HOME >> 動力車の調査 > GM製コアレスモーター動力ユニットを名鉄2200系に装着 (1)
動力特性の調査として、GM製コアレスモーター動力ユニットを名鉄2200系に装着し、分解調査とその動力特性を調査する。
2009年8月に新品購入したGREEN MAX の名鉄空港特急2200系について、例の2M式の動力が装着されています。 このセットの内容は、「名鉄空港特急22000系」を参照ください。 また、その動力車については、「名鉄空港特急2200系 2401 号車」にて、分解調査と動力性能を報告済みです。
この不評だった2M式動力ユニットの改良品として、数年前からコアレスモータを使用した動力ユニットがすでに発売されていました。 電車系や電気機関車系ではあえてコアレスモータにするメリットに疑問を抱いていましたので、今までスルーして来ました。 他のメーカーの動力台車は、¥2,000.-程度ですよね! なんで倍以上もするなんて、一般にGM製品は割高なので、手を出さないようにしています。 昔は知識が未熟だったので…‥‥‥、つい手を出していました。
最近始めた終活の一環として、手持ちの車両の整備を始めております。 動きの悪い車両はメンテしてして良好な状態で保管し、ダメな車両はストック品箱へと整理しているのです。 そして、このGMシリーズの名鉄電車については、噂のコアレスモータに取換えて、その調子を確認してから保管することにしました。
■ GMのコアレスモーター動力ユニット
GMの従来の2M式動力ユニットでは、、コギングと言われる磁気吸引力の強弱により滑らかな回転が得られにくくこれに対処するためGMではコアレスモーターを導入した新動力ユニットを開発した。 コアレスモーターは「低速でも滑らかな回転」ができ、小型・軽量な特徴も備え、カーボンブラシではなく貴金属ブラシのため、発生ノイズが少なく電子機器への悪影響が少ない利点もありそうです。 また、、両端にはフライホイールが搭載され、よりよい走行性を実現し他とのことです。
装着対象の動力車 2401号車は、名鉄2200系基本4両編成セット (4093)の動力車であるので、GMのリストに従い N0.5714 のユニットを選択した。
これを、急動力ユニットと比較してみます。 中央部の膨らみが、僅かに 1.5mm低くくなっているだけですが・・・・、確かに薄くはなっていますな。
あと、室内灯のスプリンの位置が合わなくなっているので、修正が必要ですが、テープLEDに取り換えるかどうかは、動力特性の結果如何ではんだんしましょう。 なお、上記の写真は、分解再組付け後に撮影しています。 このため、床板の真ん中にφ4mmの穴が開いています。 モータ回転数を測定するための穴なのです。
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■ 動力特性の測定
調査のため分解する前に、動力性能を測定しておくことにします。 このため、久しぶりに測定装置を取り出しました。 今回は分解前ですのでモータの回転数が測定出来ません。 従って、供給する電圧と電流、および車速と牽引力しか測定出来ませんが、分解前の動力特性を把握すには充分でしょう。
一年ぶりに装置を動かすことになりますが、8字自動運転とセンシング機能は問題なく作動しました。 そして、パソコンのArduino のシリアルモニタで見る限り、正常にデータを送信してきているこtが確認できました。
しかし、「KATO製 C57 1次形 C57-33号機の動力特性」 (2018/6/2) から導入したノートパソコンでのExcel がフリーズしてしまい、データを取り込むことが出来ませんでした。 原因が分からず焦ってしまいましたが、どうやら新しくインストールしたExcel2016 が悪さをしているように思えてきました。
そこで、その前に使用していたデスクトップパソコンを持ち出して測定することにしました。 下の写真です。
測定台に載せた車両です。
さて、測定前、測定中でのトラブルをリストアップしておきます。
ともかく測定は出来たので、そのデータを下に示す。 まず、速度特性を下に示す。
さすがにコアレスモータだけあって、低速でもスムーズであり、安定したデータを示す。 、電流値も 10mA 以下と小さい値である。 速度設定はかなり低めであり、新幹線用のスピードは出せないのだ。 レンタル・レイアウトでの暴走運転は無理であろう!
次に牽引力特性を示す。 車両重量は48.2グラムである。
スリップ領域は車輪の脱線の影響で測定出来ていないが、15〜17グラム程度と推定する。 ウォームギヤの噛合い歯面が変化する遷移点は-3グラム近辺と思われるが、これはかなり小さな値である。 その後の制動領域での動きを見ると、ブレーキがかかるに従て速度は増加しているの点に注目する。 電流値が増加しているのに速度も上がっている? 何でだろうか?
旧ユニットと比較してみよう。
車両重量 | スケール速度 | 電流値 | 駆動系スリップ限界 | 15グラム電流値 | 遷移点 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4volt | 8volt | 4volt | 8volt |
|||||
旧ユニット | 64.9 グラム | 90 Km/h | 200 Km/h | 95 mA | 100 mA | 20 グラム | 120 mA | -10 グラム |
コアレスユニット | 48.2 グラム | 50 Km/h | 115 Km/h | 6 mA | 8 mA | 15〜17グラム | 30 mA | -3 グラム |
■ 問題点の原因を探る
上記の(1)と(2)の問題点について、原因は同じと考えている。 最初にこのユニットを触ったとき、台車がフラフラであることに気が付いた。 台車は軽く回転する必要であるが、上下回転(ピッチングと言うべきか)は、ある程度の自由度さえあればよいのであって、必要以上のフラフラは問題ではないのか思っていた。 案の定、上記の様なトラブを発生させているのである。
旧ユニットと比較した写真を下に示す。 下左がノーズダウンの時で、下右がノーズアップの状態である。 上側が旧ユニットで下側がコアレスユニットである。
カプラーから引っ張られた場合の状態を下に示す。
これだけの写真では理解しがたいと思いましたので動画にしてみました。
如何でしょうか? コアレス動力ユニットを線路に載せる時は、そおーと優しく取り扱えという事であろうか。 また、高負荷時の車輪の浮きは、高負荷で走らせるなと言う事らしいですね。 レイアウトでのテスト走行でチェックすることにしましょう。
問題(3)は不明です。 問題(4)に対しては大手2社の製品とのコォリティの差と考えます。 当面はセロテープで対応しますが、最終的にはゴム系接着剤で対応する予定です。
次は、分解調査結果を報告します。