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小型のターンテーブル式実験装置を作ろう 牽引力の測定部

 小型のターンテーブル式実験装置を工作しています。まず、ポイントとるなるブレーキ機構の機能テストを実施しましたが、牽引力測定部の工作が必要となっので、この部分を工作することにしました。

 

■ 牽引力測定部の構想

 大まかなイメージをもとに、設計図面を描くことにました。A4のグラフ用紙を用意して、尺度1/1にて描いてみました。円盤の外径と共に、線路の中心径R150mm を最初に描きました。中心位置はA4用紙からはみ出しましたが、グラフ用紙を工作シートに貼り付けていたので用紙外でもOKです。下左の写真。大きな軽のコンパスを持ち合わせていないので、いつものように厚めのビニールシートを使って円を描いています。

 測定用の各種部品を並べて位置取りを決めますが、何よりも牽引力を測定する構成を決めなくてはなりません。まず、使用するロードセルは、Amazonにて入手した「uxcell ロード電池 重量センサー アルミ合金製 0-100g キッチンスケール用 バスルームスケール用 アクセサリースケール用」を使用します。星が一つの悪い評価が多くて、作動すのか心配なので、2個注文しました。

 実は、同じ様なものを、2016/10/19に購入しています。そして、「モータ特性を測定しよう その5 ロードセル」(2016/10/5)似て、その使用状態を報告しています。この部品は正常に作動し、モータ特性の測定と解析に大いに役立ちました。実験後は装置を分解しましたが、部品はそっくり残していましたので、そのまま使用する予定でした。でも、部品を触っているうちに導線が切れてしまい、半田付けしたのですが作動するかどうか不安でしたので、新品を探しました。 同じような部品はあちこちで見つけることが出来たのですが、ネジ穴で無いのもあり、微妙に異なっていたので、同じuxcell製を選択しました。

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 さて、ロードセルの測定範囲は、±100グラムの範囲なので、これでは非力なNゲージの牽引力は測定できません。そこで、先回と同様に、レバーによってロードセルに掛かる力を拡大することにしました。レバー比は、1:3〜4にすることにしました。

 動力車のカプラー部分を接線方向に引っ張り、拡大レバーの接線方向に作用するポイントを探しました。但し、レバーの中心はベース台の隅に設けるものとしました。こうして作図した状態を下に示します。カプラーの作用点の腕の長さは93mmでしたので、ロードセルに作用するピンぴ値は、93÷3=31mm とし、ロードセルの位置を決めました。

 当初は、センサ信号を処理する機器類はベース台の中に収納するつもりでしたが、多くの配線がゴチャゴチャするので、一つのボードの上にまとめることにした。このため、処理のためのマイコンであるArduino UNO は右の方にはみ出すことになってしまいました。

 さらに、車速、即ち、テーブルの回転速度を測定する装置を、テーブルの裏側に貼り付けた白黒マークをフォトリフレクタで読み取ることにし、その位置も決めておくことにしました。

 

■ 拡大レバーの制作

 最初に拡大レバーを工作しました。図面に従い1mm厚さのプラバンからレバーの上面と下面を切り出しました。そして、レバーの中心穴 Φ1.5mm とロードセル連結リンク用の穴 Φ1.0mm 穴を共加工により工作しました。さらに、上下をつなぐ壁部分も切り出しました。下左の写真。

 真鍮線を使って上面と下面の位置決めし、壁部品を使って接着して、レバー部品を組立てました。上右の写真。

 上の写真は、完成してレバー部品です。なお、ロードセル連結リンク用の穴 には、リンク位置を中央部に持ってくるために、角材を使って高くしています。下左の写真。

 そして、信号処理機器を取り付けるボード、100×200mm とロードセル取り付け台、および、レバー支持板を上右の写真のように工作しました。

 

■ ロードセルの取り付け

 入手した新品のロードセルについて、機器との接続のためにピンヘッダを配線端部に取り付けました。また、細い配線を保護するためにMTテープを部分的に巻いています。下の写真。

 このロードセルは、片持ち梁の構造ですが、梁が上下にあり、支持部と荷重部は平行リンク状態を維持することが出来ます。また、歪ゲージは上下の梁に設置されており、合理的な設計になっています。従って荷重点を自由に移動させる事が出来き、非常に使い易い部品です。製造は中国のようですが、このスマートな設計は欧米のどこかのメーカーではないかと思っています。

 ロードセルの荷重点の部品を工作しました。図面に従って連結リンクの保持部品を0.3mmの真鍮板で作りました。歪ゲージとの干渉を防止するため、2mm厚さのプラ板をスペーサーにして、M3の小ねじで工程します。下右の写真。

 そして、連結レーバーを組付けた状態を下左に示します。ここで、保持部材の首部が少し弱そうであることが分かりましたが、過大な力が掛かった場合のたわみ部として作用し、このレバー機構の力の逃げ部分とすることにし、設計ミスの言い訳とすることにしましょう。

 このロードセルは、上右の写真に示すM3のネジを使って固定します。厚さ2mmのプラ板をスペーサーとして使用します。

 このネジを使ってロードセルを取り付け台に固定します。そして、先に作った拡大レバーを連結して所定の位置になる中心軸をベース台に加工します。上左の写真。そして、各部の干渉具合をチェックし、問題なかったので上の板を取り付けました。上右の写真。この時に、レバーの水平と垂直位置を調整してからネジ止しています。

 なお、この後、この板の分解を想定て、Φ1.5mm の真鍮線を使ったノックピンを打ち込んでいます。

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 次回は、信号処理を実施する電子機器類の工作内容を報告します。

 

 

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2023/9/22