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鉄道模型実験室  D系蒸気機関車の重連

■ はじめに

 重連検討として小型の蒸気機関車を対象にして「小型蒸気機関車の重連」を検討してきた。 今度は貨物列車を牽引する中型と大型の蒸気機関車として、96とD51を対象にして検討してみよう。

 

■ D系の蒸気機関車のリストと走行特性

 手持ちのD系の蒸気機関車を下に示す。

車  両 速度(Km/h) 速度特性式 ギヤ比 動輪直径
形式 メーカ 製品名 品番 車両番号 4V 6V a -b    
9600系 KATO 9600 デフ付 2015 69659 61.4 107.2 22.930 30.354 26.09 8.4
KATO 9600 2014 29611 57.1 102.3 22.768 33.989 26.09 8.4
MICRO キマロキ編成のSL A0327 ばらし 39679 92.3 152.9 30.278 28.794 24.00 8.3
TOMIX 国鉄9600形蒸気機関車 2050 29608 24.3 56.9 16.277 40.802 30.00 8.2
D51系 KATO D51 206 D51-365 62.5 110.8 24.117 33.924 33.23 9.5
KATO D51 498 2016-1 D51-498A 54.5 84.4 14.971 5.423 30.00 9.2
KATO D51 なめくじ 2009 D51-36 61.8 112.8 25.517 40.307 33.23 9.5
KATO D51 標準形 2006-1 D51-125 *** *** *** *** *** 9.5
MICRO D51-498 A9501 D51-498C 53.9 112.4 29.254 63.084 33.23 9.3
MICRO D51-498・動力改良 A9536 D51-498B 58.5 109.2 25.366 43.011 33.23 9.3

 速度と速度特性式の見方については、「小型蒸気機関車の重連」を参照してください。 D51-125号機はモータを取り外しているので速度等のデータは有りません。

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 ここでは、単機平坦路走行から得られたデータをもとに、速度特性式の係数を使って、電圧が 4Volt と 6Volt の時の速度を計算している。

 その結果を左のグラフに示す。

 電圧が 4Volt 時には、スケールスピードがおよそ 60Km/h に集中していることがわかる。 これは幸運なことであり、これらの車両同士は容易に重連させる事が出来る事を示唆している。

 ただ、仲間外れの車両が2両存在する。 マイクロとTOMIX の96である。

 この2両はかなり離れているので重連は無理な様な気がするが、マイクロの39679号機を強引に重連させた事がある。 「96型SLの比較と重連運転について」(2013.4.12)を参照下さい。これは無理をすれば重連が可能である事を示しているが、避けた方が良さそうである。

 一方のTOMIX の29608号機は、ギリギリと怪しい走行音や不安定な走りであるため、思い切ってモータを取り去ることにした。 これに依って、どの車両とも重連が可能となるので、活用範囲が広がるものと考える。 マイクロの39679号機とコンビを組むのも良さそうである。

 

 

■ 重連用カプラーの検討

 さて、重連させるための特性は把握することが出来たが、実際に重連させるためには重連用のカプラーが必要となってくる。

 重連用カプラーは、今までもいろいろ工作してきたが、「マイクロのC56を加工する」で紹介したシンキョーカプラーを活用する方法を取り入れた。 問題となったカプラー高さについては、プラ板を用いて調整している。 このシンキョーカプラーはスタイルもスマートな上に、回転軸の加工が容易であるため重宝している。

 カプラーをボディー側に装着する場合は、 曲線走行時にボディーの先端が大きく外に移動するので、カプラーの首振りは必須となる。 そして首の長さも長い方が良い。

 また、出来れば自然解放をさけるため、カプラーの厚さが3mmもあるナックルカプラーを使いたいので、こちらが使用出来る場合は、ナックルを使用するようにしている。

KATOのD51-498A号機

付属品の重連用ナックルカプラーに交換する

先台車に装着

カプラー高さは 4.0/7.0mm

KATOのD51-365号機

付属品の重連用カプラーを先台車に装着する。但し、アーノルド形状のカプラー部分を根元から切断し、ナックルカプラーが差込めるように穴をあけ、首振り加工を止めて接着固定している。

カプラー高さは 3.5/6.5mm

KATOのD51-125号機

付属品の重連用カプラーを先台車に装着する。但し、アーノルド形状のカプラー部分を根元から切断し、ナックルカプラーが差込めるように穴をあけ、 さらにナックルが首振り出来るように加工する。 しかし、固いままでも問題なかったので首振り加工は不要であった。

カプラー高さは 3.5/6.5mm

マイクロのD51-498C号機

シンキョーカプラーをホディー側に装着する。0.45mmの真鍮線を回転軸にして首振り可能。

カプラー高さは 5.0/7.0mm

TOMIXの29608号機

シンキョーカプラーをホディー側に装着する。0.45mmの真鍮線を回転軸にして首振り可能。

プラ板で高さ調整を実施している。

カプラー高さは 4.0/6.0mm

KATOのD51-36号機

シンキョーカプラーをホディー側に装着する。0.45mmの真鍮線を回転軸にして首振り可能。

プラ板で高さ調整を実施している。

カプラー高さは 5.0/7.0mm

KATOの29611号機

シンキョーカプラーをホディー側に装着する。0.45mmの真鍮線を回転軸にして首振り可能。

プラ板で高さ調整を実施している。

カプラー高さは 4.0/6.0mm で

 カプラー高さは、中心が 5.5mm になるのが理想であるが、今回の加工ではプラスマイナス0.5mm の範囲に入っている。 測定は物差しと目視で測定しているので誤差も大きいが、アバウトな判定ではあるがOKと判断している。 あとは走行させて判断すれば良いであろう。

 なお、マイクロの39679号機とD51-498B号機、およびKATOの69659号機は重連用カプラーの工作は実施していない。 これらの車両は先頭に立たせる予定なので、今のところ必要がないのである。

 

■ 実施の走行状態

 早速、D51を重連させてレイアウトを走行させて見ました。

 豪華にも、3重連を2編成も仕立てました。

走行時の動画 D51 3重連

 重連部の自動解放や、動力車の干渉も無く、気持ちよく豪華に走行しています。 重連走行が病みつきにないそうです。 96との重連も試してみよう!

 

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 2014.1.12 作成  M.T.