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小型蒸気機関車: きかんしゃトーマス

 

実車プロフィール

 きかんしゃトーマスとその仲間は、イギリスの架空の島ソドー島を舞台に活躍する架空の機関車である。 その活躍は絵本「汽車のえほん」やアニメで紹介されている。

 このトーマスは、元気で働きもので一番人気の主人公である。 形態は、タンク式の蒸気機関車で、色は水色、車体番号は1である。

模型プロフィール

メーカー : TOMIX
商品名 : きかんしゃトーマス車両セット
品番:  93801
シリーズ名: きかんしゃトーマス
発売日 : 2005年
入手日 : 2007年 新品購入
定価 :   \6,825.-

 

●  アニーとクララベルの客車が付いた3両セット。

諸元と分解調査

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● ミニレイアウト走行可能。 ただし、車両幅が大きいので、ホーム等は細身の物が必要である。

● カプラーはアーノルドカプラーのままにしている。

● 主要諸元を下に示す。

連結面間距離
67.5 mm
動輪直径 D = φ10.4 mm
車体全重量 45.6 gf ギャ比 i = 24.18

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● 車体の側面を下に示す。 ボディー形状やロッド類は単純化されており、キッズ達が手荒に取り扱っても安全であるように配慮されている。

● ボディーの構成もシンプルであり、その下からは、ガッチリとしたフレームが現れる。

● 全体を分解した状態を下に示す。

● 動輪はすべてギヤ駆動されており、第1動輪と第3動輪はサイドロッドで連結されている。 第2動輪は、動輪が輪にはピン穴があるものの、連結されていない。 ロッドにも穴が無いので、組み忘れた訳ではないようである。 また、動輪の青い軸芯とスポーク部分は、金属の車輪部分と確実な回止めがされている。 その方法は、下右の写真に示す様に、車輪の内側まで丸いピンが見えるので、これが回止めになっているのだ。 このようなピッタリとした組付けは難しいので、一体成型法で形成したのではないかと想定する。 さらに、左右の車輪の位相と、駆動ギヤとの位相も合わせながら車軸を組付けないといけないので、組付けには熟練の手腕が必要と考えるが、メーカーでは治具を使っての組み付け作業を実施しているだろう。

● また、再組み付けする場合に、第1動輪と第3動輪を組付けた後、第2動輪は自由に組付けられるが、クランクピンの位置がずれていると変であるのでその注意して組み付ける必要がある。

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● モータとフライホイールを右に示す。 モータのサイズは、外形がφ12.5mm 一部が10.5mm の二面幅になっている。 フライホイールは、φ9.0×6.5mm の立派なものである。 フライホイールとウォーム軸とは、フライホイールの内側で、簡単なユニバーサルジョイントで連結されている。

● 歯車の構成は、外径φ5.6mm の太い一条ネジのウォームが、歯数 Z = 19 のホィールと噛み合っている。 そのホィールは歯数 Z = 11を備えて2段歯車になっている。 アイドルギヤは、大2枚と小3枚の構成で、歯数 Z = 14 の動輪ギヤにつながっている。 歯車のモジュールは、m = 0.3 であった。 この構成による減速ギヤ比は、i = 19×14/11 = 24.18 となる。

● フレームの表と裏を下に示す。

● このフレームに歯車を組み込んだ状態を下左に示す。 さらにモータとフライホイールを組み込んだ状態を下右に示す。

● 左右のフレームを組み合わせると、フライホイールなどはすっぽりと収まってしまい、フレームの外からは回転状態が観察出来無い構造になっている。

 

動力特性

 改良した動力特性測定装置を使用して動力特性を測定しているが、今回は、モータ端子電圧とモータ回転数を測定せず、測定車も使わずに実施した。

       測定日: 2015年12月16日、 測定車使用せず

 

1)速度特性:

   動力車の速度特性として、速度・電圧特性と電流・電圧特性を右に示す。

 4ボルト以下では、時々停止してしまうので充分に測定出来無かった。 停止後、つついて動かした場合には何故か電流値が大きくなってしまった。 右の電流値のグラフ参照。

 その後、電圧を5ボルト以上に設定して高速走行させると元の電流値レベルに戻ることが出来た。 これは何度も再現出来ている現象である。 モータのスタート時であれば、電圧を高くしないとスタートしない現象は理解できるが、どこかの摩擦状態の変動なのだろうか。 とにかく一度高速走行状態にして、低電圧に再セットしながら測定した。 

 消費電流は小さいレベルである。

 

2)牽引力特性

 48.9 グラムの重り車両を牽引させて牽引力を測定した。 駆動側のスリップ限界はおよそ7グラム、制動側は9グラム程度と読み取れる。 ただし、トラクションタイヤを履いていないため、スリップ状態はかなり手前より発生している。 駆動側では5グラム辺りと明確であるが、制動側ではハッキリとグラフには現れなかった。

 また、遷移点のデータより駆動系の摩擦抵抗は6グラム程度のやや大きい値と推測される。

 全体にバラツキは少なく、安定した性能を発揮しているが、電圧を高くする、あるいは速度を速くすると言うべきかもしえないが、バラツキが増加しているように見える。

 

3)まとめ

 このトーマスシリーズは、キッズ相手のNゲージ模型と想定するが、その設計方針は立派であると感心している。 例えば、

 なによりも、低速でも安定した走りを確保しているのは流石である。 河合のB6 と比較するとなおさらである。 今回の分解調査と特性測定の結果より、 このトーマスシリーズのSL は、SLシリーズの立派な一員としてリストに加えることにした。