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ATS列車自動停止システム 閉塞区間の設定と工事の準備

  ATS列車自動停止システムの開発も、いよいよ後半の作業に入りました。 今まで検討してきたシステムの要素機器とソフトを使って、実際のレイアウトに組み込んでいく作業となります。 まず最初に閉塞区間を設定し、レイアウトへ取り付けるための準備をしておきます。

 

■ 閉塞区間の設定

 最初の仕事は、レイアウト上での閉塞区間の設定です。 今まで大まかの区切りは考えていましたが、下の写真のように実際に列車を走らせて区間の長さをチェックしながら設定した。

 走行させる列車は、ホームの長さを基準とした。 待避ホームに停車して後続の列車の追い越しが可能な長さにすることを想定したからです。 新幹線車両では8両まで、客車では機関車1台と客車8両までが限界でしたので、この長さを基準にして、閉塞区間を区切ることにした。

 

 しかし、ギャップの設定位置とか、制御機器の設置場所も考えて置かなければならないし、さらに、当レイアウトは分割式のベースで構成していますので、ボードの分割位置も考えておかなければならないのです。 出来たら同じボード内で配線が完了し、通信配線のみを連結させていく方法が望ましいのです。

 そこで、閉塞区間を下記の様に設定しました。 制御機器の設置場所の詳細な検討は個別に検討してそれに合わせて製作する必要があります。 レイアウトボードの分割具合を色の違いで表現しています。

 ここで、このレイアウトの方向を決めておこう。 駅の配置を南北方向とする。 実際の部屋の配置も同じ南北に長い部屋なので、左側は北側方向となる。

 

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 閉塞区間は、エンドレス路線を8区間に分けました。 駅構内を第1区間として左回りに番号を付与しています。 ギャップの位置は右回りと左回り用をなるべく近い位置になるように設定した。 その理由は、一枚の複線線路上で、通過センサと信号機、および給電ポイントが設置出来るようにしたかったからです。

 

 TOMIXの直線線路の長さは280mm ですが、フライホイール付き動力車を止めるにはこの長さがギリギリでした。 これ以上短いと、通過センサで検知して通電を止めたとしても惰性で走行して、ギャップを越えて先方の区間に車輪が入ってしまします。 すると、先頭車輪を介して電車内を通過した電気は、後輪車輪からせっかく閉塞した区間に流れてしまい、そのまま列車は通過してしまうのです。

 逆に長くすると、2枚の線路を連結する必要があり、レイアウト上の制約も発生します。

 右の写真は、冬のゾーンで採用したATS設置線路です。 右回り用と左回り用の要素を一枚の線路に設置しています。

 

 

■ 制御機器の製作

 まず、標準的な閉塞区間用として、制御ユニットと信号機を量産(?)する必要があります。

 PICマイコンは、 書き込んだプログラムがどれだったのか分からなくなるので、番号ラベルを背中に貼り付け、何時、どのプログラムを書きこんなのかをリストを作って管理するようにした。 また、12F683と12F635を混同しないようにラベルに色を塗って識別するようにした。 番号管理だけでは不安だったからである。

 

■ 電源類

 このレイアウトの制御ゾーンを紹介する。 制御機器類は、下左の写真に示す様に部屋の一番奥に設置している。 スイッチ付のコンセントを使ってメインの電源元とし、それぞれの機器に配線している。 下右の写真の様に、左からヤード用のKATO製コントローラへのコード、次に今回の制御用 5volt ACアダプタ、そして、右回りと左回りの周回路用コントローラ、機関区のターンテーブル用、路面電車用のコントローラのそれぞれのコード、一番右が照明用の12volt ACアダプタをつなげている。

 右回りと左回りの周回路用コントローラは TOMIX 製のTCSパワーユニットN-1001-CL を2台を使用している。 下左の写真。 今回の制御用 5volt ACアダプタからは、下右の写真に示す様に、ON/OFFスイッチを介して配線するようにした。 このスイッチは、制御回路のリセット機能として重宝している。

 

■ 配線コネクタ

 次に配線類のコネクタを説明しておこう。 レイアウトのメンテナンス時には配線類の脱着作業が入るため、再接続時のポカヨケのために配線コネクタの種類を分けて置き、ラベルも付けておくことにした。 まず、給電用の配線はKATO製のコネクタを活用し、右回りと左回りのラベルを付けておく。 下左の写真。メス側のコネクタが不足していたので分岐コネクタを分解して利用した。 下右の写真。

 信号線は、一つのブロックで、外側の左右回りと、内側の左右回りの4本の信号線に、+5voltとGND の合計6本の線が必要である。 このため専用ののコネクタとして、MOVE TECH NET SHOP より、クリンプ端子 EI シリーズのオス/メス端子を注文した。 配線と接続状態をを下に示す。 配線は色分けし、どこに接続するかも指定しているので、基盤側への取り付けも混乱しないようにした。

 ブロックによっては、4本で良い場合もあるが、その時は欠番として配線しない状態で使用する。

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 制御用の5volt 電線は、右の様な照明配線に使用していたコネクタを使用する。 ただし、照明ラインは12volt なので間違わない様にラベルを明記して判別する。

 

 

■ 工事区間用の制御ユニット

 レイアウトへの設置工事は、全区間を同時に実施できないので個別に実施していくのだが、組付けた後の機能確認はその都度実施して行きたい。 これには列車を走行させて作動状態をチェックするのであるが、前または後の閉塞区間が未工作区間である場合でも対応する必要がある。

 

 このときに搭載した制御ソフトのロジックでは、先方区間のセンサ情報が得られないのでフリーズしてしまう。

 そこで、先方区間の通過信号S2を使用せず、S1を通過後はタイマーを作動させて数秒の間は後続の列車を停止するロジックとし、このタイマーが作動している間は橙色の信号が点灯するようにした工事用のプログラムを使用することにした。 前後の閉塞区間との通信状態のチェックは無理であるが、それ以外の動作は確認できるのだ。

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 2019/8/29 作成