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鉄道模型実験室 No.205  逆向き点灯の防止 スナバ回路とPWM制御

 逆向き点灯の防止対策を検討しています。 いよいよ、本実験を始めます。 最初にPWM制御にどの様に影響するのか観察することにしました。

 

  

■ モータの内部抵抗

 スナバ回路に関するさるサイトの説明によると、スナバ回路の抵抗は対象としているモータの内部抵抗と同じぐらいにするのが良いとの説明がありました。 でも、この内部抵抗はテスターで簡単に測定出来ないのです。 回転位置によって値はバラバラで、桁外れも発生し、簡単には信用できません。 でも、我が実験室には確かなデータを持っているのです。

 それは、「モータ特性の測定とモデル化 特性解析のまとめ」(2019/5/26)でまとめているように、モータ単体での性能測定データからモータの内部抵抗を計算したものです。 そのデータを右に示します。

 しかし、残念ながら今回対象としようとする鉄コレ用のモータのデータは無いのですが、他のモータのデータより、およそ10Ω程度と推察します。 Bトレ用のモータは特殊で、平均で48Ωです。

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■ スナバ回路によるPWM制御への影響

 予備実験により、実験方法が固まりましたので、データを集めていく事にしました。 まず、最初に小形鉄コレ電車用の片軸モータから実験を始めましょう。

 

● 鉄コレ用の片軸モータの場合

 実験状態を下に示します。 電源はYOMIXのN-1001-CL を使用しました。

 まず、抵抗とコンデンサを専用の実験装置にセットし、PWM制御状態にオシロ波形を観察します。 そしてこの時、画面で表示される平均電値を読み取って記録して行きます。 さらに、この時の波形も画面のハードコピーをメモリして行きます。

 代表的な波形を下に示します。 上段の左はスナバ回路の無い基本のPWM波形です。 中央の波形は、コンデンサの容量を増やした状態で、ダウン時の波形の裾が鈍って来ているのが分かります。 これによって平均電圧が少し上昇しています。 さらにコンデンサの容量を増やすと右の画面に示すように、波形の形が変わって来てくるのが分かります。

 さらに容量を増やすと、下段左の波形の様に底の部分が上昇してきて、その後右の波形の様に矩形波自身も崩れてきます。 こうして得られた平均電圧の値は、抵抗値も変更してグラフに表示しました。 そして、代表的な波形も示します。

 低速走行時の平均電圧 3volt を基準にして測定していますが、この電圧が0.5volt 上昇するまでは許容するとすると、許容できるコンデンサの容量を判断できます。

 これによって、使用する抵抗値によってこの限界を知る事が出来ますが、意外と使用できる範囲が限られている事が分かります。 内部抵抗に合わせた 12Ωの場合は、0.033μF までした許容できませんね。 これ以上のコンデンサを使用するとPWM制御のパワーユニットを使用すると、電車は暴走の可能性があります。

 

● Bトレ用の片軸モータの場合

 内部抵抗は 48Ωですので、51Ωの抵抗から測定を開始しました。 モータは接続端子が無かったので動力車の集電プレートの隙間に電極を差込んで接続させました。

 鉄コレモータの場合と同様にまとめてみました。

 鉄コレモータと比べて許容範囲が小さい事が分かります。

 

■ まとめ

 たったの2例だけですが、モータによってPWM制御への影響範囲が異なる事がわかります。 このため、使用するモータに合わせて調べる必要があります・・・・・(これは大変な作業になりそうです。  (´;ω;`) 

 次は、目的のスパイク電圧の予防効果を調べてことにしましょう。

 

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 2022/4/11  作成