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小型のターンテーブル式ジオラマを作ろう ターンテーブルを作る

 小型のターンテーブル式ジオラマを作っています。ベースの工作が出来たので、回転する円盤を作りました。

 

■ 円盤の工作

 ベースの上板と同様に、4mm 厚のべニア板(シナゴウハン)をΦ380mmに切り出します。まず、380mm×380 mm の正方形を描き、その中心にピンを立てて、レイアウト工作で使用していた特製のコンパスを使って外形を描きました。この時に、使用する線路の内側と外側の線も描いておきました。

 曲線を切り出すことが出来る引廻鋸を使って円盤状に切り出し、ペーパーを使って仕上げました。線路や小型車両を置いてみて、完成時のイメージを掴みました。

 

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■ 円盤の支柱を作る

  次に、円盤を支える支柱部材を作りました。テーブルの回転振れを抑える重要な部品です。そして、構想はまだ雲の上ですが、将来のブレーキ機構を工作するための要となるので、自由度があるようにしておきます。

 まず、土台で使用した太めの24×45mm の角材を使用して、中央にΦ10mmの穴を開けておきます。右の写真。この角材の上下を、ボールベアリングの位置決め用板で固定しようとするものです。下側は、切り出した円盤であり、上側が、右の写真に示す小片です。

 ボールベアリングは、内径がΦ4.0mm 、外形がΦ16.0mm 、 幅が5.0mmの643サイズのものですので、Φ16mm の穴を開けておきます。先回の設計図を参照ください。

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 まず、円盤と支柱部材を木ネジで固定します。ネジの頭が上に出ていると回転の邪魔になるのでサラネジを使用しました。下の写真。一ヶ所、位置をミスって支柱部材の脇に開けてしまいましたが、ケガキ線の意味がなかったようです。相変わらずドジですね・・・・。 そして、円盤の中心にベアリングをセットします。

 次に、上側の板を肯定します。ここでもドジを踏んでしまいました。こちらもサラネジでしっかりと固定しようとしたのが間違いでした。慎重に工作したつもりですが、仕上がった状態で、土台に組み付けてみると、円盤の振れが大きくてフラフラの状態でした。円盤と中心軸の垂直が出ていないのです。

 そこで、サラネジを止めて、マル頭の木ネジに変更しました。板の穴も大きめのバカ穴にしてガタが出るようにしました。そして、上側のベアリングの位置をずらすことが出来るようにして、円盤の振れが小さくなる位置を調整しました。何度か調整して、目標の円盤の振れが数mm程度になるまで調整することが出来ました。

 

■ 集電部を作る

 回転機構が出来たので、線路への給電のために円盤の下側とベースの間に集電機構を工作しました。まず、円盤の下側に厚さが 0.1mm の粘着剤付銅板を使って、下の写真に示すように貼り付けました。切り抜いた部分は、ガタガタの円形ですが、ドンマイ、ドンマイ! そして、配線を通すための小穴も2ヶ所ずつ開けておきました。

 次に、土台側の集電シューを作ります。集電シューは、0.1mm 厚さのリン青銅板を使って円盤下の銅板に接触させますが、まず、考慮した点は、円盤裏側の銅板とショートしないこと、バネ力は円盤に均等に掛かるようにし、円盤が傾くようなモーメントが掛からない様な構造にする事でした。

 このために、下に示すような形状にベニヤ板を切り抜き保持板としました。中心部にはベアリングを保持する穴を開け、その左右には内側の集電部に接触させるシューのための穴を開けています。また、上下には外側の集電シューのための穴です。

 集電シューは、幅 6mm の短冊状に切り出し、先端部を曲げて接触部としています。 これらを保持板に取り付けました。下右の写真。取り付けはマスティングテープをつかっています。円盤裏の集電部との接触状態を確認(下右の写真)問題ないことを確認します。

 下の写真は、テープで固定された集電シューの状態です。左の写真は裏側を示し、右の写真は上側の状態を示します。

 外周用と内周用のシューは、それぞれ二つに分かれていましたが、半田付けによって連結させておきます。下左の写真。そしてこの集電シューセットをベース台にサラ木ネジを使って密着させます。下右の写真。でも、何故だかベース台と少し斜めになって固定されていますが、何故でしょうか?

