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点滅する照明灯を作ろう その1

■ はじめに

 先回のレイアウト工作では、駅前の街並みと駅のプラットホームに照明を入れました。 灯りのあるレイアウトは見ていても楽しいですね。 奥のビル街や左の商店街にも灯りを灯そうと考えていますが、ここで少し欲が出てきました。 単なる灯りでは無くて、ネオンサインとは行かなくても灯りを点滅させれば、街の雰囲気が出てくるのように思えたからです。 そこで、灯りを点滅させる方法を実験してみました。

 ネットで先輩諸氏の工夫や、通販店の部品、あるいは技術説明などを探して見ると、色々な方法が紹介されていた。 しかし、マイコン使用など高度な技術と高価の投資を必要とする例も多かったので、自分なりに低コストで実施出来る方法を実験してみた。 半分はホビー工作を楽し見ながらの実験であった。

 

■ 素材を探そう・・・・点滅麦球を使う

 自分の手持ちの部品を探して見ると、点滅麦球が見つかった。 昨年入手していた部品である。 さっそく点灯試験をしてみた。 OKであるが、電源が3Volt 仕様である。

 

 12Volt 回路にてこの点滅麦球を使用するために、途中に抵抗を入れることにする。 さらに、麦球が消灯している時にはLEDが光るようにすれば、交互に点灯する回路が出来上がるはずである。

 さっそく左の様な回路で実験をしてみた。 抵抗はまず10Ωを入れて、定電圧装置を使用して電圧を徐々にアップしていくと、3voltを過ぎてから交互に点灯を始めた。 麦球が消灯している時はLEDが光り、麦球が点灯すると、その大きな電流によって抵抗部分に電圧降下が発生し、これによってLEDは消灯する。 上流側に抵抗を挿入しておくのがミソである。 簡単な回路で交互点灯が実現出来たが、気を良くしてうっかり電圧を上過ぎてしまったので、麦球を焼き切ってしまった!  涙・・・・・・・・。

 10Ω抵抗の代わりに12Volt 仕様の麦球を使用し、12Volt を掛けてみたが、どのランプも点灯せず・・・・・。 麦球の抵抗が大き過ぎると考えて、同じ麦球を並列に入れてみた。 3個並列に挿入すると、見事点灯し、点滅球も点滅を始めた。

 12Volt 仕様の麦球を3個も使うのは無駄と考え、代わりに12Ωの抵抗を3個使用して、12Voltの電圧を4Voltまで降下させた状態で実験を行ったが、この方法では抵抗が熱くなってしまっていた。 単純に計算しても、12/12×3 = 333mA も流れるのである。 抵抗値を変えて、電流を落とすと麦球が点灯してくれない。 この方法では電力を食いすぎると判断し、3Volt 仕様の点滅麦球は、12Volt 仕様の場合には使用出来ないとの結論に達した。

 

■ 素材を探そう・・・・点滅LEDを使う

 麦球が駄目ならLEDを使おうと云うことで、点滅式のLEDを入手する。 まず、自己点滅LED 赤色5mm OSR5MR5A31A-2.4HZ (\150.-/5個) を入手する。 輝度は、6000mcd/20mA と充分な明るさであるが、点灯してみると点滅周期が2.4HZ と少し早いのである。 もう少し遅いのが欲しいが、しかし、このLED はパトカーや送電鉄塔の点滅赤色灯に使えそうである。

 次の自己点滅するLEDとして、aitendo のイルミネーションLED(3色) LED-3C @50.- を入手して、ブレッドボード上で点灯実験を実施した。

 

 3色が色々点滅するので、ネオンサインとして使用することを考えて、LEDを3個使用してみた。 もしLEDが不良になっても全滅しないように並列回路としている。 また、直接 12Volt 電源に接続出来るようにと抵抗値を変えてみた。 10mA 近く流すと明るく光るが、ネオンサインを想定すると、1mA 程度も充分な明るさなので、20KΩの抵抗を使用することにした。

 3個のLEDは独立しているので、点滅タイミングはそれぞれ勝手に作動している。 そして色もいろいろ変化するので、ネオンサインには持って来いの素材と思われる。

 

 

■ 看板用の照明は?

 色々な部品を検索していいるときに目に着いたのが、下の写真に示すLEDライトバーである。 左の写真がSHARP製のLEDライトバー LT9002N-G3 (特価で@10.-)で、右の写真が STANLEY製の LEDライトバー MU08-4201 (@ 100.- )である。

 バックライト式の照明は、街の看板には必要品であるが、LEDで光らせるのはなかなか難しい。 例えば客車や電車の室内灯、あるいはホームの照明で、いかに均一にひからせるか苦労してきた。 看板用の照明も同様で、薄くて均一に光らせるに液晶のようなバックライトが欲しいのたが、適切な部品が見当たらない。 ELの部品もあったが、特殊な駆動電源が必要だし、価格も高かったので手が出せないでいる。

 「光る模型看板」などの市販品もあるが、価格的に手が出せない。 このような時に、上記のLEDライトバーを見つけたのであるが、それなりの奥行きがあり、設置場所を考慮すれば使えそうである。 後はLEDを使って自分なりに工夫する必要があるだろう。 

 

■ 点滅回路を作ろう

 LED単体で点滅させる方法は、それなりに簡単であるが、点滅サイクルの調整が出来ないので、どうしても点滅調整回路が欲しくなる。 市販品では多くのキット類があるが、やはり自作する方が楽しみである。 タイマー式点滅回路には色々な方式が紹介されているが、今回はタイマーIC555 を使用する回路に注目した。  自分でも使えそうだし、コンパクトにまとめてストラクチャーの中に埋め込めそうな気がした。 解説類を参考にして回路図を作り部品を手配する。

 通販で部品を入手後 ( 注文して次の日に届くとは、田舎に住む小生には有難いサービスですね。 ) ブレッドボードに回路を組み作動テストを実施すると、下の写真の様に、点灯を始めた。 当初は10KΩや820Ωを考えていたが、最適値を探して下の回路図のようにすべて1KΩに変更した。

 回路が固まったので、ユニバーサル基盤上に組みたてることにする。 方眼紙の上で部品配置と配線をあれこれ考えた上んで、さっそく工作に取り掛かった。 実体配線図の編集ソフトを知らないので説明を省略します。 完成後の写真を参考にしてください。

 基盤サイズは、70×50mm のユニバーサル基盤を丁度4等分すると収まるので、まず、その切断作業から始めた。

 切断した基盤に回路を組んだ完成状態を下に示す。 35×25mm のコンパクトなサイズに治める事が出来た。 INとOUTのプラスマイナスを間違えないようにするために、プラス側には赤丸でしるしをつけている。

 電源とLED-2 に配線を取り付け、作動テストを実施する。 右下の写真のように問題なく作動した。

   

 次回は、これらの照明を実際に建物に組込むことにする。