HOME >> 鉄道模型自動運転システム >  ローカル線の自動運転 スケッチ記述のための工夫

ローカル線の自動運転 スケッチ記述のための工夫

 物置部屋のレイアウトにて、そのローカル線の改造工事を実施しています。 そして、自動運転のプログラムを記述していますが、このプログラム記述のための工夫を紹介します。

 

■ 今回の自動運転の特徴

  .

 このローカル線の改造工事によって、少しへんてこなレイアウトにしたので、その操作方法はややこしくなっています。 右のイラストに示すように、ホームが4ヶ所もあり、ここを発着とする運行方法は多岐にわたります。

   ******************************************

 この多彩な運転パターンが可能となった反面、うっかりしているとすぐにショートしてしまって、電源がリセットされてしまいます。 これは、線路に供給している給電ラインのプラスとマイナスが車両の集電機構を通してシュートしてしまうからです。 回路に設けた過電流保護のためのポリスイッチが作動するためです。

 注意力が散漫となってしまった後期高齢者にとっては、安全に操作できる自動化が必須です。 このためには、プログラムの記述が必要となるのですが、その際においても注意が必要です。 ショートの発生を起こさない安全な操作として記述する必要があるのです。 頭の中だけで考えては、ミスやポカの発生は防止できませんので、このスケッチの記述の容易化のために、工夫をしてみました。

 

■ 記述ステップの整理

 スケッチ記述のポカ除けとして、そのステップを整理し、それぞれの段階で確認しながら作業を進める事にしました。

  .

  1. レイアウト図を見ながら、どうの様な運行させるか検討し、TOMIXの「TCS自動運転ユニットN取り扱い説明書」の記述例に倣って運転モードを設定していきます。 スタート位置、停車位置、走行ルートを示した図を作成し、運転モード一覧表を作る。
  2. 次に、このモードを実施するための、ポイント、フィーダーの操作状態を検討し、スタート時の操作状態、車両の位置などを決めます。 そしてパターン図としてまとめておきます。
  3. 次に、停車位置までのルートを決めますが、この時、走行途中で操作を変更する必要がある場合は(ほとんどの場合)、新しくパターン図を作り、新しい操作内容を図にまとめます。 また、その操作が必要となる車両の位置も図に示しておきます。
  4. 次に、運転モードに従って、どうの様なパターン図が必要となるかをリストアップし、その時の、各ポイントやフィーダの設定内容を読取って一覧表に転記していきます。
  5. そして、このパターンの走行を完了するタイミング即ち、通過センサの位置をレイアウト図から読取り、その記号を書込んでいきます。 パターンの変更位置、ホームに入場した時の減速開始位置、そして停車位置を求めます。 モード設定表を作る。
  6. この時のチェックポイントとして、パターンを変更した場合、走行中の車両の給電状態に影響しないことを確認しておきます。 途中で停車したり逆走し無いようにするためです。

 この様に、紙の上にステップ毎に記録して行くと、検討内容が単純化し、ミス防止に効果的です。 特に、パターン図の作成時に、進行方向となる給電方向が時計回りか、反時計回りかに注意を集中させることが出来ました。 これは、ショート防止のための重要な検討ポイントとなります。

 また、最初から全ての状態を検討しておく必要は有りません。 それぞれの状態に応じて、新しく追加して行けばよいのです。

 

  .

● 運転モード一覧表の内容

 作成途中の運転モード一覧表について説明します。

 一覧表には、モード番号毎に走行ルートを示した図を貼りつけ、その時の設定ダイアルとスイッチAとBの状態を表示する簡単な一覧表です。

 この表は、記述の元になるのですが、実際にレイアウトで操作する場合にも活用できるように、必要な記述のみの簡単な表としています。

  ************************************

 なお、ひとつのパターン図で連続運転が出来るのは、1〜4番のモードだけでした。 外周路を時計回りと反時計周りの運転する場合と、これに8の字を加えてモードだけです。

 右の表に示す 5〜7の場合は、走行途中での変更操作が必要となり、複数のパターン図が必要となります。

 

 

● パターン図について

 このパターン図については「運行モードの検討 その1」(2023/2/2)にて説明していますので、詳細は省略します。 現在は7枚作成していますが、その一部を下に示します。

 なお、先回報告した時は、「定位」を「正位」として間違った記述をしていました。 相変わらずのボケ老人ですが、どこで間違えて覚えてしまったのだろうか? 「」なら「」ですよね、なんて鉄道関係の部外者の言い訳ですな。

 

● モード設定表について

 モード設定表は、スケッチの記述に必要な情報をまとめたものです。

 例えば、mode1 は1番ホームを発車して周回路を一周して同じホームに停車する運転モードの場合を示しています。 内容は、参照したパターン図をもとに、各ポイントの操作状態、給電のためのフィーダー設定状態、および、検知するセンサの番号を書出しているものです。

 ひとつのパターン図で完了していること、このために、途中でチャックするセンサは必要なく、ホームに入場した場合の減速開始場所と停止場所のセンサを記入しています。

 また、mode5とmode6 は、2番ホームから発車して同じ位置に戻ってくる場合ですが、この場合は、二つのパターン図を採用し、その変更を実施するポイントとして、センサのS6 を使用することを示しています。 この時、列車はF3のフィーダーゾーンを走行中であり、 このフィーダーの指定は変更する必要がない事が確認できます。 これは走行中の列車に影響しないことであり、パターンを変更しても影響ないもとが確認できます。

 また、mode7 では、1番ホームを発車して2番ホームに停車し、そして1番ホームに戻ってくるという連続運行モードを想定して設定してみました。 このようにパターン図を選択すれば、その後はほぼ機械的に各要素を指定していくことが出来るので、ミスの発生を防止することができます。 

 

 なお、ポイントの操作はLOW あるいは HIGH で定位か反位を指定できますが、フィーダは二つのポートを指定する必要があります。 これは使用しているモータドライバの仕様によるものです。 そして、F11、F21、F31 のポートを HIGH にすると時計回りに走行し、反対のF12、F22、F32 のポートを HIGH にすると反時計回りに走行するように回路は構成されています。

    ********************************************************************

 この設定表を見ながら各運転モードの記述をしていけば、間違いなくスケッチを記述していくことが出来るのです。 次回はその様子を報告します。

 

ページトップへ戻る .


 2023/3/10 作成