのか、などのテーマも浮かびますが、もう気力が底をついてしまったようです。
次回は、これらの観察結果をもとに工作した室内灯の様子を報告しましょう。
2020/7/6 作成