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中型蒸気機関車:   C58 98

 

 

実車プロフィール

 国鉄形のテンダー機関車唯一の1C1の軸配置で、昭和13年(1938年)から昭和22年(1947年)に汽車製造、川崎で427両製造された。 この機関車はD51形の近代設計と外見を取り入れ、8620形と9600形の共通の後継機を目指した支線用の客貨兼用の中形機関車である。

 98号機は、1938汽車製造、東京、千葉、高島、北見、釧路、北見をへて廃車され、北海道深川市一巳町の桜山遊園地内で保存されている。

模型プロフィール

メーカー :  MICRO ACE
製品名 :  C58-98 北見機関区
品番  : A7202
車両番号: C58 98
発売日 : 2001年5月
入手日 :2010年8月 中古品入手
定価 : \9,030.-

分解調査

●マイクロエースのSLシリーズ展開後半の製品で、C58-363 パレオエクスプレスと同時発売されたもの。 昭和50年北見機関区に転属した後の姿を再現するため、北海道式デフレクター(除煙板)の上部に大きなツララ切りがついている。
● ミニレイアウト走行可能。
● ヘッドライト点灯。 麦球式。
● アーノルドカプラーからカトーカプラーNに交換するも、現在はKDカプラーに交換している。

 

連結面間距離
131.0 mm
先輪車軸荷重
1.1 gf
動輪車軸荷重
54.6 gf
ギャ比 i = 44.31
車体全重量
82.1 gf
従輪車軸荷重
1.2 gf
テンダー車軸荷重
25.2 gf
動輪直径 D = φ10.1mm

● ボディを外した状態と動力ユニットの状態(先台車と従台車を外す)を上に示し、全部品の写真を下に示す。 マイクロエースの基本的な構成である。

● このモデルの動力ユニットは、第1動輪と第2動輪をギア駆動にしている。 第3動輪はトラクションタイヤを履いているが、ロッド駆動である。 第1動輪をギア駆動にするため、小さなアイドラ・ギャを三つ並べ、さらに第2動輪のギヤを介して噛み合わせている。 スペースと回転方向の制約でこの様になったと思われる。

● ウォームは、モータ軸にしっかりと圧入されているが、太さと言い、長さといい、しっかりとした形状を採用している。 このモデルのウォームは外径がφ5.25mm で、他のモデルよりも太くなっている。 また、モータの回転子には約10°のスキューが見られ、白色のマーキングも見られる。

● 動力伝達部の構成は、左のイラストに示す。 動輪の直径は10.1mm で、ギヤ比は i = 44.31 であった。 これだけギヤ比を大きくした理由は何故なのだろうか? ホイールギヤなどの部品共通化を優先させて構成させたような気がする。

● これだけ歯車が多いと、寸法のバラツキの影響が心配される。 実際に、三つの小さなアイドラギヤの部分で、回転中に引っかかる感じがしたため、組合せを変えながら組付けてみて、スムースに回転する組合せにした。 手の感じだけで判断したがいっぱしの職人気質の気分であった。

(2013.6.25 分解/クリーニング/組付け実施)    

 

動力特性

 ここに示す動力特性の測定は、安定化電源を使用した自動測定システムにて実施する。

 

 測定実施日: 2013/7/1

 

速度特性:

 スケール速度の80Km/h を出すためには、 5Volt も必要であり、速度勾配も低く、一般的なNゲージでは遅いほうである。 これは、ギヤ比を大きくしたためと考えられる。

 また、電流は、110〜 170 mA でかなり高めである。 測定前は、200mAも超えていたので分解クリーニングを実施したが、まだ高いままである。 

 

牽引力特性:

 動輪荷重が約55グラムで、トラクションタイヤを第3動輪にはいている。 粘着領域での牽引力は約11グラムであり、このクラスのSLとしては少ない。 車輪は回転しているので、モータのトルク不足では無く、粘着力不足と判断する。 三つの動輪の荷重配分に問題があるのかな?

 一方で、制動側の粘着領域は20グラムを超えており、駆動側とは倍以上の開きがある。 これも解せない。

 制動側のパターンはバラツキが多く、ウォームギヤに掛る力が逆転する遷移点はあまり明確ではないが、- 8〜10グラム前後であり、制動領域は垂直パターンに近い形態を示している。

 

 ********** (以下は 2011.2.11更新時のもの) ********

 

速度特性:

 動力車の速度特性を測定する。 速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。 速度係数は、23 Km/h/Volt で、MICROとしては、低い値である。 

牽引力特性:

 動力車の牽引力特性を測定する。 牽引力は25グラム近くで寝てきているが、停止時では約40グラムもあるり、データが怪しい。 動輪のゴム輪を見てみると、表面がボロボロになっており、荒れた状態であった。 このため、正常な滑り状態でなく、大きな力が出ていると推察する。 ゴム輪を正常品に交換して再測定が必要である。