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153系 6機種セット 分解調査

 湘南色電車の整備作業の第3弾として、KATO製の153系6機種セットの電装工作を実施しようとしています。 そこで、工作を始める前に、このもう45年前のレジェントな製品状態を分解調査しておくことにしました。

 

 

■ セットの内容

 このセットは、2012年4月に中古品として入手する。 KATO製の153系6機種セットで品番は415である。 ブック型ケース入りで、車輪は焼結製であり、M車にはトラクションタイヤを履いていませんでした。 新鉄道模型考古学N2によると、このような特徴を持つモデルは、 1977年に発売された初代のモデルに該当するものと推定します。 もう45年前のレジェントな製品なのだ。

 まず、ブック型ケースには印刷が一切ないが背面には札差があり、そこに車両前面のイラストが書かれた札が差しもまれている。

 なんでも、この製品からブック型ケースの採用が始まったとか。 ケースの中も特殊な形をしていました。

 

■ トレラー車の分解調査

 まず、トレラー車から分解調査を実施しました。 室内灯工作のために集電部の状態をチェックしました。 さらに、前照灯と尾灯のために、先頭車両の様子も観察しました。

 車体は、旧型客車でおなじみとなっている床ボディ方式で構成されていた。 このため、集電方法もこれまでの手法が使えそうである。 でも旧型の集電板が無いので、ストレート形状の集電バネを使って工夫することにしよう。

 台車は、焼結車輪なので、新しい車輪に交換する方がベターであるが、問題は集電子である。 最新のピポット式集電子をはめてみると上手く組付かないのである。 よく見ると、台車側の円錐形の座グリが小さいのである。 車輪を直接受ける形状で、集電子の円錐部ははまり切らないのである。 でも台車や車体には集電子用の穴があるので不思議である。 ヒントは、動力車の集電子にあった。 円錐形のピポットではなくて、丸い穴が開いているのである。

 このため、集電化のためには台車ごと交換する必要がありそうだ。 数が足りるかな? 分解した状態を下に示す。

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 次に、先頭車の前面を観察した。 一号車には、前照灯と尾灯のランプレンズがはめ込まれていましたが、7号車には、レンズは在りませんでした。 下左の写真。 また、スカートとダミーカプラーも在りませんでした。 ただ、1号車には「型想い」とエポキシ樹脂で作った造作品が接着さrてていました。 下右の写真。

 この車両を分解してみると、先頭車の内側の構成が理解できました。

 昔のストック品を漁ってみると、下左の写真の様なそれらしきユニットが1セット見つかりました。 合わせてみつとピッタリでしたが、新品に近い状態でしたので、この車両で使っていた部品とは限りません。 また、尾灯用のレンズは、電気機関車用として補充していたテールレンズ(下右の写真)と同じ部品と推察します。

 

■ 手作り用の電装品

 種車の状態が把握出来ましたので、どのような工作にしようか検討しました。 室内灯は旧客車などでの工作を参考にして実施出来そうですが、前照灯と尾灯はかなりの工夫が必要と思われます。

 

■ 動力車の分解調査

 動作が心配な動力車についても調査しました。 分解前の動作チェックでは、走行はまずまずでしたが、キリキリと言う大きな音がしていました。 まず車体を外してみます。

 トレラー車には座席シートがありましたが、動力車の室内は動力部が丸見えです。 まず、低床形状に収めるのが最優先だったのでしょうか。 また、動輪は焼結製でトラクションタイヤは装着されていませんでした。

 少しずつ分解して行きます。 再組付けする時、重り、集電バネ、コの字型のバネ押さえの組付け順番に戸惑いましたが、分解時の写真を見ながら組付けました。 ヤレヤレ!

 重りは、車体の底から締め付けているネジを弛めて分解しました。 最後のモータを取出しました。

 分解した部品を並べてみました。

 モータは、角ばった外形の、2極5スリットでスキューはありませんでした。 50年記念誌を参考にしましたが、1969年から導入されたFM-5型か、角型だった初期のSM-5型(1973年導入)なのか分かりません。 通電してチェックすると、低電圧からスムースに回転を始めるので、動作は問題ないと判断しました。注油も実施しておきました。

 ダイカスト製の重りは、ネジで固定する方式でした。 集電バネは直線的ですが曲げが複雑な形です。

 動力台車は、今まで見てきたものとは少し変わっています。 ウォームが2個もあるのです。 これは分解する必要がありますな。

 ウォームは、動輪軸の歯車に直接噛み合う構成です。 ウォーム軸のスラストは、二つの含油軸受けで受けているようです。 また、集電シューはピポット軸受としての皿形状ではなくて、軸を抱えるような穴形状です。

 モータとの連結はスライド式のユニバーサルジョイントでした。 スライド部は6角形のスプラインとなっています。

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 このスライドのスプラインには、組付け位置を指定する細工がありませんでしたので、どの位相でも組み付ける事が出来ます。

 再組付け時に、このスプラインのはめ合わせに苦労したのですが、ふと、組付け角度がおかしいことに気が付きました。 このような十字型ユニバーサルジョイントは、その組付けは同位相で組み付けることが大切ですが、6角形なので60度毎にしか変えることが出来ません。

 やっと合致したと思ったら、90度の角度でした。 同位相にしようとしても、右の市ラストの様にどうしても30度ずれてしまうのです。

 設計者の基本的ミスと思われますが、組付け後の両側の軸は平行ではないので、同位相にする必要が無いのかも知れません。 模型ですので等速ジョイントにする必要も無いと判断しての設計なのかもしれません・・・・・・・・?

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 走行時のキリキリという音は、台車のウォームギヤ部から発しているのですが、ウォーム側の歯に問題があるのでしょうか? 詳しくないので良くわかりません。

 再組付け、注油後のテスト走行でもこの音は変わりませんでしたが、走行はスムースでしたので諦めることにしました。 

 そして、状態を把握しましたので、電飾工作を始めることにします。