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物置部屋のレイアウト第4期工事 登り坂の改善 その1

■ はじめに

 一度完成したと思っていても、すぐに新たな欠点が気になってしまうのである。 今回は、40パーミルで設計した勾配について、改善することにした。 理由はNゲージの標準勾配と言われているこの40パーミルでは、Bトレの動力では苦しいし、最近増えて来た小型SL にとってもきつい勾配となっている。 そこで、なんとか 20 〜 30 パーミルの勾配に緩和できるように改善することにした。

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■ 勾配緩和の方法

 我が物置部屋のレイアウトには、レイアウト右方の東ゾーンと左方の機関区およびヤードゾーンに勾配が設定されている。

● レイアウト右方の東ゾーン

 まず、レイアウト右方の東ゾーンでは、山岳ブロック内での登り勾配を緩和する必要があるが、このためには田園ゾーンに入っても勾配が続くようにして、全体の勾配を緩和することにする。 途中の設計変更で当初の計画よりも緩和されていたが、それでもスタックしてしまう車両は多かった。

 ブロックの構造より、上の段と下の段の路線とも、ブロックの接続部で 10mm 程度下げることで勾配を緩和することにする。

● レイアウト左方の機関区およびヤードゾーン

 次に、こちら側では東のゾーンのように 10mm 程度の小細工では対応できないので、距離を延ばすことにした。

 まず、ブロックの接続部で 10mm 下げることにし、さらに左側の 180度旋回部をヤードゾーンの方に移動させて、坂道の距離を延ばすことにする。 しかし、右のイラストに示す様に、旋回部を左に移動させると、線路の一部が棚の脚と干渉してしまう。

 そこで、思い切って機関区ブロックを手前に移動させてその干渉を避けることにした。 移動量は 20 〜 30mm 程度でよかったのであるが、移動を吸収するためには、中央部の直線区間でその分を短縮する必要があった。 この路線はTOMIX の線路を使用しているが、中途半端な数値よりもTOMIX の標準的線路長さにしておくと後の処理が簡単となるので、 70mm 移動させることにした。 このブロックの移動によって、中央部のブロックの線路も移動させる必要があるが、ブロックの接続部で 10mm 下げの工作に合わせて、修正することにした。

 そして、この工作のついでに、市街地の高架路線を手前に移動させることにした。 この高架はあまりにも壁際に接近させ過ぎたため、背景との違和感があり、この際に移動させることにした。

 

■ ヤード区ブロックの修正工作

 最初にヤード区ブロックの修正工作から始めた。 まず、ポイント類は全面見直しとなるので、ヤード区ブロックのポイント類とストラクチャは取り外して更地にした。 そして機関区ブロックを 70mm 移動させるておいて、本線の旋回路の位置を最大限まで押し込んだ位置に設定した。 また、ヤードへの進入路は、機関区ブロックを 70mm 移動させた事によって、同じブロック上に配置することが出来たので、単純化させた。

 新しい線路配置を上に示す。 ほとんと使用しなかった路線は思い切って撤去し、ヤードの直線部分は従来のままとして全体の位置を決め、最終的には進入路の位置と長さで機関区ブロックとの位置調整を実施した。 スタイロン部材は旋回路の橋脚にするもので、ブロックのベース面を基準面として、均等な勾配になるように高さを調整している。

 また、裏側から見ると、今までの多くの変更や修正の跡が痛々しいが、複雑な構造と穴ぼこだらけの状態である。

 ヤードのポイント配置は、距離の短い区間で多くの支線に分岐出来るように考えながら、実際にポイントを並べてあれこれ検討した。 今までも使用していたTOMIX のカーブポイントは使い勝手が良いので2個使用している。 直線部は今まで通りのKATOの線路を使っているので、途中でTOMIX線路 とKATO線路を接続している。 これは今までの物をそのまま使用している。

 同じブロック盤の上で構成させているので、ポイント部での脱線トラブルは減少するものと期待しているし、ポイント類への配線もしっかりと固定出来るのでブロックの取り外しなども簡単になると思っている。 さらに、このブロックのポイントはKATO製のユニットだけで操作できるように工夫した。 工夫と言ってもTOMIXの配線をKATO製のポイントスイッチに接続させるだけであるが・・・・・・・・!

 フィーダー線の場合でも、ポイント駆動線の場合でも同じであるので、フィーダー線の場合で説明しよう。

 まず、フィーダー配線を線路から取り出す。 電動ポイント用の配線も同じである。 もうひとつは、電子部品のピンヘッダを用意する。 そして、そのピンを抜き出して先ほどの配線のコネクタ部に差し込む。 上左の写真。 そして、TOMIX系のコネクタと接続させる。 上右の写真。 なんと、ピッタリと、かつシックリと接続出来るのである。

 ただし、抜け止めが無いのでコネクタ部をテープでぐるぐる巻きにしておくのが安全である。 これでTOMIX系の線路への給電やポイントの操作がKATO系のユニットで可能となり、ヤード区の操作は一ヶ所にまとめることが出来た。 最後にテスト操作を実施して、問題無く作動することを確認した。

 

■ 中央部ブロックの修正工作

 次に一番奥にある中央部ブロックの工作を実施する。 機関区ブロックと接続する線路を手前に 70mm 移動させ、さらに高さを10mm 下げて勾配をつけるようにした。 この部分の勾配は、今までよりもきつくなるが、下の線路と交差する高架部分の高さをぎりぎりまで落として調整した。

 計算した高さをもとに最初から制作する場合と異なり、修正工作の場合はどうしても均一な勾配にはなり難い。 そこで、水準器を取り付けた車両を置いて勾配のチェックを実施した。 特にフレキシブル線路を修正した場合には、線路の左右の傾きに注意する必要がある。

 今回は、高架部分のフレキシブル線路の位置とカーブ具合を修正したので、その調整に苦労した。 線路を途中まで剥がしての修正作業であったので、どうしても以前の癖が残っており、レールの微妙な凸凹が修正出来なかったのである。 線路を全部取り払って新しい道床を製作し、その上に新しい線路を引き直す方が良かったのではないかと反省している。

 写真に示す水準器は、縦方向の傾きを示す棒状の水準器と、横方向の傾きをも示すことが出来る丸型の水準器をシャシーに取り付けた専用の車両を使用したが、微妙な線路の凸凹は充分には検出出来なかった。 水泡が揺れるのでおかしいと判断できるが、後は線路を撫でて指の感覚で修正することにしたが、にわか職人では無理な作業であった。

 なお、棒状の水準器については、あらかじめ勾配を付けた線路上に乗せて泡の位置をマーキングしているので、勾配の程度を見ることが出来る。 この水準器の場合には、20パーミル毎に目盛りを付けた。 走行中は泡が動くので、停車させたり、極微速で走行させる必要があったので、KATO の C56 にて牽引させた。 もっと便利な道具が欲しいですね。

 

■ 工作中の様子

 細かな工作内容の説明は、写真撮影を忘れていたので省略することにし、狭い部屋での工作状況を紹介することで許して頂こう。

 このレイアウトは、5個のブロックに分かれているので、それぞれのブロックを適当な場所に移動保管させておかないと工作出来ないのである。

 また、各ブロックには分割されたプレートが設定されているので、このプレート類は隣の和室に退避させている。

 今回の工作では、配線類の整理も同時に実施しているので、作業がなかなか進まない。