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E-1 LEDイルミネーション
■ 内容
バイナリカウンタを利用して10個のLEDを順次点滅させる回路。 クリスマスツリー用などのイルミネーションとして利用できる。
参考文献:
LED工作テクニック 伊藤尚末著 (誠文堂新光社) 2009/10/30発行 P62 「さまざまな色の点滅 バイナリ カウンタ イルミネーション」
■ 回路構成と確認テスト
たくさんのLEDがピカピカするようなイルミネーションを一つのICで制御しようとする回路である。 そして一見すると各LEDがランダムに点滅しているように見える。
- 使用するバイナリカウンタの74HC4060は、発振回路を内蔵しているので、周辺回路が簡単になる。 そして、 発振周期は、9、10、11番ピンの抵抗とコンデンサを変えることで調整できる。 供給電圧は2〜6ボルトである。
- このバイナリカウンタの74HC4060は、14ステージのバイナリカウンタ、即ち14桁の2進数で計測するカウンタである。 カタログに示されたロジックダイアグラムによると、7番ピンに4桁目(QD)に始めて出力し、順次カウントアップして行き、11桁目を飛ばして、14 桁目(QN)まで表示するカウンタである(と自分は解釈している)。 ポート記号のQA、QB、QC、QK が無いのはこのためである。
- 2進数で計測表示するカウンタあるため、低い桁を表示する出力ポートでは、早い点滅を繰り返し、高い桁のポートではゆっくりとした点滅の出力が得られるのでり、この出力を使ってLEDを点滅させるとランダムに点灯しているように見えるのである。
- このICのロジックダイアグラムとピンの配置を下に示す。
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- 回路構成と確認テストを実施したブレッドボードでの配線の様子を下に示す。
- 参考文献の回路とはLEDと制限抵抗の位置が異なっているが、これはブレッドボード状できれいに配置するための工夫であり、設置位置はトランジスタの上流でも下流でも良い。
- 回路図では、Q4、Q5、〜 Q14と表示しているが、QD、QE、〜 QN と同じである。
- 出力ポートは、単独では20mAまで流せるが、多くのポートが同時に点灯する場合があるのためICのパワーが不足となる恐れがある。 このため、わずかな出力電流で作動できるように、出力ポート毎に駆動回路が必要となっている。
- LEDの種類によって電流制限用の抵抗値を変えて明るさを調整すること。
- 各LEDが勝手に光っているように見えるので、いろいろな色のLEDを使用すると面白いし、 出力ポート毎に駆動回路があるので、一つのポートに複数のLEDを接続することも出来る。
■ ユニットの制作
小さなクリスマスツリーに添える事が出来るように、回路を少し修正してユニットを制作した。
- 同時に点滅するLEDを4個増設する。 LEDの色は、赤色、黄色、緑色、および青色の4色を使用する。
- また、自己変化する3色LED(イルミネーションフルカラーLED)を使用し、常時点灯するようにした。
- 修正した回路を下に示す。 色々な色を均等に光らせるように設定した。 また、色の異なるLEDは、輝度の仕様がそれぞれ異なっていたので、目で確認しながら、電流制限抵抗を決めていった。
LEDの色 |
LED番号 |
LED品番 |
電流制限抵抗 |
赤色 |
1、9、10、12 |
OSDE3133A |
750 Ω |
緑色 |
2、6、8 |
BL304G4CA2A01 |
330 Ω |
黄色 |
4、7、13、14 |
LSLED-Y301 |
510 Ω |
青色 |
3、5、11 |
LLED-B301 |
750 Ω |
イルミ |
15、16 |
OST1MA3131A |
510 Ω |
- LEDの配置と種類を下に示す。 一番頻繁に点滅するLED-1を中心に配置して、あとはなるべく散らばって光るように配置した。
- 完成したユニットを下に示す。
「D-5 クリスマスツリー用イルミネーション」で紹介したツリーは、実はこのユニットを使用して照明するつもりであった。 完成したユニットを台にして、その上にツリーを置くようにしたが、下からピカピカするだけでは、ぱっとしないし、さまに成らなかった。 そこで簡単に諦めて紹介したような照明方法に変更したのである。
しかし、残ってしまったこのユニットを何とか生かそうとして考えたのが、光ファイバーによる照明である。
右の写真に示すように、ユニットをカードケースに収め、φ3mm の熱収縮チューブ を使って光ファイバーの受け口を作り、各LEDにはめ込んだである。 光ファイバーの長さはランダムにして、あたかも生け花を作るようにして、ファイバーを差し込んで行った。
このユニットの点灯状態を下に示す。
クリスマスツリー用の照明が光のオブジェクトに変わってしまったが、これはこれで綺麗であった。 D-5のクリスマスツリー用イルミネーションと並べて飾っておくことにしよう。