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E-7 ワンダーキットのナイトライダー NR-06
■ 内容
共立電子産業よりワンダーキットというブランド名で、ナイトライダーキット / NR-06 の電子工作キットが発売されている。 共立エレショップにて、通信販売されており、その組立説明書/PDFも公開されています。 今回、その説明書内で公開されている回路図について、電子回路の勉強のためにのぞいてみました。
■ 回路構成内容を理解する
このキットの内容は、6個のLEDが端から順番に点滅を繰り返し往復するイルミネーションキットです。 WEBでの販売価格は¥1,598 ですので手頃な価格です。
- 製品仕様をワンダーキットのホームページで確認すると、 電源電圧:DC12V(DC9 〜 16V 可)、 動作電流:15mA(DC12V 時)、 点滅速度:ボリュームにより調整可、 出力:φ3LED 赤×6、 基板サイズ:W52×D49×H15mm、 とのことです。
- 電源電圧が、DC12V(DC9 〜 16V 可) と高めですが、これは製品概要に示された「車やバイク、自転車のブレーキランプなどに・・」ということなので、自動車の電源を意識しているものと思われます。
- 組立説明書に記されていた回路図を書き直して下に示す。
- 電源の逆接続防止のために、1N4001のダイオードが挿入されているのは、ポカよけと理解する。
- 発振回路はタイマーICのNE555 を使用して、回路は 「50%デューティ・サイクル・オッシレータ」 の構成となっている。 そして7番ピンは解放している。 この構成の場合の7番ピンは、Alternate Output 用なので必要ないのである。
- タイマーICからの発振信号は、10進カウンターの14017に入力される。 この4017番のIC は、E-6の電子ルーレットで使用したICと同じ機能のIC であので、説明を省略する。
- 10進カウンターは、クロック入力に従ってQ0〜Q9ピンまで順番に出力して行くが、この出力ポートにLEDを接続すれば、E-6の電子ルーレットのようにLEDを順番に点灯させることが出来るが、このキットの場合は、この部分に細工が施されている。
- 6個のLED を順番に光らせて後に、今度は逆方向に光らせて、光が行ったり来たりする往復運動をさせるようにしている。
- その仕組みは、Q6〜Q9の出力をQ4〜Q1に戻してLEDを光らせるようにしている。 このとき、ダイオードを挿入して出力ポート間でショートしないようしている。 ハイ・ポートとロウ・ポートが接続されると過大電流が流れてICが破損するものと思われる。
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そしてE-6の電子ルーレットのようにLEDを接続すれば、LEDを点灯させることが出来るはずなのに、何故かさらに細工がしてある。TD62003という7ch ダーリントン シンク ドライバ を介してLEDに接続しているのである。 このICのピン接続図を下に示す。
- このICのカタログによると、TD62003は7 回路入りのNPN ダーリントントランジスタアレイです。 誘導性負荷駆動時に発生する逆起電力をクランプする出力クランプダイオードとのことですが、自分には理解できません。 「誘導性負荷駆動時に発生する逆起電力」の意味について、モータなどのコイルのある回路ではなんとなく、そうかもしれない、と思うのですが、LED回路でも逆起電力が発生するのだろうか・・・・・・・・?
- 電気のプロが設計したのだから、何かの心配があってわざわざ一つのICを追加してこのような回路を構成したものと思われますが、素人の自分には分かりません。 自動車の電源を意識しての安全対策かも知れませんね。
- あるいは、流せる電流対策かもしれません。 ナイトライダーのカタログには、LEDを豆電球(30mAまで)と交換出来ますと記載されています。 一方、MC14017Bのカタログでは、±10mA までとの事ですので、電球に交換した場合には点灯しない恐れがありますね。
- 作動としては、NOT回路でハイ/ローを反転させ、ロー状態の時に電流を吸い込ませてLEDを点灯させる回路と理解する。 このIC は、電流を吸い込む「シンク ドライバ」なのである。
- この回路は自作するよりも、キットを購入する方がよさそうですね。