箱根登山鉄道 2000形サン・モリッツ 2001号機

実車プロフィール

 箱根登山鉄道2000形サン・モリッツ号は1989年に登場した車両です。 2009年にレーティッシュ鉄道との姉妹提携30周年を迎えたことを記念し、レーティッシュ鉄道の氷河特急の塗装に変更し、運行しています。

 

模型プロフィール

● メーカー:TOMIX
● セット品名: 箱根登山鉄道2000形サン・モリッツ号(レーティッシュ塗装)セット
● セット品番: 98007
● 動力車名:2001(M)
● 動力車品番: なし
● 発売年: 2015年3月発売
● 購入日: 2017年6月新品購入
● 定価: \7,800.-

   

諸元と分解調査

■ セットの内容

 このセットは、登場時と同様に2両編成である。 そして、2001号車にモータを踏査して動力車としている。 編成内容は「箱根登山鉄道 2000形サン・モリッツ号(レーティッシュ塗装)」を参照下さい。

 ミニレイアウトでの集電性を安定させるため、連結部前後の台車部分をポリウレタン線を使って通電するように結線している。 下右の写真。

 また、チラツキを防止した手製の室内灯を装着している。 「箱根登山鉄道 サン・モリッツ号の室内灯工作」(2021/11/29)参照。

 

■ 動力車の分解調査

 モータが搭載されている動力車の2001号機を分解して構成を観察しよう。 台車を外し、シャシーを取り外すとモータとウォームが現れるが、分解は意外と簡単であった。

 KATOの一般的な構成と違って、集電シューがなく、電気配線を一体化した基板上で構成されていた。 そして、モータやウォーム軸もこの基板に装着されているのだ。

 

● 部品一覧

 台車を除いて分解した状態を下に示す。

 シャシーはダイカストによる一体成型である。

 モータはカンモータを使用しており、半透明なプラスチックで固定するようになっていた。 ウォーム軸も同様である。 ウォームは歯厚が非常に薄いが、歯丈は高い立派な形状であり、なかなかな加工技術を思わせる部品である。

 電気配線の基板と室内カバーの上側と下側を下に示す。 台車からの集電、モータとの接続、ヘッドライトとテールランプ、および、その照明のON/OFFスイッチ、室内灯との接続用端子部などが、この基板上に構成されていた。 基板は黒色の保護材でおおわれているが、電気的接触部は金色のメッキがされていた。

 台車と床下カバー、カプラーなどを示す。

 車体には、手作りの室内灯を装着しているが、テープ式LED工作の初期の作品であり、LED部には光を抑えるために薄い半透明のプラ板が貼り付けてある。

● 再組付け時の注意

 この種の構造の再組付けは初めてであった。 構造が簡単なので当初は気楽に組み付けて行ったが、組付け途中でのモータの作動チェック時にモータが動かなかった。 

 最初は、上左の写真のように、基板と室内カバーを組付け、その上にモータを取付けたのであるが、ダメであった。 この組付けには、上右の写真に示すモータ接続部がポイントと考えて、基板側の接触子をモータの電気端子の上側にバネ作用で押さえる様に組付けていたのであるが、これが間違いであった。 KATOのBトレモータの場合の組付け方法とは違っていたのである。 上左の写真の状態から、何も考えずにモータの保持部材ごと押し込んで組付ければよかったのです。 基板側の接触子は、モータの電気端子の側面に押さえ付ければよかったのです。

 モータとウォーム軸を取付けた状態を上左に示します。 この状態ではモータ部分は少し浮き気味ですが、押さえておくとモータは快適に回転しました。 そして、上右に示すように、ダイカスト製のフレームをこの上に被せてしまえばモータも固定できます。 モータの作動チェックも合格です。

 今回の分解組付けによって、TOMIXさんの工夫が伺えました。   TOMIXさんもなかなかやりますね!

 

 

動力特性

 未測定