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システムの構成要素 信号機を作ろう

 鉄道模型には欠かせない信号機についても自作してみよう。 市販の信号機は制御回路付であったり、列車の通過後はタイマーによって信号機の色を変更しているので、自作のシステムにはそのままでは使用できない。 かと言って、制御部分を改造するには厄介なので自作出来るのであればよりベターなのである。 仕上がりは市販品と比べれと見るに堪えないレベルであるが、点灯具合は負けないので自己満足しているのだ。  ・・・・・・・・自由に制御出来て、明るく点灯すれば良しとしよう!

 

■ 信号機の製作

 まず、支柱となるパイプを用意して適切な長さに( かなりいい加減である )切断する。 外径がφ1.4mm のパイプである。 それに、太さφ0.6mm のスズメッキ線をハンダ付けする。

 この支柱をベークライトで作った治具にセットしてセロテープで固定し、チップLEDのマイナス側をスズメッキ線にハンダ付けした。 プラス側はφ0.2mm のウレタン線をハンダ付けして、その線の端は、パイプの中を通して支柱の下側に出した。 GND線はパイプ自身を利用しても良いのであるが、ベースの部分でのハンダ付けが難しいので、最終バージョンでは、ススメッキ線の一部にハンダ付けしてパイプの中を通すようにした。

 工作が出来たら、乾電池を使って点灯テストを実施し、ハンダ付けに不良がないかチェックする。

 点灯を確認してハンダ付けと配線がOK であれば、部品と配線の固定のために、裏側にタミヤパテを塗りたくって固定している。 形はパテが乾いてから修正するので、ここでは山盛りの状態である。 そして、ここでも点灯テストを実施した。

 次に、信号機らしく背板を取付ける。 まず、0.5mm の黒色のプラ板を切り出し、3個の穴を開けた後に重ねて、M2のネジで固定した。 そして外径を丸く削った状態を下左の写真に示す。 大量生産(?)するにはこういった工夫が必要である。 加工後、バリを取って仕上げた状態を下右に示す。 外径が少しいびつであるが自分の工作レベルでは許容範囲である・・・・・・・・・・!

 この背板もパテを使って信号機に固定した。 LEDの光の漏れ防止も兼ねている。 工作途中では、常に点灯テストおこなって作動を確認しながら実施した。 後から不具合があっても遅いからである。 不良品としてポイするのは勿体ないのだ。

 信号機の支柱であるパイプを取り付けるため、5mm 角のプラ棒を切り出した台を作成する。 そして中央にパイプ用の穴を開け、左右には M2 用のネジを切った。 この台を小さく切り出したユニバーサル基板に、下からネジ止めして固定する。

 支柱を通して来たポリウレタン線は細いので、制御機器までの配線は一回り太い配線に変更している。 上右の写真。 その後、パテを綺麗に整形し、仕上げとして塗装を実施して完成である。

 

■ 多進路用の信号も自由自在である

 本線と副本線用の出発信号機用に多進路信号機も工作した。 出発信号機の設置場所の制限により、一本の信号機で本線と副本線の信号機をまとめた。 さらに制御マイコンの制約で赤と緑だけの信号しか出力できなかったので、2灯式となってしまった。 このようなニーズにも手作りは容易に対応できるのである。

 支柱は太めのφ2.0mm の真鍮パイプを使い途中に配線用の穴を開けた。 そして、 0.6mm のスズメッキ線で信号機の取り付け枠を取り付け、赤色と緑色のチップLEDをハンダ付けした。 配線はパイプ内を通してベースまで配線している。 完成した状態を下右に示す。

 

■ 点灯不良を起こした信号機の修理方法

 ハンダ付け不良のために、途中から点灯不良を起こすことがある。 この場合、信号機を固めていたタミヤパテを溶解するために、びんの中にシンナーを入れて信号機を一晩、漬置きしておいた。 

 その後、信号機を取り出してブラシで残りのパテを取り除き、配線を裸にしてLEDの点灯を確認する。 点灯不良があれば新しいLEDチップに取り換えて修理する事ができる。 再利用も可能である。

 

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■ TOMIX製信号機を利用しよう

 やはり貧乏性の小生にとっては、ストック品として保管箱に眠っているTOMIX製信号機をそのまま利用できないかと考えるの当然でしょう。

 

 そこで、基盤の回路を考えるため、信号機の底のピン穴の位置と点灯具合を調査した。 道具は、愛用のLEDチェッカーを使用する。 右のように単三乾電池2個を使用し、15mA の定電流ダイオードをつないだ簡単なチェッカーである。 これを使って信号機の底のピン穴の極性と点灯する信号の色を調べた。 下左の写真。

 その結果、4本のピン穴の位置は、赤、橙、緑、プラスの順に並んでいた。

 

 そこで、16ホールのユニバーサル基板を使い、まず信号機のピン穴のピッチ 1.25mm に合うようにピンバイスでΦ0.6mm の穴をあけ、その穴に、φ0.5mm のリン青銅線を差し込んでピン列を作った。

 さらに4本のリード線 として 0.29mm のポリウレタン線を取り付けた。 上右の写真。

 この基板を適当なプラ板に取り付けて周りをマスキングテープで覆って信号台とした。 TOMIX製の信号機には何も手を加えずにそのまま活用できた。

 

■ 更なる再利用

 キッズ用に作ったレイアウトに設置していた信号機がバラバラになって残っていた。 下左の写真。 信号機は根元の部分でぽっきりと折れているが、その断面をみると、電気回路は生きているようであった。 ほぼ四角の断面の各角部に、裏表合わせて4本の回路が通っていたので、コモン、赤、橙、緑につながる配線と睨んで、通電可能な台を工作すれば、なんとか生かす事が出来ると考えた。

 今回も、16ホールユニバーサル基板を使って4本足のスズメッキ線を立て、基板を軽く削って通電パターンを出した上にハンダ付けした。 下左の写真。 通電テストの結果、すべてのLEDが点灯することを確認した。 そうして再利用可能となった。

 

■ TOMIX の特許を調べる

 今回の調査で、このTOMIX製信号機は4灯式の信号機でも4個のピン穴しかない。 コモン線は無いのか? との疑問を抱いた。 この様な場合には公開されている特許類を調べるのが常套手段である。 調べてみると見つかりました。

   特開2005-304825の内容:
   出願日: 2004年4月22日、公開日: 2,005年11月4日、登録日:2009年12月11日、登録番号: 特許 第4421366号
  詳しく知りたい方は、この公報は公開されていますので詳細をご覧ください。 理解出来た事を整理します。

 この特許公報を見つけたことにより、今までの疑問がいっぺんに解決しました。 この様なステム製品に強いトミックさんの、秘められた技術力の一端を垣間見た気がします。 

 

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 2019/8/15 作成