■ はじめに
LEDを使用する場合には、過電流によるLEDの焼損に注意する必要がある。 決められた電流以上を流してしまうとLEDの内部が焼損して、あっという間に壊れてしまうのである。 また、その明るさは流す電流によって光り方が変化するので使用目的によって適切な電流を流してやる必要がある。 さらに、その特性はLEDの種類やメーカによって異なってくるので、適切な値を把握しておく必要があるのである。
■ LEDの電流制限の方法
LEDに流す電流を制限する方法は、一般的には次の二つの方法がある。
LEDの電流と電圧の特性は、種類やメーカによって千差万別である。 さらに同じ電流値を流しても明るさは暗いものから明るいものまでこれまた多数存在する。 しかし、一般的には、明るく照らす照明として使用する場合には 15〜20mAで使用し、点灯していることを示すシグナルとして使用する場合には 5〜10mAで十分である。
このようなLEDの特性は、メーカーの仕様に示されているが、専門的でよく理解できない場合が多いが、発光する色のほかに、発光に必要な電圧であるフォワード電圧 Vf と、明るさを示す mcd の値をチェックしておこう。 また、このときの電流値も参考になるが、一般的には 20mA 時のデータが多い。
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■ 実際に使用するLEDの特性
使用するLEDを入手した場合には、同時にカタログデータも入手しておくと良いが、自分で実験しておくことも出来るのでその方法を紹介しておこう。
テスト用回路は、右に示すようにLEDを流れる電流を測定する電流計とLEDの前後の電圧を測定する電圧計を用意し、適当な電源と調整用の可変抵抗を用意する。 また、安全のために 100オーム程度の抵抗も直列に挿入しておこう。 可変抵抗の抵抗をゼロにしても過大な電流がLEDに流れないようにするためである。
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測定していると、電流値は途中から急激に上昇するので、注意して測定しよう。 この急激に変化する部分が重要なので細かく調整して実験すること。
測定した電圧と電流の値を記録しグラフに記入する。 自分はEXCELを使ってグラフ化している。 このLEDのカタログデータによると、If = 20mA 時にVf = 2.0Volt と記されていたがまさにぴったりであった。
次にこのグラフの応用を紹介する。 左のグラフを見ると理解できるように、電流制限のための抵抗を一目で読み取れるようにしている。
いろいろな実験で使用する電源として、単3乾電池を3個使用することにしているので、供給電圧は4.5ボルトと設定している。 この場合を想定して、電流制限抵抗を流れる電流によって電圧降下が生ずるので、その様子を直線で示しているのである。 そして、LEDの特性線と交差する部分が、その抵抗を使用した時の流れる電流値となる。 このLEDの場合、330Ωの抵抗を使用すると 8mA の電流が流れることになる。