引出し特性という現象を観察しています。今回はランプ応答による観察によって、摩擦による負荷抵抗と速度の関係を把握し、慣性抵抗と摩擦負荷抵抗を分離する手がかりを得ようとするものです。
■ ランプ応答による観察
実験観察は、同じ装置を使って実施します。慣性円盤の慣性負荷を極力小さくした状態にて引張力を測定すれば、負荷装置の摩擦抵抗が測定できると考えました。静特性を測定できる装置ではあれば、一定回転の状態にしてその時の引張力を測定すれば簡単に求めることが出来るのですが、今回の引張力実験装置は動特性、それも過渡応答を測定する装置であるため、このような実験が出来ません。
そこで、速度条件をゆっくりと変化させて、摩擦特性と速度の関係を把握しようとするものです。即ち、ランプ応答を使う事にしました。ここで、走行距離には限りがありますので、何回かに分けて観察を行いました。
● 低速領域での観察
まず最初に、50Km/h までの低速域を狙って観察しました。この時の引張力を測定しました。


● 中速領域での観察
次に、40Km/h 〜100Km/h を狙って観察しました。


● 高い速領域での観察
そして、90Km/h 以上の高速域を観察しました。


■ データのまとめ
これらのランプ応答のデータより、加速状態が小さいと考えらえる部分を切り出し、ひとつのグラフにまとめてみました。その結果を下左のグラフにしめします。

中速と高速領域の連続性にやや疑問があるものの、強引ではあるがひとつの特性と見ることにしましょう。ちなみに、先回報告した最後のグラフに、このデータを重ね合わせてみたのが、上右のグラフです。 フムフム・・・・・・・・理に叶ったグラフとなりましたね。
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このグラフを理解するには、「鉄道模型で引出し特性を再現できるのか」(2026/3/28)で説明した機関車の引張力(=牽引力)の関係を知っておく必要があります。
左に同じイラストを再掲載しますが、動力車が発揮する引張力は、その時の負荷抵抗に対応して、力がバランスした状態の速度を維持します。この時、引張力に余裕がある時は、移動体システム(=列車など一体となって運動する物体全体のこと)の慣性に作用して、移動体を加速させます。
このイラスト図と実験で得られた上記のグラフを比較すると、右に示すA線は列車抵抗に対応し、BとC線が引張力に対応している事が分かります。
そして、これらに囲まれたゾーンD が加速力を発揮するゾーンとなることも分かります。実際の鉄道車両とはそれぞれの特性線図の形は異なりますが、内容的には対応しています。
やはり、モータの回転数をチェックする方法など動力車側からアプローチが必要かも知れませんし、運動方程式からのアプローチも必要かもしれませんが・・・、もうその気力もないので、色々なモデルでのデータのN増しで誤魔化すことにします。
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2026/4/12