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小型蒸気機関車: Baldwin 9号機

 

実車プロフィール

 このBaldwin 9号機は、1912年(明治45年)6月に、アメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで製造した(製造番号37944)、2気筒単式で飽和式の小型機関車で、富士身延鉄道が開業に際して用意した3両のうちの1台である。 1936年に鶴見製鉄造船に譲渡され、その後、愛知県犬山市の博物館明治村に移されて、1974年(昭和49年)から動態保存されている。

 現在は修理中であり、明治村では実際に見る事ができないが、代わりに12号機が運転中である。 来年のイベントには修理後の姿を見せるとか。 

模型プロフィール

メーカー : トーマモデルワークス 
品名: 0501 N ボールドウィン9号機キット (組立キット)
車両番号: 9号機
発売日 : 2014年3月8日
入手日 : 2014年3月8日 新品購入
定価 : \17,325.-

● 真鍮製組立てキット  組立て: 2014年3月  

分解調査

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● 真鍮製組立てキットの組立て工作の状況は鉄道模型工作室の「トーマのボールドウィン9号機を組立てる 」 を参照下さい。 真鍮製のSL組付けキットは、これで4台目となるが、まだまだの出来ですね。

● 車両番号は、前面に9号機のマークはあったが、側面のプレートは無かったので組立られずにいる。

● カプラーは後ろはKDカプラーを、まえにはシンキョーカプラーを装着。

● おもな諸元:

連結面間距離 55.5 mm ギャ比 i = 24
車体全重量 36.0 gf 動輪直径 D = φ6.2 mm

● 部品を分解した状態を下に示す。

● モータは垂直に設置されており、ウォームギヤ以外の減速部は無い。

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 組み付け途中で撮影したギヤ構成を示す写真を右にしめす。

 動輪は、アイドラギヤを介して3軸共にギヤ駆動されている。 動輪のギヤは、モジュール m = 0.2 、歯数 z = 24、 アイドラギヤは、3個とも歯数 z = 18 であった。 ウォームギヤ以外の減速部が無いので、動輪の歯数がそのままギヤ比 i = 24 となる。

 動輪軸の軸距は第1動輪と第2動輪間が、8.6mm、第2動輪と第3動輪間が、7.1mm で等間隔では無かった。

 サイドロッドは、第2と第3動輪にピン結合されているが、第1動輪には結合されていない。 このため、いい加減に組み付けるとサイドロッドがスライドバーなどにぶつかって、ロックしてしまう不具合が度々発生してしまった。

● 写真撮影のために部品を分解後、再組み付けするも、モータが回らない現象に悩まされた。

 テスターを持ち出し電流値をちぇっくすると、明らかにショートしていることを示していた。 簡単な構造なのにどこがショートしているのかが、なかなか分からなくてあせってしまったが、原因は左側の第1と第2動輪軸に接触している収電部材が外側にシャシーに接触していたようであった。 この部品組み付けを中止すると、ひとつクリーアーしたが、最後にカプラーを組み付けるとまたショートしてししまった。

 これもあちこち調べて、モータの頭とキャビンの天井が接触している事に気が付いた。 モータの頭にセロテープを貼って対策した。 それまで問題なく動いていたのが不思議である。

動力特性

 ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。  測定実施日: 2014/7/10

 

速度特性:

 速度特性を右に示す。

 データはバラツキも無く、綺麗にそろっている。 安定した性能であることをしめしていると考える。

 スケール速度 80Km/h を出すには電圧が 5 ボルト必要であるが、これは最近のSLモデルでは標準となっているようである。 そして、極低速は、スケール速度で 20Km/h以下のノロノロ運転も可能である。

 電流とも20mA以下で、非常に小さい値である。

 

牽引力特性:

 次に牽引力特性を測定する。 粘着牽引力はおよそ8グラムである。 トラクションタイヤを履いていないが、車両重量がしっかりあるので、想いのはか力持ちである。

 負荷が掛ると速度の落ち込みは少ない、これはモータのパワーがしっかりと確保されているためと推察する。

 パターンのバラツキは小さいので、この動力特性も安定していると思われる。 遷移点は-3グラムと考えられ、摩擦抵抗がやや多いのはギヤが多いためなのだろうか。 また、牽引力ゼロ点で、小さな速度の段差が認められるが、初めての現象であり、ウォームギヤの当たりが変化する遷移点との関係はどうなっているのか、まだ理解できていない。

 牽引力と電流の関係は、「トルクは電流に比例する」の屁理屈道理の現象をはっきりと示している。

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 このトーマモデルワークスのボールドウィン9号機はネットでも 「よく走る」 との評判であるが、動力特性のデータからもその現象が裏付けられたと思っている。 トーマモデルワークスの次のモデルも期待したいが、「伊予クラウス1号機」には今のところ手を出すつもりはありません。