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ATS列車自動停止システム 試運転の実施

 ATSシステムの設置工事が完了したので試運転を実施し、不具合点の抽出と対策を実施した。

 

■ 試運転の実施

 レイアウトに色々な車両をセットしてシステムの作動状態をチェックした。 蒸気機関車や電気機関車で牽引した旅客列車、旧型貨物列車、コンテナ列車、電車や新幹線などを走らせた。 また、Bトレ車両も走らせたが、線路の整備不良による凸凹により、カプラーの自然開放が多発した。

 このため2軸車両で対応したTOMIX のTNカプラーに交換して対応するも数が多いので未対応の車両も多い。 また、タンク車やコンテナ車には重りを追加して、約20グラム重量になるように加重した。 ほぼ倍増である。

 この他にも、動力車の走行特性を層別して4種類に分類し、同じ走行特性の動力車を走らせるようにする。

 

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 このほか、走行テストの結果、幾つかの不具合点が見つかったのでリストアップする。

■ リセット時の信号無視の件

 一般の制御部に於いて、リセット時の信号無視の発生は、最初の状態のチェックが十分でない事による。 システムの構想での制御の概要の図に於いて、場面1では先に電車がいるのにチェックを怠ったからである。 そこで、最初にS2のチェックを実施するようにロジックを変更した。

 そのほかに、誤動作防止のため、S1やS2のチェックにおいて、ダブルチェックを実施するように設定した。

 改良したフローチャートを右に示す。

 

■ 列車が途中で消えてしまうの怪

 テスト走行中に気が付いたロジック上のバグである。 左側のヤード出入口において、他の列車との衝突防止のために左回りの閉塞区間を閉塞させる制御をしている。 これは、ヤード出入りスイッチを設けて通過センサ回路に疑似信号を流すだけの簡単な回路であった。

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 当初は、左回りの列車だけを止めればよいと考えていたが、考えが甘かった。  システムの構想を参照。  右回りで入線した列車の後続列車は、先方を走る列車がヤードに入線したのに、まだ本線を走行中であるとの信号のもとに、手前の閉塞区間で永久に停車させられていたのである。

  即ち、先方を走る列車が、途中で消えてしまったのである!

 

 この対策として、上の様な回路を追加した。 列車がヤードに入線完了後に、完了スイッチを押すようにしたのである。 消えた列車の代わりに、通過しましたという疑似信号を送信するようにしたのである。 通常は1kΩの抵抗を介して接続されている信号線に、+5volt のHIGH レベルの信号を流すだけの簡単な回路である。 そして、設置場所もヤードのコントロール操作部に新しく設けた。

 

 では、もう一方の出入り口はどうだろうか?

 秋のゾーンにあるヤード出入り口では、本線に出る右回りの列車の衝突防止のために、右回り本線と左まわり本線の列車の進入を止める疑似信号スイッチは必要である。 しかし、左回り本線からヤードに入線させる場合には、列車と衝突する危険はないのでこの信号操作は不要である。

 しかし、入線後に本線から列車が消えてしまうが、この時は疑似信号を発信するスイッチがあるのでこのスイッチを使えばOKなのである。 別のスイッチは必要ない。

 

■ ブリッジ部のギャップズレによる脱線対策

 ギャップ部の線路ズレが生じた段差によって、車輪が浮き上がって脱線するのを防止する対策として、精度向上を努力するも限界があるので簡単な対象療法とした。 もし、ギャップで車輪が浮き上がっても脱線しなければよいので、レール内側にガイド部を工作した。 

 この方法は効果があったようで、その後の脱線は無くなった。

 

■ バリアブルレールの見栄え向上

 模型店にて ワイドPCバリアブルレールV70-WP(F) を見つけた。 地方の模型店では見かけない製品であったので迷わず手に取ってしまった。 早速レイアウトに組み込んでみた。 他の場所にも展開したいのであるが・・・・・・・。

 

■ プログラムの最終仕様

 ここで、プログラムの最終仕様をまとめておく。 参考にして下さい。

使用場所 フローチャート アッセンブラ プログラム 使用したPICマイコン
一般制御 ATS-test-3-5.asm 12F635
入場制御 ATS-test-6-2.pdf ATS-test-6-2.asm 12F683
出発制御 ATS-test-8-7.pdf ATS-test-8-7.asm 12F683

 

 

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 2019/9/2 作成