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システムの構成要素 通電センサ

 システムの構成要素として、レールに給電されているか、またその方向はどちらかをチェックしたい場合がある。 このためのセンサとして、簡単な方法で実施できるので紹介する。

 

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■ レールの通電状態のセンシング

 レールに給電されているか、またその方向はどちらかをチェックしたい場合のセンシング方法として、TCSのワンタッチ装着センサと同じ原理でセンシング出来る。

 この通電センサは、レールの通電状態をフォトカプラを通して検知して信号として送信する。 フォトカプラは東芝製のTLP785などが使用できる。 回路例を右に示す。

 フォトカプラを使うことによって、レールの給電ラインと信号ラインを独立させることが出来、PWM制御されていたり、モータノイズが乗っているノイズだらけで、電圧が常に変動する給電ライトから信号ラインを切り離すことが出来るメリットがある。

 

■ ポイントの選択方向をセンシング (出発制御で使用した例)

 通電センサの応用として、ポイントの選択方向をチェックすることが出来る。 例えば本線と副本線を設定した駅構内から出発する場合、どちら側が選択されているのかとか、また、その出発はOKなのかなどを知りたい場合に使用している。

 例えば、下に示す出発制御の場合、ポイントの切替指令によって本当にポイントは切り替わっているのか、また、そこには給電されているのかを知って、駅ホームに停車している列車に出発進行の指令を出すことが出来るのである。

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 ポイントの切替信号をうのみにする方法もあるが、この場合、もし手動でポイントを操作してしまった場合は脱線の恐れがある。 そこで、ポイントが切り替わった結果である通電状態をチェックすればより確実なのである。

 この場合、無駄かも知れないが、線路のプラスでもマイナスでも反応するようにブリッジダイオードを挿入しておけば、列車がバックしてきた場合でも判断出来るようになる。 右の回路例では、フォトカプラを東芝製のTLP785 、ブリッジダイオードを新電源製のDIP型S1YB1を使用した例を示す。

 ブリッジダイオードとフォトカプラの繋ぎ部分と、プルアップ抵抗について、 諸元表を見ても適切な抵抗値はいくらなのか、よく分からなかったので実験で確認した。

 二つの抵抗値の組合せによる出力電圧について、パワーユニットのダイヤル目盛を横軸にとってグラフに左に示す。 出力電圧が HIGH/LOW と綺麗に分かれるのは、 1K/1KΩ、および 1K/3.3KΩ の場合であったので、 1K/3.3KΩ を採用した。 なお、この実験で使用していた電源はTOMIX の N-1000-CL である。

 

■ ポイントの選択方向をセンシング (入場制御で使用した例)

 もう一つの例として、入場制御に使用した例を紹介しよう。 この場合は本線と副本線が設置され、その先方では、上記に示す出発制御が実施されていた。 ポイントが選択された側の先方に列車が停止しているのかどうかを判断する必要があるが、どちら側のセンサの信号にて判断すべきかを選択する必要がある。 この時には、下記の様にポイントの前端に通電センサを取付けて、分岐先の通電状態をチェックすれば良いのである。


入場制御で使用した例

 分岐先の通電状態がOKであれば列車を入場させても問題ないが、もし、停車している場合には通電が切れているので、ポイントの手前で列車を停止させる必要がある。 当然場内信号は赤信号とするのである。 

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              新旧タイプのポイントの違い

 この場合の注意として、失敗例を紹介しておこう。 入場側のポイントとして、TOMIX 製の古いバージョンのポイントを使用していたら、前記の出発制御を無視して通過してしまう例が多発した。

  旧タイプのポイントは、分岐状態と言えども、プラス側としている右側の線路は、本線側と副本線側は連通しているのある。 このため、副本線内の給電リレーを切って通電を止めても、入場側にあるポイントの本線側から通電されてしまうので、列車を停止せず通過してしまうのである。 信号無視された原因が判明しました。

 

 このポイントは直進の外側のレールにはギャップが切られていないので、ポイントの切り替えにに関係なく常に通電していた。 このため、ポイントが副本線に切り替わって通電が遮断されていたとしても、本線側のプラス電気が流れてしまうのである。

 本来なら、ポイントのマイナス電極側では、通電が遮断されているので問題ないはずであるが、この時の制御システムではレールのプラス側だけを制御するシステムであって、マイナス側は常に連通しているシステムであったことも影の要因である。

 対策は、新しいバージョンのギャップが切られちるポイントに交換して対応した。

 

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 2019/8/16 作成