富井電鉄 モ1033号機

実車プロフィール

フリータイプ車両のため、実存する車両はありません。 TOMYTECのフリータイプ電車なので、富井電鉄とし、フリータイプシリーズのモ1033号機と名付けたものを推察する。
 

 

模型プロフィール

● メーカー名: TOMYTEC
● 品名: 鉄道コレクション12m級小型電車A (富井電鉄)
● 発売年: 2008年10月発売
● 購入日: 2009年11月新品購入
● 価格:  ¥672.-
● 動力車品名: 動力ユニット 12m級
● 動力車品番: TM-03
● フライホイール付き動力車 モータをBトレのモータに交換する。

 

主要諸元

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● 重量: 32.6グラム

● 前台車: トレーラ車輪

● 後台車: 2軸動輪、トラクションタイヤ/1輪

● 連結面距離: 84mm

● カプラー: カトーカプラーN

 

関連報告

● 工作内容と報告事項

 室内灯や前照灯/尾灯の工作は、「鉄コレ電車の室内灯・前照灯・尾灯の工作 その2」(2021/3/28)で報告した。

 その後、車輪からの集電工作のためシャシーを動力ユニットに交換した。 「鉄コレ電車の電飾を再工作する」(2022/3/18)。

 この工作は、車内の床のフラット化をねらいに、モータをBトレのモータに交換している。そして、重量を補強するため粘土状の鉛を追加している。

 

動力特性

■ 動力特性の測定 その1

 12m級鉄コレの動力車シャシーは、後台車の動輪2軸のみで駆動しており、さらにトラクションタイヤは片側1輪だけに履いている。このため、小型のターンテーブル式実験装置での特性測定には何ら問題無いと判断している。

 動力台車の軸間距離は、14mmでありBトレの11mmとは大差なく、また、測定時の位置については、カトーカプラー内側と台車センター間の距離がBトレの20mmに対して、22mmであったので、これも大差ないと判断できる。 即ち、Bトレ台車のでの測定条件と同じであると判断できるのだ。

 測定時の様子と測定結果をを下に示す。


● 速度特性

 クラッチ部分を開放してテーブルが自由回転出来るようにして測定しています。

 速度特性は、Bトレ用のモータを使用しているため、その動力台車と殆ど同じである。即ち、在来線の電車や特急電車に加え、新幹線用の車両にも対応できるすっとび仕様である。

 消費電流も 25mA前後から徐々に増加しているが、途中からの勾配が変化している。これは、テープLED式の室内灯によるものと考えている。

 全体としては、特性はバラツキが少なく安定している。

 

● 牽引力特性

 車両重量が30グラム強と軽いうえに、片動輪での駆動のため牽引力は小さい。このため、スリップ領域は早い段階から始まっている。

 これは、動力としての粘りが少ないと言えるが、重りによる加重を実施すればもっと駆動力を大きくすることが可能であることを示している。

 制動領域における遷移点は、電流特性はハッキリと判明できるが、牽引力としては明確に表れていない。そして、あえてクラッチ制御方式で測定し無くてもデータを収集することが出来た。

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 この車両は、関連報告にも示しているように、ヘッドライト/テールライトと共に室内灯も装着している。でも、走行時の写真のように、ヘッドライトのは点灯しているのに、室内灯は消えているのだ。

 室内灯は、電圧を上げないと点灯しないのである。

 

■ 動力特性の測定 その2

 室内灯が点灯している実際の走行状態での特性を測定するため、PWM制御式のパワーユニットから給電して測定を実施した。すると下の写真に示すように、常点灯状態にて特性を測定することが出来る。


● 速度特性

 クラッチ部分を開放してテーブルが自由回転出来るようにして測定しています。上記の安定化電源による直流での給電の場合のデータに、PWM制御による給電状態を重ねて示しました。

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 PWM制御の場合は、0ボルトと12ボルトとのパルス波形なので、横軸としての電圧をどうの様に表示するのか迷うところであるが。この測定装置の電圧測定回路をそのまま利用して得られた結果をそのまま表示している。

 即ち、「測定回路部の改善工作」(2024/9/11)に示すように、10KΩの抵抗と100μFコンデンサによるローパスフィルタを通して測定し、測定プログラムでも累積値を使った処理などの工夫により、パルス波信号を平均化した値として処理している。

 これによって、モータに働く電圧は直流の場合と同等であろうと判断したのである。

 電流値に関しては、室内灯が常点灯化したことによって消費電流が増加したことは理解できるが、速度特性に関しては分からない。測定処理なのか実際の変化なのか不明であるが、その差異は小さいので追求しないこととする。

● 牽引力特性

 電流値については予想どうりに増加しているが、牽引力に関しては差異がない様に思われる。

 でも測定方法について、計測されて電圧を一定値にするのは測定毎に調整する必要があった。しかし、実施は面倒なので、パワーユニットのダイヤルを固定した状態で測定した。グラムの凡例に示した数値は、測定結果の平均値を示している。

 

■ 定電圧電源とPWM制御電源について

 動力車への電力供給方法について、測定その1とその2にて比較して見たが、電流値については当然なら大きな差が見られるが、牽引力や車速など、モータの出力に関する項目には大きな影響がない事が分かる。

 このため、測定が容易な安定化電源による定電圧状態で測定する事にしよう。