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鉄道模型実験室 No.206  逆向き点灯の防止 スパイク電圧の測定

 逆向き点灯の防止対策を検討しています。 いよいよ、本実験を始めていますが、今回はスパイク電圧を測定することにしました。

 

  

■ スパイク電圧の測定

 いよいよ本命とするスパイク状の電圧について、観察と測定を実施しました。 実験方法を下に示します。 パワーユニットから電源を供給し、モータと並列にスナバ回路の実験ユニットを接続します。 電源の電圧は低速運転を想定して、4ボルト程度の設定しています。 そして、そのプラス端子の電圧をオシロにつなぎ、波形測定開始のトリガを立下り時にセットします。 そして、測定スタンバイ状態にして、回路ジャンパ線を手で引っこ抜くことによって電源の遮断状態を発生させます。 とても簡単な実験方法ですが・・・・・・・・・・・。

 すると、オシロのトリガが作動して電圧の変化を示す波形を取り込んで画面に表示してくれます。 下にその画面を示します。 そして、Yスケールのカーソルを移動させて落ち込んだ電圧の最低部分に合わせて、その時の電圧値を読み取ります。

  

 とても幼稚な実験方法なので、測定結果が安定しません。 同じ条件で3回以上は測定するようにしましたが、その時のデータのバラツキ具合を下のグラフに示します。 さらに、実験中に気が付いた事ですが、このスパイク電圧の波形にも、上に示すように、二つのパターンがあるようです。 これ以外にもクシャクシャノ波形の物も多数あります。 要するに電源遮断がスパットと行ったものや、ズルズルと行ったもの、ゴリゴリと行ったものなど、遮断状態に依存する実験方法なのですが、スイッチの場合のチャタリング現象よりはましななかと考えています。

 各測定時のデータをグラフ化してみました。

     .

 

 このグラフを見ていてもよく分からないので、各条件での平均値を取って、その値のグラフをまとめてみました。 鉄コレ用の片軸モータの場合を左のグラフに示しました。

 

 このグラフで、0.0001μFにプロットした点は、スナバ回路を接続していない場合のデータをプロットしているのですが、0.003μF程度では効果が無い事が分かります。

 そして、コンデンサの容量が大きくなるほどスパイク電圧の落ち込みが少なっていき、1μF以上になると、その効果は頭打ちになっている様子が分かります。 さらに、その頭打ちの部分は、抵抗値が小さいほど効果があります。

 

 一方、この電圧の落ち込みは、反対方向のLEDが点灯しない範囲であればスナバ回路の効果があると判断するならば、効果が出てくる回路定数を決めることができます。

 

■ まとめ

 上記の測定結果より、鉄コレ用の片軸モータの場合のスナバ回路の効果範囲をマップで示す工夫をしてみました。 横軸にコンデンサ容量、縦軸に抵抗値を取って、効果の無い組合せの場合は赤色でプロットし、効果ありの組合せは緑色のプロット点としました。 その中間部分はデータのバラツキを考えてイエローゾーンとしています。 さらに目盛は対数目盛で表示しました。

  

 その結果を上左のグラフに示します。 効果のあるゾーンを緑で覆っています。 先回測定したPWM制御への影響具合にについても、同じ方法で上右の様にグラフ化しました。

 この両者のグラフを見ていますと、許容範囲は相反する傾向にあり、両者ともOKとなるゾーンは、その許容範囲が重なる部分、即ち、ほんの一部のゾーンだけであることが分かります。

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   鉄コレ用の片軸モータの場合のスナバ回路の効果範囲は、

      コンデンサは0.1μF以上で、抵抗は100Ω〜150Ωの範囲である事が読み取れます。

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 この範囲以外(*)の場合は、効果が無いだけでなく、逆に電車の暴走を招く恐れもあるのです。

 

● 本当に?

 この結論について、実際に試してみる事が必要であり、また、初期設定の電圧がさらに高い場合はどうなるかも検証しなければなりません。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やはり、これは大変な作業になりそうです。  (´;ω;`) 

 

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 2022/4/12  作成  4/13 *記述ミス修正