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鉄道模型工作室 チビ電の電飾 その1

 お盆の季節となりました。今年も孫達が帰省して我が家に遊びに来るかもしれません。そこで鉄道模型のメンテを始めましたが、気になる車両を見つけてしまいました。それは、チビ電です。この車両に室内灯が取り付けられそうだ・・・・・・・・・。

 

■ チビ電

 目のとまったのが下記の車両です。KATOの「ポケットライン ぼくの街の路面電車 チビ電」です。

 大きな窓と、広い車内空間がありますが室内灯は装着されていません。前照灯も尾灯もありませんし、メーカーの設定も無いようです。

 車両をばらして構造を観察してみました。そしてこれは工作可能だと判断してしまったのです。そこで、トレラー車であるパンタの無い4001B号車から工作を始めました。

 

■ トレラー車4001B号車の集電工作

 この車両には車輪からの集電機構が設定されていません。「KATOのポケットライン」シリーズはいくつか所有していますが、このシリーズは、もともと電飾機構がメーカでも設定されていません。「※ヘッドライト/テールライトは点灯しません。室内灯も取付が出来ませんのでご注意ください。」との注意書きもあります。そして、工作屋の自分もまだ電飾工作を実施していません。そこで、最初に、この集電機構の工作から実施する必要があります。

 とは言ってもどうするか悩みました。集電機構のある動力台車からモータを取り去ってトレラー車にする手もありますが、そんなもったいないことは避けたいですね。そこで思い出したのが、昔の動力台車でした。チビ凸用動力ユニット(11-103)チビ客車用動力ユニット(11-104)です。Bトレの電気機関車用にと入手したのですが、調子が悪かったので、ボギー台車式の動力台車に交換されてしまい、ストック品となっていました。

 さらに、モータ部分は、何かの車両に使われてしまっており、ドンガラ状態でした。下左の写真。関連部品を見ると、下右の写真のように、分解されてしまっているモータも見つけました。

 でも、探していた部品はこれらでは無くて、下の写真にしめす集電部品なのです。薄いリン青銅板の部品で、両端の舌の部分は車輪の側面に接触させて集電していたのです。車輪の軸間距離は同じだったのでこのまま使用可能な気がしましたが、同じ構成では集電機能が不安定となり、破棄される恐れがあります。

 そこで、薄い板であることに注目し、ピポット状の軸受けとして機能しないかトライしてみました。まず、ピポットの位置に千枚通しでへこみを付け(下左の写真)、シャシーに取り付けました(下右の写真)。

 集電板を両側に取り付けた状態にし、車軸をセット位置の持ってきて、シャシーの裾をドライバーで開いてピポット部をセットしました。しかし、車軸はピタリトはまりましたが、その回転は抵抗が大きくてスムースではありません。そこでピポット部を軸側に馴染むようにとシャシーの裾をギューと内側に押し付けてました。その結果として回転はかなり滑らかになりましたが、よく見る集電版は変形では無くて穴が開いていました。残念ながら写真の撮影を忘れています。

 要するにピポット式では無くて、小さな穴あき集電機構となっていたのです。KATOの初期の集電機構となっていたのです。でも、この後の点灯テストではチャンと集電していましたので、少し回転抵抗がありますがこれでOKとすることにしました。

 

■ 前照灯と尾灯の工作

 次に、前照灯と尾灯の工作を実施しました。このシリーズは、2両が永久連結となっていますので、一つの車両には、前照灯と尾灯をその前方となる前面にだけ取り付ければよいことになります。そしてその場所は運転席部分となります。この場所は、幅13mm、奥行8mm、高さ4mmの空間がありますので、ここに前照灯と尾灯ユニットをセットすることにしました。同じ床下には室内灯用のブリッジダイオードも取り付けることが出来ます。

 これまで、「S系電気機関車のメンテナンス」(2023/1/14)などで、このような工作を実施してきましたが、スペースが限られているので残念ながら今までの工法が応用できません。まず、前照灯と尾灯の位置が縦に並んでいます。この狭いスペースでは無理なので、上側の前照灯の位置だけを使って、兼用することにしました。誤魔化しです。

 そこで、車体の前照灯の位置にΦ0.9mm の穴をあけて、Φ0.75mm の光ファイバーを通すことにしました。ユニットはボックス状にすることにして、車体と共加工した穴をぼっくの側面にあけ、光ファイバーの取り付け穴としました。

