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大型蒸気機関車:   C62 36 東海道形

 

実車プロフィール

 C62は、わが国最大の特急旅客用蒸気機関車として、昭和23年(1948)に、華々しくデビューした。 東海道本線、山陽本線はもとより、晩年は北海道でのC62重連による急行列車に多くのファンが集まった。 特急〈つばめ〉〈はと〉をはじめ、ブルートレインや幹線の特急・急行列車まで、常に花形として第一線で活躍した。
 C62 36号機は、1948年に川崎重工兵庫工場で製造され、宮原、梅小路、下関、広島二で活躍後、1966年に廃車される。

模型プロフィール

メーカー : KATO
品名 : C62 東海道形
品番 : 2019-2
車両番号: C62 36
発売日 : 2008年
入手日 :2008年3月2日 新品購入
定価 : \11,550.-

分解調査

● ボイラ内にモータを収めった新世代動力ユニットの、96型に続く第2弾製品である。  KATOの技術力を結集した(?)モデルであり、随所に新しい試みが盛り込まれている。

● KATOのC62は、三桁品番の時代から生産されていた歴史あるモデルですが、ついに旧製品の完全新規作成によるリニューアルモデルとして、2007年12月に発売される。

●この車両は、プリント基板のハンダ付け状態より、2008年2月発売の二次生産品と判断する。 (「Nゲージ蒸気機関車」より)

連結面間距離
151.5 mm
先輪車軸荷重 8.9 gf 動輪車軸荷重 53.3 gf ギャ比 i = 30.0
車体全重量 93.5 gf 従輪車軸荷重 2.2 gf テンダー車軸荷重 29.1 gf 動輪直径 D = φ11.4 mm

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● ヘッドライト点灯

●アーノルドカプラーからKDカプラーに交換する。 その後、トリップピン付きナックルカプラーに変更している。

 

● ボヂィの分解についても、「Nゲージ蒸気機関車」を参考にして分解していった。 だんだん慣れてきたので、問題無く実施できた。 ボディ部分の分解写真は省略する。

 

● 動力ユニットの左右の側面と上側からと下側から見た状態を下に示す。 フライホィールやジョイントの配置が良く分かります。

● 次に、部品レベルまで分解した状態を下に示す。

● 一番注目したフレームを下に示す。 まず、左右のフレームの表側と裏側です。

● 今回のモデルも、ネジ止めする部分が有りません。 左右のフレームは、左側のフレームにある2ヶ所のピンが、右側に設けられた穴にはめ込む形で固定されていました。 ネジ止めはされていません。 穴には絶縁も兼ねて樹脂製のブッシュがはめ込まれており、かなり固い勘合でした。 分解する時は隙間にマイナスドライバを差し込んで少しずつコジリながら開いていきました。

● 次にモータを見てみましょう。 上からと下から見た写真を下に示す。 モータはフレームへの固定用の爪を持った樹脂製の支持部材で保持されており、2019の刻印が見えます。 回転子は約30°のスキュウーが見られ、φ1.5mmのモータ軸には6角穴付きのフライホィールが圧入されています。

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● 左の写真は、電気機関車に用いられているモータと比較したものです。 やはり少しい小振りです。 「Nゲージ蒸気機関車」によると、KATOのキハ80のモーターが基本となっているとのことですが、このモデルを所有していないため確認できておりません。

● 下左の写真は、ウォームとジョイントを示す。 他のモデルで見慣れたようなセットですが、形状が新しい様なので、新設されたのかな?

● 下右の写真は、ウォームホイールとアイドラギヤです。 ギヤの側面には、0.25M と 24T、および、0.25M と 25T の文字が見えます。 これは、歯車の諸元であるモジュールと歯数を示すもので、初めてお目に掛った細工です。 これで、面倒な歯数チェックが楽になりました。 また、モジュールも小さくなっていますね。 ちなみに、モジュールと歯数から外径寸法を計算し、ノギスの値と比較するとピッタリと一致しました。 そして、軸芯が一体となって成形されているのもお初です。 軸受はどうなっているのかとフレーム側を見ましたら、ダイカストフレームに円形の堤と穴を設けて軸受を形成していました。 ウーム! コスト低減を考えた高度な細工ですね。 ウォームホイールが白色で成形されているのは、誤組付け防止ですかね。

