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小型のターンテーブル式実験装置を作ろう ブレーキ機構を作る

 小型のターンテーブル式ジオラマを作っていますが、ジオラマ工作として一区切り出来たので、当初のねらいのように「特性解析 今後の課題」に記したアイディアを追って行くことにしました。そこでまず、ポイントとるなるブレーキ機構を検討しました。

 

■ 当初のねらいを進めるためには

 当初のねらいを進めるためには幾つもの課題があります。

  1. 駆動軸と円盤の間の伝達トルクをコントロールするブレーキ機構部分の構成は?
  2. 線路上の車速を測るために回転円盤の回転速度の計測方法は?
  3. 動力車の牽引力あるいは制動力の計測方法は?
  4. 動力車への給電電力の電圧と電流の計測方法は?

 まず、3番目と4番目の課題については、以前実施した経験がありますので、その例を応用すれば実施できます。2番目の課題は、円盤の裏側に白黒のセブラ模様を貼り付け、光センサを使ってパルス計測する方法をイメージしています。

 問題は1番目の課題です。モータで駆動された中心軸と円盤の間を、ブレーキの効く機構が必要となります。本来は、動力吸収機構があれば問題ないのですが、起点円盤の摩擦抵抗が測定オーダーの一桁以下である必要があるので、我がホビー工作の腕では、その機構を構成するのが不可能なのです。

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 最初に考えたのは、歯車で増速させてモータを発電機として使用し、その発電力をブレーキ力として利用しようとしたのですが、コギングの無いモータとしてのコアレスモータや制御回路などが必要となり、我が幼稚な電気の知識では無理と判断しました。そこで、機械的な方法のブレーキ機構を模索したのです。

 

■ 円盤状のブレーキパット方式

 そこで、機械的手段を探しにホームセンタをうろついていたところ、家具などの脚裏に貼り付けてフローリングなどの傷防止用として売られていた硬質フェルトを発見しました。外径がΦ40mm で厚さが2mm の物です。下左の写真。この硬質フェルトをブレーキシューにして真鍮製の円盤で挟んでブレーキ機構とすることにしました。

 このフェルトの大きさに合わせて、0.3mm の真鍮版を切り出してブレーキ円盤としました。一方の円盤は駆動軸に固定するためのネジ止部材を同じく真鍮版で作り、M3の小ねじとネットで軸に固定するように細工しました。そして、中心軸を合わせた状態で半田付けしたのが、下左の写真です。この円盤の反対面には、フェルトを貼り付けています。

 もう一枚のブレーキ円盤は、ターンテーブルに連結させるのですが、まず、中心穴を回転軸に合わせ、ターンテーブル側に打ち込んだΦ2.5mm のピンによって、回転止となるように長孔を設けた部材を半田付けしました。この部材の中央部には円盤への加重点となるように大きなヘソ(凸部)を叩き出しました。下左の写真です。

 また、この加重点に加重を掛けるためのレバーを工作しました。上右の写真。レバーはΦ2.0mm の真鍮線を支点にして揺動できるように支持部を設け、ターンテーブル側に固定しました。

 

■ 組付け状態

 次にこれらの部品の組付け状態を説明します。ベアリング部にはグリースを塗布しておき、塵除けのために大きめのワッシャをかぶせます。下左の写真。そして、ブレーキパットを貼った円盤をはめ込み、小ねじにて回転軸に固定します。下右の写真。

 この上にブレーキ円盤を乗せた状態を下左の写真に示す。中心は駆動軸にはめ込み、回転止め穴にピンが入るように乗せています。横から見た状態を下右に示します。

 次に、加重用のレバーを組付けます。下左の写真。このレバーをブレーキ円盤の上にかぶせた状態を右に示します。

 

■ ブレーキ円盤への加重方法

 ブレーキ作用を発生させる為には、ブレーキシューとブレーキ円の間に力を加える必要があります。その為には、いろいろな重さの重りを用意しました。携帯用はかりの100グラム分銅、どこかの車両の重りとして使われていた角型の鉄片、そして変形自在の水草の重りなどです。この水草の重りは、残念ながら、ホームセンターではもう発売はされていませんでした。

 これらの重りを、レバーのいろいろな場所に乗せて、ブレーキ円盤に掛かる荷重を調整しようとするものです。乗せる位置を変化させれば荷重を微調整できます。ただし、掛ける加重の再現性は無いので、測定データを見ながら調整することになります。

 

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 細工が出来たので、機能確認テストを実施しました。何とか機能していることが確認できましのでヤレヤレです。次回報告しましょう。

 

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2023/9/11