HOME >> 鉄道模型工作室 > 小型のターンテーブル式実験装置を作ろう ロードセルの較正
小型のターンテーブル式実験装置を工作しています。今回は、牽引力を測定するロードセルの較正を実施します。測定機構は拡大レバーを使用していますので、測定点に実際の荷重をかけてロードセルから出力されるデータを較正します。
#include <HX711.h> // Measure-4-2 2023/9/28 // 機能テスト-2 // ロードセルの較正 // HX711.DOUT - pin D17 // HX711.PD_SCK - pin D16 #define START 5 const int LOADCELL_DOUT_PIN = 17; const int LOADCELL_SCK_PIN = 16; HX711 scale; void setup(){ Serial.begin(9600); scale.begin(LOADCELL_DOUT_PIN, LOADCELL_SCK_PIN); } void loop(){ int start; start = digitalRead(START); while (start == LOW) { start = digitalRead(START) ; } //ロードセルを読む long reading = scale.read(); Serial.println(reading); delay(500); }
■ ライブラリーの設定とスケッチの記述
ます、ロードセルからの信号を変換してArduino に入力させるモジュールを使用するため、必要な設定を行います。以前実施した「モータ特性を測定しよう その5 ロードセル」(2016/10/5)に習ってライブラリーの設定とスケッチを記述しました。
使用するセンサは、HX711モジュール (秤量センサー 24位精度ADモジュール 圧力センサーモジュール)を介して入力しますので、これに対応するライブラリーをインストールしようとしたのですが、幾つものライブラリーが有り、どれを選択すべきか判断できませんでした。昔は一つだけだったような気がいます。
そこで、昔のメモなどを探すと、どうやらBogde のライブラリーX711 を使用したようです。パソコンの買い替えや再インストールなどで、その設定内容は残っていませんので確証はありません。そこで、今回も同じ名称のある ”HX711 Arduino Library” by Bogdan Necula のライブラリーをインストールしました。
スケッチは、昔に習って記述したのですが、コンパイラーエラーとなってしまいました。ちなみに昔のスケッチでもエラーとなってしまいまうので、これは何か問題が潜んでいると判断しました。
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そこで、解説書やサンプルスケッチを比較していると、昔はアナログ入力ポートを使っていたのが、新しいバージョンではデジタルポートを使用することになっていました。このため、ポート指定の記述をアナログ入力の A2、A3 では無くて、デジタル入力の D16、D17 に変更してみると、正常に機能するようになりました。
無事にシリアルモニターから何やら数字が表示されるようになり、データの取得は問題なく実施されているようでした。
・・・・・ ハード側の変更が必要無かったのでやれやれです。 ・・・・・・
■ ロードセルデータの較正(プラス側)
データの較正は、いつものように一円玉や100円玉の硬貨を使用しました。レバーと直角方向に絹糸で引張り、滑車を介して紙製の籠をつるしました。この籠の中に硬貨を入れてゆき、測定スイッチを押して測定を実施します。データはシリアルモニタに表示させ、その値を読み取ってExcel にてグラフ化します。
測定状態を下に示します。また、糸を引っ張る方向を確認してテーブル台の位置を決めています。
絹糸は、四駆のパーツ(だったと思います)のベアリング付滑車を介して下に吊るします。
パソコンとはUSBケーブルにてシリアル通信によってデータを受け取ります。
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測定は、硬貨を少しずつ増やしていき、そして一つずつ減らしてセロ点に戻ります。最初は1円玉を使っていましたが、途中から100円玉にとしています。
拡大レバーによって、ロードセルには3倍の荷重がかかっているはずです。即ち、50×3=150グラム以上かけたことになり、オーバーロードの状態ですが、無事にゼロ点に戻っています。仕様は100グラムなので、安全余裕があるものと考えますが、良くないですね。
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グラフ上で直線近似を適応させ、その式を表示させました。上りと下りも含めて見事に一直線であり、バラツキもほとんどありません。近似式は、
y = 0.00005100 x + 1.40534654 R2 = 0.99988219
決定係数R-2の値が、0.9999もあるのですから、測定精度はバッチリと言えるでしょう。
■ ロードセルデータの較正(マイナス側)
次に、マイナス側も較正しておきましょう。今回の装置では、円盤を駆動装置で強制的に回転させることによって、動力車の制動状態を測定することが出来ます。この時はロードセルにはマイナス側の力が掛かるので、その時の値を見ておくことにします。
拡大レバーには反対方向に力を掛ければよいので、テーブル台などの位置を変えます。線路と拡大レバーの荷重点、そして滑車の位置が直線になるように設定します。下左の写真。滑車のしたに籠をつるします。下右の写真。
測定は、プラス側と同じように実施しました。この時得られた近似式は、
y = 0.00005099 x + 1.3975443 R2 = 0.99969286
でした。マイナス側もプラス側の延長線上にあると判断出来たので、プラス・マイナス合わせてグラフ化し、一つの直線式で近似させることにしました。その結果を下に示します。
右のグラフは、ゼロ点付近を拡大したものです。ゼロ点はプラス側とマイナス側のスタート時とゴール時の4個のデータをプロットしていますが、ピタリト直線上に乗っています。拡大レバーのピン部は少しガタのある連結なので、コジレなどによるヒステリシスの発生は予防できていると見ていましたが、データ的にも心配内容で、プラス側とマイナス側は連続して計測出来ると判断しました。
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■ まとめ
そして、ロードセルから得られた指示値としてのデータ x より、牽引力は y は、
y = 0.00005100 x + 1.40 グラム
計算することにします。結果は、小数点一に丸めることにします。
次回は、電圧と電流の計測と測定値の較正を実施することにしよう。
2023/9/29