● シリンダブロックは96型と同様に、左右分離させています。 しかし、モーションプレートの保持方法は新しいですね。 二つの足でフレームに固定するようになっており、この足の形状により、第1動輪を組付ける前にこのモーションプレート組付ける必要があることを、後から気が付きました。 

● サイドロッドはこれまたお初の、前後の2分割になっています。 そして、前後のサイドロッドはメインロッドと共に、第二動輪の穴にリターンクランクのピンで止められています。 これは、 第2動輪が軽く上下に動いて浮くようになっているため、このような構成になっている。 「Nゲージ蒸気機関車」の解説によると、これによって、ゴムタイヤのついた第3動輪に大きな荷重がかかって、強い牽引力を生む仕掛けになっているとのことです。 なお、サイドロッドは分割されているため、リターンクランク側の穴は、ガタガタではなく、ガタの少ない連結となっています。

● 何時ものように、動力伝達機構のイラストを左に示す。

● モータとウォームの配置は、96型と逆になっています。 動輪と従台車の位置によって、モータを前に持ってきたり後ろに持ってきたりと、試行錯誤をしながら、最適構成を探したのではないかと思われます。

● 上のイラストをつらつら見ていると、その努力によってすっきりとした配置が出来あがっているようです。 そして、第1動輪とモータの間には、思わぬ空間が出来たので、遊び心に動かされて、シースルーのフレームとしたのではないかと勘ぐってしまいます。 

● ウォームギヤのトルクは、ウォームホイールに伝達され、アイドラギャを介して第3動輪に伝達されます。 第3動輪はトラクションタイヤを履いているため、ここで主に牽引力を発揮しますが、第1動輪と第2動輪はサイドロッドによって駆動されています。 

● 動輪を1回転させるために必要なモータ回転数、即ち減速ギヤ比は、ホィールやアイドラギヤの歯数は関係せず、動輪の歯数 30 決まります。即ち、ギヤ比  i = 30 である。

● 動輪のクリーニング中にトラクションタイヤがルーズなことに気が付きました。 そこで、取り外して純正部品と取り替えうことにしましたが、サイズが違うことに気が付きました。 円形定規にあてて外形をチェックすると、装着されていたタイヤは、約11mm ありました。 (円形定規は鉛筆の芯径を0.5mmとして表示してある) Z02-0503 の純正部品は、9.5mm でした。 表面はまだ綺麗であったし、装着されていた部品が不良品とは考え難いので、径年変化によって、へたりを生じたとしか考えられません。 購入後5年は経っているのですが、この程度でトラクションタイヤは交換しろと言うことなのだろうか? 今までの考えを改めなければなりません。

● 次にライトユニットを見てみましょう。 「Nゲージ蒸気機関車」さんによると、2008年2月発売の二次生産品では、前方の接点がプリント基板にハンダ付けされているとのことですので、小生の車両は該当するようです。 このライトユニットは、モータへの導電回路ともなっており、左側に端子にてフレームから電気を受け取っています。 後ほど、この部分でトラブルとは思ってもいませんでした。

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● 新設されたフレームを改めて観察してみましょう。 左の写真は左右のフレームを合体させた状態です。 左右を合体させてみると、彫刻家の手になる、なにかの藝術作品を見ている様が気がします。 

● フレームを構成するダイキャストブロックは、実物の棒台枠に形を似せてあり、板ばねやイコライザを模して、細工されています。 これだけシースルーを細工しているのも初めて見ました。

● この細かな細工は、設計者のこだわりが伝わってくるようで、色々な角度から見てみましょう。 一つ一つの細工を見て行くと、飾りなのか、機能上必要な加工なのか考えて行くと楽しいですね。

● 右上の写真の中央部にある小さな四角い小さなあなは、モータホルダの爪を引っかける穴です。 その外側の穴は、ランボードを止める穴です。

● とっておきの細工は下左の写真に示す、四角いシースルーの穴の奥に見える柱です。 単品を見ている時には気が付かなかった見落としそうな細工ですが、ドローバを受ける柱です。 段付きのドローバーをフレームの後ろから差し込み、その支点となると共に、テンダーからの通電機能も持たせてあります。 他のモデルでは、フレームの下側に設けるのですが、このモデルでは奥まった位置に設定しています。