 そして、ボックスの中央部には、チップLEDが納められるようにくり抜きました。下の写真。写真に示すように、光ファイバーはUターンして、チップLEDの光を取り込もうというわけです。

 そのチップLEDは、ほぼ同じサイズに切り出したユニバーサル基盤の上に半田付けしました。使用したチップ部品は、1608サイズのもので、

です。 ポリウレタン線Φ0.29mm 1を使って配線しています。白色と赤色のチップLEDは逆向きに並列に配置し、それに抵抗を直列に配置しています。リード全のプラス/マイナスに合わせて、白色と赤色のどちらかが点灯するようにしました。KATO製のユニットと同じ配線ですね。また、逆走行時のチラチラ点灯は、どちらかが点灯している状態でのチラチラなので、問題ないと判断しました。

 初期の配線状態の写真を下に示します。相変わらずのイモ半田ですが・・・・・・・・。

 点灯テストの状態です。

 そして、ボックスに取り付けて、シャシーに取り付けた状態を下に示します。工作途中の写真は忘れていますが、何度もやり直して結果です。

 一つの光路を使っての白色と赤色の点灯は上手く行きましたが、グロテスクなユニットなってしましました。

 遮光はアルミ箔を使用していますが、その前はパテを使ったのですが、光漏れが発生していたので変更しています。また、シャシーへの取り付けは、両面テープでしたが、これもすぐにはがれてしまうので、絹糸に変更しています。金属線てはなくて、絹糸を使用した訳は、同時に裏側に固定したダイオードブリッジの足がショートしないよう配慮したからです。さらに、光り方が不足していたので、途中で抵抗を 510Ωに変更しています。いろいろ苦労しています。

 集電板との配線は?これも撮影を忘れています。

 

■ 室内灯の工作

 次に室内灯の工作ですが、もちろんチラツキ防止回路を実装します。まず、問題のコンデンサは、天井裏に取り付けることにしました。少し高さが足りませんがその分はテープLEDを浮かして対応しました。

 ます、車体の天井に穴を開けました。位置は屋根のへこみ部分に合わせます。ここに 100μFの電解コンデンサを取り付けます。下の写真

 天井部分には 1KΩの抵抗を介してテープLEDに接続しました。そして、コンデンサの両側の端子より天井裏を通してシャシーに配線しています。

 室内灯用のショトキーダイオードブリッジは、前照灯ユニットと同じ運転台のシャシー下に取り付けています。シャシーの内側は配線でゴチャゴチャですが、分解時の作業性を考慮してテープLEDへの配線を長めにしたためと、連接車間の配線用の余分な線を折りたたんでいるためです。

 でも、シャシー裏側のカバーで隠れてしむので問題ありません。最後に、床面が黒いままではせっかくの室内灯もきれいに反映できないので、白色のMTテープを貼り付けています。

 

■ 点灯テスト

 線路上にて点灯テストを実施しました。12V仕様のテープLEDを使用していますので、パルス制御のパワーパックを用意して線路上でテストを実施しました。室内灯は無事に点灯しています。

 前照灯と尾灯も少し光量不足ですが点灯出来ました。フロントガラスの内側に¥が汚れていましたが、最終的には綺麗に掃除して再組付けしました。

 周りを暗くしてみました。

 走行状態の動画を紹介します。

 

 進行方向による前照灯と尾灯の点灯具合は、配線作業中に混乱して間違えてしまうミスを何度も経験しています。今回も途中段階でチェックしたので、OKでした。また、コンデンサの効果も効いているようです。また、両車両とも集電機能は良好なので、車両間の通電配線は不要のようですが、メンテの悪いレイアウトでもモタモタ運転やチラチラ点灯を防止するため、車両間の通電配線を工作することにします。

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 今回のトレラー車の電飾は合格と言えますが、

  1. 明るくなった室内はこのままで良いか。これは他の車両にも言えることですが。
  2. 前照灯と尾灯の光量不足はUターン形状の光ファイバーに原因すると推察していますので、まだ改良の余地があります。
  3. 車輪の走行抵抗について、平たん路では動力車の力で走行できたのですが、上坂ではどうだろうか。特に登山鉄道で登り切れるだろうか。確認が必要です。

などの課題があります。

 次回は、動力車の4001A号車の電飾工作を報告します。

 

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2023/8/4