HOME >> マイコレクション > 蒸気機関車リスト > C62 2 A 函館本線・小樽築港機関区
1968(昭和43)年、函館〜札幌を函館本線経由(山線経由)で結んでいた急行「ていね」が急行「ニセコ」と改称されました。 この列車はスハ43系に車軸発電機を装備するなどして北海道型に改装したスハ45系を中心とした旧型客車で編成され、C62形蒸気機関車が牽引する最後の優等列車でした。 昭和46年9月15日、C62が牽引する最終日の「ニセコ」は三重連にて牽引されま した。
C62 2号機は、1948年に日立製作所笠戸工場で製造され、糸崎、宮原、吹田、小樽築港などで活躍し、1972年10月から京都府「梅小路機関車館」で動態保存される。
メーカー : MICRO ACE
品名 : C62-2 函館本線小樽築港機関区改良品
品番 : A9810
車両番号: C62 2
発売日 : 2008年2月
入手日 :2008年2月22日 新品購入
定価 : \10,290.-
● 車両番号に A を付与しているのは、同じ番号の車両が揃ってきたので、識別のために便宜的に付与したものである。
● デフに燕マークを印刷。 ランボード側面を白く塗装。
● 「ニセコ」ヘッドマークを取り付け済み。
● ヘッドライト点灯(電球色)
● カプラーの交換: アーノルドカプラーからKDカプラーに交換している。
連結面間距離(KDカプラー) | 149.5 mm | 先輪車軸荷重 | 3.5 gf | 動輪車軸荷重 | 55.7 gf | ギャ比 | i = 38.77 |
車体全重量 | 96.9gf | 従輪車軸荷重 | 3.8 gf | テンダー車軸荷重 | 33.9gf | 動輪直径 | D = φ10.9 mm |
● 部品を分解した状態を下に示す。
● 下左の写真は右側のフレームの裏側を、右の写真はフレームにギヤを組込んだ状態を示す。 ギヤの左の方に3本の軸が見えるが、何に使うのだろうか? 不思議な痕跡が残っているのである。
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● 左の写真はモータを示す。 回転子には約10°のスキューが見られる。 回転子には白ペンキのマーキングはあり、 さらに電極端子は白色(洋白?)を使用している。
● 動力伝達部の構成を左のイラストに示す。
● ウォームホイールは、歯数 z = 24 のホイールと、 z = 13 の小ギヤによる 2段ギヤとなっている。 アイドラギヤは歯数は、 z = 31 の一枚のみで構成されている。
● 動輪のギヤは、歯数 z = 21 で、第1と第2、および第3動輪の各動輪に設けられているが、第1動輪のギヤに噛合うアイドラギヤが無いので、ロッド連結のみである。
● 第1動輪と第3動輪はサイドロッド連結されている。 そしてこのサイドロッドは、第2動輪とガタの多いピンで連結されている。
● 動輪を1回転させるために必要なモータ回転数、即ち減速ギヤ比は、
ギヤ比 i = 24×21/13 = 38.77
である。
● トラクションタイヤはギヤ駆動されている第3動輪に装着されている。
( 2013.7.1 分解調査実施、 2013.7.5 追記)
ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。
測定実施日: 2013/8/25
速度特性:
スケール速度の80Km/h を出すには、 5.5Volt 必要であり、Nゲージとしては遅いと言える。 データで見ると バラツキは少ないほうであるが、低速ではやや安定を欠く走行である。車速と電圧の関係は殆んどリニアな関係となっている。
電流は、140〜 210 mA と大きい方であり、電流と電圧の関係はやや曲線てきである。
牽引力特性:
駆動側の粘着領域での牽引力は 15 グラム程度であり、大型のSL としては少し物足りない。 往年の特急列車として長編成の44系客車などを牽引するには力不足と思われる。
特性データのバラツキはやや大きく、安定感に欠けるが、特に制動領域での走りは、ノッキング走行(ギクシャクとした息継ぎ走行)が見られ、ブレーキが掛ったり外れたりの繰り返しによって不安定な走行が起きている。
また、制動領域では、典型的なS字特性が見られ、ノッキング走行の要因と関係しているのではないかと思っている。
ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点は、8〜10グラムと推定され、この点を境に特性が大きく変化していることに注目しておきたい。
駆動側と制動側の粘着力にかなりの差があるが、なぜなのだろうか? まだまだ勉強不足ですね。 ( 2013.8.25 追記)
******* (以下は 2011.8.26更新時のもの) ******
速度特性:
動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。スケール速度80Km/hは、4.5volt近辺である。
1volt当たり 25 Km/hの増加で、一般的な値である。走行開始点は、2.5Voltを過ぎたあたりからでる。 消費電流は高い方であり、KATOのC62とは、かなり異なった特性となっている。
牽引力特性:
ゴム輪をきつめ目のゴム輪に交換し、牽引力特性を傾斜法で連続測定した。
牽引力の勾配はかなり立っており、モータがパワフルである事を示している。 このため、負荷が掛ってもスピードダウンは小さい。 しかし、牽引力が15グラム程度で動輪のスリップ状態に入ってしまい、粘着領域での牽引力は期待出来ない。
また、ウォームギヤの駆動状態と制動状態の境となる制動力 Fq は、8グラム程度もあり、KATOの C62 比べてかなり大きい値である。 これは、リンクなど動輪の摩擦抵抗が大きいためと推定する。 個体差なのか、メーカーの技術レベルの差なのかは分からない。
(2011.8.26更新)