● 次に右上の写真をご覧ください。 動輪の軸受けを保持する溝の端に、小さな溝が細工されているのを気が付いたでしょうか。 この溝は動輪の軸受けブッシュの小さなフランジを挿入する溝で、ブッシュのスラスト方向の位置決めをしています。 そして、このブッシュが従来の物より一回り小さくなっており、組付け方向も逆になっています。● その組付け状況を下の写真に示す。 下左がギャ付き動輪で、下右がギャ無し動輪です。 この動輪を分解していないので詳しい事は分かりませんが、外から観察すると、ブッシュのフランジ部分の外径はφ3.0mm 、二面幅は□2.5mm 、動輪の軸径はφ1.0mm の様で、今までの物よりコンパクトになっています。 回転軸の軸受け部分は、動輪軸の部分のようですので、径が小さいことにより回転摩擦抵抗の低減に効果があるのではないかと思われます。 でも、軸の回り止めは、軸の圧入力だけで確保しているのでしょうか? 

● 次に動輪押さえを見てみましょう。 先台車は回転と共に、左右に移動出来るピンで動輪押さえと連結しています。 そして弱いコイルスプリングで押し下げるようになっています。 これで先台車の脱線を防止している様です。 また、従台車は動輪押さえにはめ込まれており、板バネによるセンタリング機能も付与されています。

● テンダー車は、電車や客車などで採用されているセンターピンの外れない新型スナップオン式の台車が採用されており、車軸もピポット軸受式の集電板が使われています。 分解していくと、二つ割れのフレームが出て来ました。 そして、エンジン部のフレームと同様に、二つのピンで結合する方式です。 勿論絶縁ブッシュう付きです。

● 集電機構もシンプルで、この二つ割りのフレームを上手に活用しています。 台車のサスペンションも柔らかく、カント付き線路にも柔軟に応答するように配慮されているようです。

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● 「Nゲージ蒸気機関車」さんによると、このモデルは、“あちこちに新しい技術や工夫があって、古くからのKATOのファンにとっては驚きの連続だろうと思います。” とのことでしたので、じっくりとあちこち観察し、楽しんできましたが、最後に思わぬところで苦労させられました。

● 分解調査後、再組付けを実施して行きましたが、モータの調子がいまいちとなっていました。 テスター用のプロッドを使ってモータ端子に直接電圧を掛けると、モータは勢い良く回ります。 しかし、左右のフレームを通して回すと、うんともすんとも言いません。 フレームを押さえると動き出しますが、勢いがいまいちです。 ライトも同様です。

● 構造上より、フレームとライトユニットの接触不良と判断しましたが、接触部が小さく、薄い銅板や導線などを押し込んでみたりしましたが、安定しません。 96モデルのヘッドライト基板の様に、スナップ式の部材を使用してくれれば、安定的に接触させるのにとブツブツ云いながら対策を考えて行きましたが、とうとう諦めました。 非常手段として、右の写真のように、“ばんそうこう” を貼る事にしました。 なんと、これでバッチリでした。

● 使用したのは、粘着アルミ箔です。 粘着層は絶縁性があるので、裏側に幅が半分以下の帯状のアルミ箔を貼り合わせ、そちらが導電するように細工してあります。 貼り付けた後は、上からボイラーを組込んでも問題無いようにと下の部品形状に沿って変形するように押しつけています。 なお、ショートの恐れがあるためモータには接触しないよう注意しております。 ヘッドライト消灯スイッチもいいのですが、そのスペースがあったら、接触不良対策を考えて頂きたいですね。

● 何度もボイラーを組んだり外したりしたもんですから、いつの間にか何カ所かの手すりの足が折れていました。 クー・・・・・・・・・・・。

                                                     ( 2013.7.19〜21 分解調査 2013.7.22 追記 )

動力特性

 今回、走行中のモータ端子電圧とモータ回転数を検知する測定方法を工夫したので、この測定法によって動輪のスリップ率やモータ回路の電圧降下量のデータを紹介する。 モータ回転検知のための白黒マークは、車体中央部のフライホイールにペイントする。 また、速度測定用の光ゲート遮断のために、右側のデフに紙を貼りつけて、遮断部材としている。 下左の写真。 センサ類を装着したC62-36号機の外観を下右に示す。   測定実施日: 2015/9/5

