HOME >> マイコレクション > 蒸気機関車リスト > C11 155
動輪3軸に先輪1軸・従輪2軸(1C2)という軸配置を持つC11は、わが国のタンク式蒸気機関車を代表する車両で、昭和7〜22年(1932〜1947)に381両が製造されました。
国鉄時代は小形で客貨両用に使用できるために重用され、全国で活躍しました。 現在でもJR北海道、JR東日本、真岡鉄道、大井川鉄道などで運転が行われており、人気を博しています。
メーカー : KATO
製品名 : C11
品番: 2002
車両番号: C11 155
発売日 : 2010年1月 再生産品発売
入手日 : 2010年2月1日 新品購入
定価 : \5,775.-
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● ヘッドライト(前・後)点灯。
● 従台車の制約により、ミニレールは走行不可。
● カプラーはKDカプラーに置換するも、その後、トリップピン付きナックルカプラーに変更する。
マグネティック・カプラーの装着 参照
● C11-227号機とは同じモデルであるが、再生産時期が3年後の製品である。 構造的には全く同じと思っている。
連結面間距離 | 98.5 mm | 車体全重量 | 52.9 gf | 先輪車軸荷重 | 0.9 gf |
動輪車軸荷重 | 39.6 gf | 従輪車軸荷重 | 12.4 gf | ||
ギャ比 | i = 28 | 動輪直径 | D= φ11.0 mm |
● 上記の従輪車軸荷重について、従台車自身の重さは、たったの 2.8 グラムしかないのであるが、軸荷重を測定すると12.4 グラムもあった。 この測定値は不安定なので信頼性は薄いが、重さの何倍もある軸荷重になるのは、特殊な形状をした板ばねによる押し下げ力が働いているからである。 そして、板ばねの曲げ具合によって、この荷重は大きく変化するので、その変化した分が、動輪荷重の増減に影響っしている。 測定のたびに変化しているので当てにならない数値であることを断わっておきます。
● ボディを外した状態を下左に示す。 タンク車であるので特異な形状の重りが目立つ存在である。 バックライトも装着されている。 下右の写真はさらに分解した状態である。
● 動力ユニットを下から見た写真を下左に示す。 動輪押さえは 2002 の刻印がされている。 この動輪押さえを取り去った状態を右に示す。
● 分解状態を下の写真に示すが、何時ものように全部バラバラにするまで分解する事を中止している。 動力ユニットの心臓部は、C11-227 号機と全く同じと判断したからである。
● ロッド類の状態を上の写真に、動力機構部のイラストを右に示す。 この車両は2010年の再生産品であるが、2007年の再生産品であるC11-227 号機と同じである。 そしてフレームの形状がC50型と同じであることに気が付いたので、C50型の最新モデルと思われる C50-142 号機を急遽分解してみた。 すると、2002R/Lの刻印のあるフレームを使用しているではないか! 1981年発売の古い機種(C50-78号機)では形状は同じでもこの様な刻印は見当たら無い。
● KATO のC50型とC11型は同じ仕様の動力ユニットを使用しているのである。 異なる点は、タンク型とテンダー型のSLのため、動輪押さえ、モータ保持部材、重り、ロッドセット、ライトユニットなどの部品が異なっている。 例えば動輪押さえを見ると、C50タイプは新でも旧でも「201」で、C11は「2002」の刻印がされている。
● 動力性能としては、外観より同一のモータを使用していると推察しているので、ギヤ比や動輪直径、および減速メカが同じなので、特性そのもの傾向は同じと想定する。しかし、動輪に掛る軸荷重とその配分が異なるため、牽引力特性の、特に粘着領域における牽引力が異なるであろうと予想した。 しかし、データを見比べてみると、牽引力特性のパターンは、別仕様の車両の様であり、データを見ながら腕組みをしてしまった。
もう一度、分解調整と再測定のような気がして来た。 ⇒ 今後の宿題とする。
● C50とC11の動輪部は同じ? と言う疑問も湧いてきたので調べてみた。 長さの単位はmm である。
模型寸法 |
C50型実機 |
C50型模型寸法 |
C11型実機 |
C11型模型寸法 |
|
動輪の直径 | 11.0 |
1,600 |
145.5 |
1,520 |
138.2 |
第1動輪と第2動輪の軸距離 | 13.4 |
1,905 |
142.2 |
1,900 |
141.8 |
第2動輪と第3動輪の軸距離 | 15.7 |
2,285 |
145.5 |
2,200 |
140.1 |
実際の車両では、動輪直径など異なっているが、模型化する場合には、デフォルメするので共通仕様にしてしまったいるものと推察する。
( 2013.7.14 分解調査 7.17 追記 )
ここに示す動力特性の測定は、自動測定システムを使用して実施する。 測定実施日: 2013/3/30
暖機運転:
暖機運転を実施するも、測定せず。
速度特性:
KATOの標準的なSLシリーズの一つで、スケール速度の80Km/h を出すのに 4Volt 程度で一般的である。
電流は、60 〜 90 mA でやや小さいほうである。 速度や電流のバラツキはまあまあか。
なお、測定は前進時のみ実施し、LED 式のヘッドランプが点灯している状態である。
牽引力特性:
小型車両とは言え、粘着牽引力は10 グラム程度でやや少ないと言えよう。 これは、マイクルのC12 と比較しても小さいので、動輪への重量配分が最適ではない様に思われる。
牽引力特性は、一部分に二重の線図を示しているが、これは電源電圧の変化によるものと思われる。 コントローラには手を触れていないものの、何故か変化しているようである。 電流値は安定したデータを示している。
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また、この測定中の電流と電圧の関係を右のグラフに示す。 電流増加による電圧変化は、少ないものの、コントローラの電源電圧の変動が有る様である。
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この機関車の牽引力特性は、0 から 10 グラムへの負荷増加に対して、速度は 20Km/h 程度しか変化しない。 これは、坂道でのスピードダウンが小さいといる特徴を有しているが、一方で他の機関車のとの重連は微妙である事を示している。 平坦路無負荷時の速度をしっかりと合わせる必要があるであろう。
( 2013.3.31 追記 )
******* ( 以下は 2010/5/17 作成のもの) *********
速度特性:
動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。
スケール速度80Km/hは、3.5volt近辺である。1volt当たり 30 Km/hの増加で、大きい部類である。 走行開始点は、2.0voltあたりから動き出す。 C11-227号機とは、 最低電圧が0.5volt程度差があるが、ほぼ同じ特性である。 当然か。