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小型のターンテーブル式実験装置を作ろう ブレーキ機構の機能テスト

 小型のターンテーブル式ジオラマを作っていましたがジオラマ工作として一区切り出来たので、当初のねらいのようにターンテーブル式実験装置としてのアイディアを追って行くことにしました。今回はポイントとるなるブレーキ機構の機能テストを実施しました。

 

■ 機能テストの実施

 工作したブレーキ機構が実際に機能するのかどうか実験してみました。

 この実験装置を下左に示します。走行用の給電電源はいつもの安定化電源を使用して供給用の電圧を設定します。そして、簡易的な電圧・電流計測ユニットを使って、電流の状態を観察します。電流は動力車両の駆動動力にほぼ比例するので、これを観察することのより、動力車の負荷、即ちターンテーブルの負荷具合を観察することが出来るのです。

 走行させるテスト車両は、小型ながら力のある鉄道コレクションの岳南電車FD40形を使いました。

 車両の位置を固定するために、カプラーを括りつけた棒を使いますが、カプラーがストンと落ちないように下左の写真のように工夫しています。そして棒の反対側は糸を使って台に止め、左右、上下に動けるようにしています。

 テスト結果、やはり、テーブルの回転抵抗が大きく、動力車の駆動力では回転させることが出来ませんでした。このテスト状況を動画にて記録しておきます。

 さて、ここからどうするかです。覚悟していた強制回転方式で進めるのか、あるいはテーブルの回転抵抗をもっと改善するのか。そこで、現状を把握することにしました。

 

■ ターンテーブルの回転抵抗をチェックする

 回転抵抗が大きいことが分かりましたが、数値的にどれくらいかを測定しておきます。測定方法は、以前に実施した方法に習って実施しました。「モータのトルク特性を測定 その2」(2012/6/25)や、「モータ特性を測定しよう その2 負荷方法」(2016/9/21)などを参照ください。

 重りを乗せる紙で作った籠を絹糸でつるし、滑車を介して水平に伸ばし、ターンテーブルの線路中央部に糸を固定します。籠と滑車を下に示します。

 糸の端は、線路上にセロテープで糸を固定しました。下左の写真。籠の重さは0.8グラムでした。

 測定結果:

  1. 籠のみでは微動だにしません。
  2. 1円玉が4個の場合は、手を添えると少し動くもののすぐに止まりす。
  3. 1円玉が5個の場合は、自分で動き出します。

 この時の重さを量りました。

 1円玉はきっちりと1グラムであることは、以前のテストで承知していましたので、このような計測には重宝しています。測定結果より、ターンテーブルの回転抵抗は、5.0〜5.5 グラムであると判明しました。目標の1グラムには達しておらず、小型の動力車ではスタックしてしまうのも納得です。

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■ 集電機構に注目する

 測定結果に少し落胆したのですが、その原因としてベアリングの選定を間違えたのかと思いました。円盤の重量をスラスト力として受けるベアリングは、スラストベアリングが、アンギュラーコンタクト型を採用するのが常套手段ですが、軽荷重と踏んでいたので、深溝型の通常のベアリングを使いました。しかし、これがまずかったのではないかと反省していました。でも、線路への給電のために円盤の下側とベースの間に設けた集電機構が怪しそうだったので、ここに疑いの目を向け、この部分を殺して実験してみました。

 土台部分に設けた集電シューが板の上から飛び出さないようにセロテープで押さえました。無用となった配線部分も台の中に丸めておきました。

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 測定結果は思惑どうりであった。0.8グラムの籠のみの状態でもテーブルは動き出していたのです。1グラム以下としていた摩擦抵抗の目標を難なくクリアーしていたのでした。そして、手で思い切り回転させると、なんと 20秒以上も回転し続けていたのでした。

 これで、今までの課題がクリアー出来そうです。

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 そこで、動力車を乗せて、ブレーキ機構の機能テストを再開しようとしました。

    でも、動力車はビクともしません。なんで動かないの?

    バーカ! 自分で給電回路を切ってしまったので動くわけないだろう! ドジ・・・・・・・!

と言うわけで、機能テストは出来ませんでした。給電回路は動力車に直接配線する必要があります。そして、車両が動かないようにカプラーで引っ張っておく必要があるのです。

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 即ち、牽引力測定部の工作が必要となってくるのです。 そこで、ブレーキ装置の機能テストは暫くお預けとし、この工作に取り掛かることにします。

 

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2023/9/12