 

速度特性:

 車速・電圧特性と電流・電圧特性は従来からの測定と同じである。 但し、データ量は半分にしグラフの大きさも小さくしている。 先回のデータと殆ど同じと判断出来るであろう。 今回、新たに加える事が出来るようになったデータも追加して示す。

 このC62-36号機の場合の電圧降下量が大きいのには驚きである。 1.5〜2.5ボルトも途中で喰われてしまっているので、速度特性が右方向に大きくドリフトしてしまっている。 スケール速度の80Km/h を出すには、 6 Volt以上も 必要であり、一般的なNゲージより遅めである。 この理由がモータ回路の抵抗損失であったとは意外であった。

 その原因場所は何処だろうかと興味があるが、原因追究が難しそうであったので諦めた。 このモデルで採用されているモータ回路と一緒に構成されたヘッドライト用の基板のどこかが悪さしているようである。 この電圧降下量とそこを流れた電流値のグラフから、 E = 0.0228×I - 0.0148 との関係を強引に求められるとすると、モータ回路の抵抗値は、22.8Ωと大きな抵抗値と推定されるのである。 

  また、モータ回転数と端子電圧の関係グラフは、特性的にはあまり意味がないが、データのバラツキが少ないという現象を確認する事でき、、モータの回転数検知と端子電圧の測定方法が安定している事を示しているからである。 測定方法はOK だ!

 

牽引力特性:

 牽引力特性として牽引力と車速、牽引力と電流のグラフは従来からの測定と同じである。  こちのデータも先回のデータと殆ど同じと判断出来るであろう。

 今回興味を持って観察していた電圧降下を示すグラフをみると、電圧降下量は高いままの、ほぼ一定値を示している。 牽引力が変化しても、電流値が変化しても、また速度が変化してもほぼ一定と見る事ができる。 速度特性の場合は、あたかもモータ回路の抵抗値が、22.8Ωであるようなデータであったが、牽引力測定時でのデータでは今回も、もろくも否定されてしまった。

 スリップ率のパターンは電気機関車の場合と傾向は同じと判断した。 摩擦係数としてグラフ化すると所謂μカーブを表示している。 トラクションタイヤの効果によりかなり高い値を発揮している。    ( 2015/9/6  追記 )

 

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● 出力と効率

 上記の牽引力測定データを基にして、右に示す様に、出力と効率のグラフを追加する。 2016/11/28 追記

 

 ******** (以下は 2013/8/26  追加時のもの) ************

  ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。 測定実施日: 2013/8/26

 

暖機運転:

 動力特性を測定する前に実施した暖機運転の経過も、自動的に測定した。負荷が掛った状態で走行させ、その時の速度と電流の変化を記録する。 モータなどが温まってきて、特性が安定すまでの目安を見る事が出来る。

 性能は少しずつ変化しているが、およそ5分後には一定になっているようである。 しかし、走行中は性能のふらつきも見うけられ、下り坂での速度のバラツキが大きい様である。 途中で速度が落ちた個所が2ヶ所あるが、原因は不明である。

 この測定は、最初に条件を設定した後は、全て自動で測定されており、途中での操作は一切実施していない。 設定条件は、重り車両重量 85.1グラム、走行抵抗 0.85 グラム、勾配は sinθ= 0.0940 、供給電圧は 7.2 Volt 、であり、駆動側の負荷は 18 グラム、制動側の負荷は -16 グラムであった。

 

 

速度特性:

 次の速度特性を測定した。 スケール速度の80Km/h を出すには、 6 Volt 必要であり、一般的なNゲージより遅めである。 走行開始の電圧も高く、速度/電圧の勾配も大きい。

 以前測定した結果よりも走り出しの電圧が高くなっているが、分解組付けが影響しているのだろうか。 しかし、消費電流は、以前の測定値よりも少なく、60 〜 80 mA であった。

 電流値のバラツキが少ないのに、速度のバラツキがやや大きいのはなぜなのだろうか。

 

牽引力特性:

