HOME >> 動力車の調査 > モータの特性調査 > 測定データ > KATO コアレスモータ C56-144
■ 測定方法
ブレーキ方式によるモータ特性測定装置を使用する。 装置への取り付け状態やジョイントの連結方法は、「モータ特性を測定しよう その11 コアレスモータ」を参照してください。
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■ C56-144 号機の測定データ
モデルの品番 | 2020-1 |
モデルの品名 | C56 小海線 |
発売時期 | 2012年10月 |
入手時期 | 2012年11月 新品購入 |
分解調査等 | マイコレクション C56 144 |
測定日 | 2016年11月9日 |
滑らかの低速走行と共に、きわめて小さい消費電流も特徴である画期的な小型蒸気機関車のモデルである。
モータは 0.5 ボルト近くから回転を始めており、回転数と電圧は一直線である。 電流値はやや右上にそり上がった傾向があるが、抵抗は速度の2乗に比例するといる流体力学の原則に沿った現象ではないかと思われる。 また4ボルトを過ぎたあたりで電流値がぴょこんと飛び上がっているが、これに合わせてモータの音が大きくなり共振現象の影響ではないかと思っている。 この 8,500rpm 近辺以外では静かでおとなしいのに、突然騒ぎ出すのである。 モータ自身なのか、取り付けたプーリー類のアンバランスなのかを判定しておけばよかったのに・・・・・・と反省している。
トルク特性については、6ボルトでは安定しているのに、なぜだか低い電圧ではかなり乱れていた。 原因不明なり。
■ 特性解析
次に、この測定データを用いてモータ特性を決める定数を求める。 解析方法は、「モータ特性のモデル化 改良版」に示す。 まず6個の定数を求める解析を実施する。
何故かこのモータは、他のモータと比較してデータのバラツキが大きい。 損失トルクのグラフでは、データのバラツキが大きいために決定関数の値が良くないのでるが、もともとその絶対値が小さいために測定誤差が影響しているものの、それ以上にばらついているのは異常である。
この結果得られた6個の定数と、それから計算されたモータ特性のデータを下に示す。
定数の推定値 | 特性線の勾配 | ||||||||
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Kt | Rm | λm | Ra | Ke | Eb | Nm-E | I-E | Tm'-Nm | Tm'-I |
497.3 | -0.2278 | 0.0001347 | 41.3 | 0.0004913 | 0.03825 | 1990 | 0.000539 | -0.006050 | 508.6 |
この計算された特性線を実測データの上に重ねた状態を下に示す。 計算された特性は赤線で示している。
無負荷回転時の消費電流の特性が大きく外れてしまっている。 そしてモータのトルク特性もズレているが、5ボルトと6ボルトではほぼ合致しているので、4ボルト以下の領域で何か不具合のある現象が起きているものと推察する。