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システムの構成要素 車両速度制御回路

 システムの構成要素として、走行させる車両の走行速度を制御する手段が必要である。 その車両速度制御回路について説明します。

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■ メーカのパワーパック/パワーユニットを活用する方法

 手取り早い方法として、メーカ製の電源をそのまま利用して、リレーを使ってON/OFF させる方法がある。 制御系がOFFの時は手動操作が可能であるし、進行方向の変更も手動で行うことも出来る。 さらに、リレーの種類を変えると色々な組み合わせも出来る。

 このリレーの駆動にはトランジスタを使用してON/OFFさせる。 この駆動回路は、リレーの容量を見ながら電源電圧や電流制限抵抗を決める必要がある。 さらに、リレーのコイルの逆起電流の影響を防止するため、容量が大きめのダイオードを挿入しておく必要がある。 さらに、リレーによってはON時は常に通電させておくタイプや、切替時のみ通電させるタイプなどがあるので、制御内容とも対応させる必要がある。 いずれにしても、リレーの焼損防止のために注意が必要であろう。 

 Arduino においては、上右の写真の様なリレーとその駆動部が一体となったシールドが提供されているので、Arduino の上に重ねるだけで配線完了となり、あとはリレーの端子に配線するだけなので非常に便利である。

 

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■ モータドライバを使用する方法

 鉄道模型の動力車は、そもそもがDCモータであるため、DCモータを駆動させるための専用ドライバIC を使用すれば、走行制御が出来るのは当然であろう。 この手のモータを駆動するICとしては、東芝製の TA7291P モータドライバIC が有名である。

 このドライバは、ロジック電源が4.5〜20volt、出力側電源が0〜20voltで、出力電流は 平均/ピークで1.0/2.0A まで対応しているので、Nゲージでの制御にはぴったりなのである。 さらに放熱板などが不要のため回路に組み込みやすいのである。

 入力ポート IN1とIN2の信号に応じて、出力ポートOUT1とOUT2に出力される。 入力側と出力側のGNDは共通なので回路を組む時には注意が必要である。

 制御方法は、モータの正逆転を切り替える Hブリッジ回路を使うことも出来ますが、ここではArduino や PICマイコンなどの出力信号として、PWM制御信号を使って駆動ささせるのがスマートな方法です。 最近のメーカのパワーパック/パワーユニットは、このPWM制御を採用しています。

 PWM制御はON/OFFの制御なので、前進させたい場合には右のレールにPWM制御された電圧を掛け、左はGND電圧即ちゼロで良いのです。 従って、前進はIN1にPWM 信号を入れ、後進ではIN2にPWM 信号を入れれば良いので非常に簡単に制御ができます。

 また、注意事項として、PWM信号の周波数設定と、それに対応可能なドライブ回路かどうかもチェックしておく必要があります。

 

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 2019/8/14 作成