 次に牽引力特性を測定した。 動輪荷重が約53グラムで、トラクションタイヤを第3動輪にはいている。 粘着領域での牽引力は約23グラムで、大型蒸機としては充分な力と言えよう。

 牽引力特性は、バラツキが少しあり、特に制動領域では、大きくなっている。この領域では、すこしノッキング現象が見られるが、機構的な要因がりそうである。 ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点は、- 2〜-3グラム付近と小さく摩擦抵抗が小さいようっである。

 MICRO ACEのC62-2A 号機と比較すると、牽引力も大きく、走行は安定しているように思われる。 そしてMICRO ACEのC62-2A 号機とは、速度差が20Km/h近くあるための重連は微妙なところである。

  ( 2013.8.26  追記 )

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速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。
 スケール速度80Km/hは、電圧でみると、6.0 volt近辺である。1volt当たり 20 Km/hの増加で、やや緩やかである。 最低電圧は2.0voltと高く、かつ、走行開始点も3.5voltの手前あたりからで、意外と走り出しが遅い。 他のSL群とは一味異なって特性となっている。

 速度係数などは新しい設計動向であるが、摩擦抵抗が大き過ぎる様に思われる。自分の入手した個体のみだろうか。

 

 

   

 電流値は、かなり低いレベルで、新設計の小型動力の特徴のようである。

 

 *********** 追加:2011.12.2 ***************

 改良した傾斜測定台で測定したデータを右に追加する。表示スケールを変更しているが、特性的にはほとんど同じと判断している。

 

 

 

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。 測定途中で様子がおかしくなった。 車輪を観察すると右側のゴム輪が車輪から外れていた。 何時の時点で外れたのかは不明であるので、参考データとする。

 ゴム輪がゆるいので外れやすそうである。 きつめ目のゴム輪に交換出来たらよいが。 マイクロのC62もゴム輪がゆるいので、共通点があるのかな?

 再測定を実施予定。

 “パワフルかつスムースな走行性能を発揮” とうたい文句にあるが、今のところ右の特性線図からは読み取れない。 再測定の結果に期待する。

 

 

 ******** 傾斜法での再測定 ***********

 ゴム輪をきつめ目のゴム輪に交換し、牽引力特性を傾斜法で連続測定した。

 牽引力の勾配はかなり寝ており坂道などの負荷が大きくなると一気にスピードダウンしてしまうようだ。 動力を小型化したとのことであるので、モータのパワーが小さくなったためと思われる。 マイクロのC62と比較するとその違いが分かる。

 電流値は、全体的に低い値を示している。 また、ウォームギヤの駆動状態と制動状態の境となる制動力 Fq は、3グラム程度であり、マイクロの C62 よりも小さい値である。 これは、リンクなど動輪の摩擦抵抗が小さいためと推定する。

 

 *********** 追加:2011.12.2 *********

 

 改良した傾斜測定台で測定したデータを右に追加する。 特性的には少し変化しているが、制動領域での測定が上手く行っている。 電流特性と見比べながら考察するに、-12グラムぐらいからは、電流の増加がとまっている一方で、に速度は上がっている状態となっている。 これは、車輪が滑っているのではないだろうか。

 うーーむ! 走行中の車両のモータ回転数を測定してみたい。 そして、車速度とモータ回転数の差異を把握したくなるね。 すると、車輪がスリップしているかどうかが判別するのだが・・・・・・・・・・・・。

 

 2011年11月に新動力の新しい C62 が発売された。 その時のうたい文句に、旧車両(即ちこの車両のこと)は、重連時の下り坂でギクシャク走行が発生するので、改良したとのこと。そこで、注目して測定したが、確かに下り坂ではややギクシャクとした動きになっている。 そして、ギーギーと小さな音で鳴きながら下っていく。 勾配がさらにきつくなるとその音は連続するようなる。

 この現象は、最近測定したBトレ用の動力でも経験している。 KATO製小型車両用動力ユニットの動力特性を参照されたし。 原因は同じなのだろうか。 また、新動力では改良したとのことであるが、 どこの場所の、どのような原因でこの現象が発生し、どのような対策を打ったので何故改良できたのか、知りたい事がいっぱいありますね。カトーさんは公表してくれないのだろうか。