HOME >> マイコレクション > 蒸気機関車リスト > 9600形蒸気機関車 29611
9600形「キューロク」は、大正2年から大正15年の間に770両が製造された国産初の量産蒸気機関車で、大正うまれの国産標準貨物機である。
古い機関車ながら使い勝手の良さから、支線貨物や入換用として活躍する。 しかし、太いボイラーのため、重心が高くなり、短足の肥満児のごとくスタイル的にはスマートと言い難いが、小さな動輪と相まってどっしりとした重量感をかもし出している。
29611号機は、1918年に製造され、九州で活躍する。1974年に廃車され、佐賀県杵島郡大町町に保存されている。
メーカー : KATO
製品名 : 9600
品番 : 2014
車両番号: 29611
発売日 : 2009年10月 再生産品
入手日 :2009年11月1日 再生産品の新品を購入
定価 : \8,610.-
● 2002年に発売されたモデルの再生産品である。
● ボイラー内にモータを収め、フライホイールも搭載した新しい動力ユニット。
● キャブ内の空間が確保され、バックプレートも再現されている。
● ヘッドライト点灯(先頭部、テンダー部)
● アーノルドカプラーからナックルカプラー(Z05-1522)に交換。
● ミニレイアウト走行可能。
車体全重量 | 64.3 gf |
先輪車軸荷重 | 0.5 gf | 動輪車軸荷重 | 44.7 gf |
テンダー車軸荷重 | 19.1 gf | ギャ比 | i = 26.09 | 動輪直径 | D = φ8.4 mm |
● 同じグループの 69659 号機と同一構造と考えているが、とりあえずボディを分解してみた。
● 動力ユニットは、 69659 号機と同じようである。 モータの外側の色が黄色のクロメート処理の色から、真っ白な色に変更されている。高級感が出ているようだ。 さらに、ヘッドランプ基板の上に、絶縁用と思われるテープがのせてあった。 上にかぶる重りがフレームと接触してシュートするのを防止するためなのだろうか。 また、当然ながらモータの印字も違っていた。
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● 動力ユニットの外観を見ている限り、その他の変更点はなさそうであったので、これ以上分解する必要が無いと判断して、 69659 号機で忘れていたモータの後ろ姿を撮影して分解調査を完了とした。
詳しい調査結果は、 69659 号機 を参照してください。
( 2013.7.18 分解調査 7.20 追記 )
ここに示す動力特性の測定は、自動測定システムを使用して実施する。 測定実施日: 2013/4/9
暖機運転:
動力特性を測定する前に実施した暖機運転の経過も、自動的に測定した。負荷の掛った状態で走行させたもので、その時の速度と電流の変化を記録する。 他の項目は殆んど変化なし。
性能が安定するのは意外と早く、2〜3分程度で安定する様である。 途中のふらつきも少ないようである。
速度特性:
スケール速度の80Km/h を出すには、 5 Volt 必要であり、一般的なNゲージと言える。
電流は、50 〜 80 mA で小さいほうである。 特性のバラツキも少なく、安定している車両である。
牽引力特性:
動輪荷重が約45グラムで、トラクションタイヤを第3動輪にはいている。 そして、粘着領域での牽引力は約20グラムで標準的な車両と言えよう。
牽引力特性は、バラツキも非常に少なく、安定した走りを見せている。 電流値は綺麗にそろっており、ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点が、- 6グラムと、はっきりと読み取れる。 さらに、この近くでは特性が少しバラつのも、興味が湧いてくる。
また、牽引力/速度の勾配が弓なりになっているのも読み取れるが、なぜなのだろうか?
また、この測定中の電流と電圧の関係を右のグラフに示す。 電圧変化は、0.5ボルト以下であった。
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下に示す以前のデータと比べて、数値的な値は合致しているが、データの細かさなどは格段に進歩したと言える。 このため、特性の特徴がはっきりと読み取る事が出来るようになっている。 苦労のし甲斐があった。
先日測定した、TOMIX の96と比較して、さすがKATO の車両は安定した性能を発揮している。 TOMIX の96を測定していた時は、測定方法が悪いのではないかと不安になっていたが、今回のデータを見て、一安心した次第である。
( 2013.4.9 追記 )
***** ( 以下は 2010.9.27 作成のもの) *******
速度特性:
スケール速度80Km/hは、5.0volt近辺である。
1volt当たり 20 Km/hの増加で、やや緩やかである。貨物機らしく低速走行仕様となっている。
走行開始点は、1.5Voltを過ぎたあたりから。
牽引力特性:
動力車の牽引力特性を測定する。電圧5.0voltでの牽引力・車速特性と牽引力・電圧特性を右に示す。 負荷の増大に対しては、ややスピードダウンをしている。重連には対応できそうである。
制動側も意外と安定しており、データも安心して測定出来た。
最大牽引力は20グラム程度である。