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ATS列車自動停止システム 駅構内の工事 南部制御回路の工作

 この新ATSシステムの設置作業も最後の山場に差し掛かった。 残るは駅構内の工事だけとなり、駅の右側、即ち南側の部分の工作状況を報告する。

 

■ 駅南部の入場制御機器の設置工作

 駅の南部は、ホームまでのアプローチが長くなっている。 このため、駅プレート上に全ての機器を設置することが出来た。 順不同であるが、設置後の状態を下に示す。

 まず、駅南側の入場制御機器について、その設置場所を決めた。 適切の場所が無かったので、他の場所と同様にトンネル出口の高架壁側面を使用する事にした。

 入場信号機は右上の写真のようにポイント脇に設置した。 向こう側には右回り線の出発信号機が見えている。 その右回り線の制御機器は高架プレートの裏側に設置した。

 下左に駅プレートの裏側の状態を示すが、右端に見えるユニバーサル基板は左回り線の入場制御機器であり、左端に見える基板が右回り線の制御機器である。

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この基板には、PICマイコン を取り付けていない。 駅プレートの裏側となるのでソフト変更時のPICの脱着が容易に出来るようにと、高架壁の側面に設けることにした。 ここはレイアウト正面からは見えない裏側になるのである。

 制御基板は、レイアウトに設置した状態では、下の写真のように隠れてしまうのである。

 制御機器の作動時の状態を下に示す。

 

■ 出発ロジックの問題点

 制御機器の設置が完了したので、北側と合わせて作動の確認を実施したが、新たな問題点が発生した。 最初は狙いどうりの作動を実施していたが、いつの間にか応答しなくなる現象がたびたび発生した。 どこかの袋小路に入り込んでしまっているようである。 特にポイントの切替を実施した後に発生するようであった。 いろいろ原因を探ったが、発生状態の再現も確認できず諦めてしまった。

 

 推定原因として、「出発制御の検討」で紹介した ATS-test-7-2 のプログラムでは、多くのループを使用している。 このループに入ると決められた状態にならなければ抜け出せないのである。 また、この出発制御の場合、本線と副本線の切替というランダムな状態が入り込むため、このような決められた順番で現象が現れて来るとは限らないことに気が付いた。

 ポイントの切り替えで発生する前方の通電状態、前方区間の列車の存在の有無、そしてホームに入って来た列車の存在について、この3者の状態を絶え間なくチェックして、それぞれのケースに応じて処理を実施する必要があるのである。

 

 即ち、フローの流れは上から下へ常に一方向に流れ、その繰り返しのサイクルを常に回している必要があると判断した。

 

 でも、この考えはなかなかうまく行かなかったのだ。 ホームを通過した後、前方区間の通過センサが列車をセンシングするまでの間において、列車が存在していることをどうやって認識するのか? という課題に四苦八苦したのである。 今までの通常の制御であれば、通過センサを通過後は、列車が脱線したり消えて無くならない限り、次のステップとして前方区間のセンサを確実に通過するので、このセンサのセンシングを待っておればよかったのである。 しかし、今回の場合、その間にポイントを切り替えてしまうと、その状態は変化してしまうのである。 現在のセンサでは把握できない状態となってしまうのである。

 そこで、列車が通過して前方区間を走行しているよ言うフラグを立てることにしたのであるが、このフラグの処理でも四苦八苦したのである。 Ver7 となってやっと満足できるプログラムに仕上げる事が出来た。

 列車を停止させるフラグ FG と、その準備を行うサブフラグ FGC の2段階に分けて判断するロジックである。

 

 また、上から下に流れるルートについて、その内容を下に示す。

ルート ルート名称 状態
R1
スタンバイルート 制御は待機状態で、列車の侵入と通過を許可する。
R2
前方警告ルート 前区間進入不可であるが、ホームまでは進入OKである。
R3
停車ルート 出発は不可なので、ホーム内で停車のこと。
R4
列車通過後 列車はホームから発車OKで、列車が通過後はフラグを立てる準備をすること
R5
列車フラグ設定 列車は発車した。 列車フラグを立てて、2秒後に信号を赤and緑にせよ。 列車は前方区間を走行中なので、もし後続列車が来たら停車のこと。

 この五つのルートのどれかを常に走っている筈なので、状態の変化を瞬時に把握して対応するはずである・・・・・・・!

 ルート5において、赤と緑を同時に点灯させたのは、他の状態と区別するために設定したものであり、実際の鉄道ではあり得ないであろうと思っている。 4灯式とか5灯式などの信号もあるので、我が路線の独自の規定とすることにしよう。 

 

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 2019/8/16 作成