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小型蒸気機関車:   C12 164

 

実車プロフィール

 財団法人日本ナショナルトラストは、 1968年12月に設立された公益法人であり、C12蒸気機関車、スハフ43客車2両、オハニ36荷物合造客車1両を募金で取得し、静岡県の大井川鉄道で動態保存を行っている。 1987年7月にトラストトレインは発車式を迎えました。 当初スハフ43の塗装は茶色であったが、後に東北本線の特急「はつかり」に使われた当時を再現した青色に変更された。

 C12 164号機は、1937年日本車輌名古屋工場で製造され、名古屋、宇部、厚狭、木曽福島で活躍後、1973年に廃車後、静岡県本川根町で保存。 日本トレイントラストに移管され、1987/7/25 営業運転を開始する。

模型プロフィール

メーカー : MICRO ACE
製品名 : C12-164・44系客車
    「トラストトレイン」茶色4両セット
品番  : A4294
車両番号: C12 164
発売日 : 2004年4月
入手日 :2007年1月13日  ジャンク品購入
定価 : \17,640.- (セット価格)

分解調査

 

● ジャンク品として販売されていたものを購入する。 SLの走行はぎごちなく、ギクシャクとしていた。 幾度か分解組付けによって再調整するも、改善しなかった。 モータの作動はスムーズであったので、動輪と従輪の集電方法がしっくりいかないと判断し、電源車から集電することにした。 いろいろな方法を試行錯誤しましたが、結局は永久連結方式とした。

 ⇒ 電源車との連結とBトレ動力車の永久連結

結果として、走行はスムーズとなり、スローも充分である。 現在は、ドローバー連結をやめ、カプラーボックスの端を針金で結んだだけの簡単な方法で、車両間隔をさらに狭くしている。

● 電源車はモータが壊れたBトレの動力台車を、集電機能付き台車として活用している。 さらに、麦球の室内灯も装着している。
● ミニレイアウト走行可能。  ミニポイントやクロスでも脱線はほとんどなく、R140mmの曲線でも快適な走行が出来ている。

連結面間距離 --- mm 動輪車軸荷重
48.9gf
先輪車軸荷重
1.2 gf
ギャ比 i = 29.54
車体全重量 50.6 gf 従輪車軸荷重
0.5 gf
電源車荷重
15.7 gf
動輪直径 D = φ9.3mm

● 部品を分解した状態を下に示す。 

●下左の写真は右フレームの裏側と歯車の装着状態を示す。 下右にモータを示す。 回転子には約10°のスキューが見られ、白色のマーキングも見られる。 さらに電極端子は白色(洋白か)を使用している。 その下の左の写真はギヤ類を示す。 まだグリスが付着している。 モジュールは m = 0.3 である

●モータ軸にはモジュール m = 0.3 の一条ネジウォームが圧入されている。 従ってウォーム軸の支持は、モータ本体で受けている。 ウォームホイールは、歯数 z = 24で、 2段ギヤとなっている z = 13 の小ギヤによって、動輪のギヤに伝達されている。 第2動輪のギヤは大きいアイドラギヤを介して噛合い、さらに小さい二つのアイドラギヤを介して第1動輪に噛み合っている。

●ギヤ駆動された第1動輪はロッドにて第3動輪を駆動している。 そして、第3動輪はロッド駆動ではあるがトラクションタイヤを履いている。 C56と動力機構は全く同じと言って良いでのに、トラクションタイヤの位置だけが異なっているのは何故だろうか。

●動輪を1回転させるために必要なモータ回転数、即ち減速ギヤ比は、

     ギヤ比  i = 24×16/13 = 29.54

である。

●トラクションタイヤの装着位置について、エンジン部内にモータが入り込んでいるため、第3動輪をギヤ駆動出来ない。 そこで、トラクションタイヤを第1動輪に持って来たとも考えられるが、他のモデルでは、それでも第3動輪に持ってきている場合もあるので、他の理由が有るような気がする。 ( 2013.7.2 分解調査実施)

 

動力特性

 ここに示す動力特性の測定は、自動測定システムを使用して実施する。 測定実施日: 2013/3/30

 

暖機運転:

 暖機運転を実施するも、測定せず。 

 

速度特性:

 Micro Ace の小型SLシリーズの一つで、スケール速度の80Km/h を出すのに 4Volt 程度で一般的である。

 電流は、120 〜 200 mA と多いが、速度や電流のバラツキはまあまあか。

 なお、測定は前進時のみ実施し、機関車には麦球式のヘッドランプが点灯し、電源車にも、麦球式の室内灯を点灯させているので、8Volt では、ひとつで40〜50mA を消費しているのではないかとみている。 即ち、この電灯分を差し引くと、一般的なモータの消費電流値になるようだ。分解して測定が必要。

 

牽引力特性:

 小型車両ながら、粘着牽引力が20 グラム程度まで発揮できるのは驚きである。 これは車両がコンパクトであるので荷重の分散が少なく、動輪への重量配分が効果的であるためと思われる。

 牽引力特性は、制動領域で線図がやや乱れているが、バラツキは少ない方である。 電流値も安定したデータを示しており、電源車を永久連結にした効果と相まって、安定した走行を示している。 低速走行も安定した走行状態であった。

 

 

 

 

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 また、この測定中の電流と電圧の関係を右のグラフに示す。
  電流増加による電圧変化がみられる。

 

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 この機関車の牽引力は、負荷増加に対して速度はかなり変化するものの、低速までしっかりと安定して走行しているので、使い道があるそうである。 商品コード:A6201やA6202の様に、貨車を牽引させて、貨物列車を編成させても、力を発揮するであろう。 でも、電源車をどうしようか? 車体を有蓋車に変えれば良さそうであるが、あるかな?

 ******( 以下は 2011/2/14 更新のもの) *********

 

速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。 スケール速度80Km/hは、4.0volt近辺である。

 1volt当たり 25 Km/hの増加で、一般的な勾配である。 最低電圧は一般であるが走行開始点は、2Voltをかなり過ぎたあたりからで、ロケットスタート気味である。

 消費電流は160mAもあり、大きい方である。前照灯や電源車の室内灯の点灯により、電圧と共に消費電流が上昇している。 5Volt時点で、約25mA分はこの照明で消費されている。

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。 牽引力の粘着限界はおよそ15グラム前後であり、SLとしてはやや小さいが、ミニレイアウト用としては充分な力を持っている。