 注意して組付けたつもりでしたが、組付後は駆動軸が固くなっていました。ギヤボックスとベアリングの3点支持になっているため、軸がこじれていると判断しました。でもサラネジを使っているので、保持板をズラすことが出来ません。そこで、板を少し回転させて、新しい位置で再調整したのです。駆動軸の回転具合を見ながらネジを一つずつ固定していきました。なかなか難しいものですね。

 組付け後の状態を下に示します。集電シューへの給電は、あらかじめ保持板に開けておいた穴の部分で、スズメッキ線(Φ= 0.6mm )を使ってベース台の裏側に配線しました。集電シューとスズメッキ線は穴の中で半田付けしています。その頭は、板より上に出ないように配慮しています。下右の写真。

 なお、この部分にベアリングを使用している理由を説明しておきます。狙いは、先々回の報告の中の12番目の項目である「回転テーブルのスラスト力やモーメントを全てウォームギヤボックスで受ける構成である。このため、やや心配であるので改良案も検討しておくこと。」に対する改良案なのです。

 このべリングの下は、ベース板に開けたΦ10mmの穴で受けています。即ち、円盤の重みはこのベアリングのスラスト力として受け持ち、ベース台で受ける構造になっています。さらに、円盤の縁に掛かった力は円盤軸のモーメントとなり、このベアリングのラジアル力となります。これも保持板で受けることになります。

 と言うことで、この部分は結構重要な機能を受け持っているのです。

 

■ 円盤側の配線

 ベース側集電部の工作が出来たので、円盤側の配線を実施しました。内側と外側の銅板には、それぞれ2ヶ所の穴を開けていますが、まずポンチを使って穴を円錐状にへこませておき、そこにスズメッキ線(Φ= 0.6mm )を使って半田付けしました。そしてその頭はやすりで平らにしておきます。下の写真。

 下の写真は、ある程度の馴染み運転後の写真ですが、シューの当たりも問題ない様です。表面は薄く接点グリスを塗ってあります。

 円盤の表側には、線路との配線を実施しています。裏側から配線したスズメッキ線を支柱周りで連結させ、さらに線路へと配線を実施しました。線路には、いつものようにレールの外側に半田付けしています。円周上2ヶ所ずつ接続させるのは、線路自体の抵抗によって位置による電圧降下がはっせいするのですが、その影響を少なくするための工夫です。

 

■ 駆動軸と円盤の回転止め

 次に、駆動軸と円盤の回転止めを工作しました。ステンレス棒を使って作った駆動軸なので、タミヤの様な回転止が使えません。そこで、0.5mm の真鍮板をコの字形に曲げて、M3の小ねじとナットで止めるアーム構造にしました。 また、円盤側にはΦ2.5mm のピンを差し込んで回転を止める構成にしています。下右の写真。このアームをはずせは、駆動軸と円盤はフリー状態になります。

 

■ 運転状況の確認

 工作が一通り完了したので、試運転を実施しました。駆動モータと線路への給電配線はベース台の裏側で実施し、仮配線としてテープで止めています。また、電源は、円盤を駆動する側は、単2の乾電池を使用し、電車の走行は、KATOのパワーパックスタンダードSX を使用しました。

 スイッチなども無い仮の配線状態です。

 そして、電車はチビ電を走らせました。最初は、回転途中で給電が途切れたりするなどの状態でしたが、シューの曲げ具合や、M4ワッシャーを使っての高さ調整、接点グリースの塗布など、なんども調整し、どうにかスムースに回転できるようになりました。給電も問題ありません。

 テスト中の運転状態を動画でも紹介します。

 

 動画紹介しているように何とか調整出来ましたが、円盤の回転が速すぎます。当初は乾電池2本で駆動する予定でしたが、1本の 1.5volt でも速すぎます。減速機構は変更できないので、制御で対応することにします。PWM制御のデューティ比を使って制御することが必須となりました。

 円盤の回転ムラとか、振れなどは良好の様ですし、集電機構も正常に機能していますので、ここまでの工作は合格とすることにしました。

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 次回は、その制御方法を検討することにします。

 

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2023/8/23