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光る看板を作ろう その1

■ はじめに

 ビル街や街の照明を工作する前に、点滅する看板やネオンサインもどきを工作した。 今度は、点滅の無い単に光っているだけの看板を作ることにした。

 

■ 現在の看板を活用する

 手持ちのストラクチャの中で、照明の工作が可能なものを検討した。 ビルの上に設置されている看板の中で、下記の看板は、裏側の鉄骨が邪魔しているため、裏からの照明は不可能です。 前から照明を当てるしかなさそうで、これには投光機式の照明を作る必要がありそうです。 次の課題としましょう。

 下の写真の看板は、トミーテックの建物コレクション(061) 昭和のビルAに付属していた看板である。 この看板の下側には底があり、さらに丸い穴が開いていた。 看板の絵は素材に直接印刷されていたが、すかして見ると少し光りが透過するようであったので、中に光源を入れることにした。 天井も半透明なので銀紙を貼って光漏れを防止する。 LEDを点灯させてみたが、光はわずかに透過するようで、真っ暗にしないと効果が期待できないが、実際のレイアウトに設置してみることにする。

 次の写真は、TOMIX 4020 中型ビルの塔屋である。 不透明のボックス型で底は無い。 そこで、一方の壁面に穴をあけて、0.3mm の乳白色プラバン(半透明)を貼って、中から照明を当てることにする。

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 右の写真は、画像を貼りつけた状態である。 この画像は、WEBにて適当な画像を探して印刷したものである。 プライベートで使うため著作権問題はクリアーできると判断し、勝手に使わしてもらっている。

 作成方法を説明する。 入手する画像は、なるべくサイズの大きいものを選択するのが良い。 会社名の看板用としては、写真でなくてイラストの方が歪もなく、クリアーである。 検索サイトで、「会社名 ロゴ」として検索を掛けて、画像をゲットしている。

 この画像データを Word を使って貼りつける。  Word では画像サイズを印刷後の実寸寸法を表示してくれるので、サイズのプロパティを見ながら縮小率を設定している。 準備した看板の縦横比がピッタリでない場合には、その比率は多少崩していることを許してもらおう。

 なお、画像を扱う人ならば理解している思ううが、サイズ(縦横のピクセル数)と印刷する時の解像度(dpi)の関係を知って見えると思う。 Word では画像の縮小率は10〜20%まで縮小すると、充分に綺麗な画像が印刷されると思う。

 印刷は、ラベルシール用紙に印刷する。 初めて使用してみたが、インクジェットプリンタで印刷しても充分なコリティーを確保できる。 この用紙はやや乳白色の透明シールで、裏側に粘着剤が加工されているので、印刷後ハサミで切りだし、裏側の保護紙をはがして貼りつける事ができるので便利である。 

 手持ちのストラクチャの中では、利用できそうな看板はこれくらいであった。

 

■ ライトボックスを作る

 看板をもっと増やすにはライトボックスを自作するしかない。 プラ板で箱を作れば良いのであるが、不透明な素材で作る必要があり、意外と面倒な気がしてあり合わせの物をさがした。 今度も駅のホーム部品に目を付けた。 今度は平べったく使うことにする。 さっそく裏側に銀紙を貼って反射板と漏光防止とする。

 奥行きが短いのでチップLEDを光源として使用し、横方向の広がりを狙って2個使用とした。 LEDを取り付ける基板は自作するしかないので、簡単な方法を考えた。 通常のプラ板はハンダの高温に耐えられないので、厚さ1.2mm のガラスエポキシ基板を使用した。 銅箔が張り付けられていないのでスズメッキ線を裏表に回して回路を作り、そこに部品をハンダ付けして固定した。 まあ、なんと機械屋が作る手作り基板の格好の悪いことか! どうせ見えないところに使用するので、機能優先なり。

 本当はエッチング用の生基板が欲しかったが、間違えて注文してしまったのである。 届いてみて銅箔面が無いことに気が付きガックリしたが、そこはそれで、うまく工夫すればよいと開き直っている。

 使用したチップLEDは、UW1143B で、300mcd/20mA の輝度の白色チップLEDである。 抵抗は470Ω、逆流防止のダイオードも直列に配置した。

 ボックスの底には、カプトンテープで絶縁して接着剤で銀紙の上に貼りつけた。 テスト点灯では光の拡散が不十分で看板面を均一に照らしてくれなかった。 そこで3mm LED用の光拡散キャップをかぶせて周りを接着剤で固定している。 最後に0.3mmのプラ板を貼付け、その上に印刷したラベルシール用紙を貼って完成である。

 

■ 厚さの薄い照明に挑戦

 次には、コンビニの入口に建っている看板などの薄物が欲しくなってきます。 この種の看板は裏表ともに光らせる必要がある。 そこで思い付いたのが半透明な液を固めて形を作り、その中心に下から光を導こうとするアイディアである。 

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 まず、ストラクチャから対象の看板を取り出して、「型想い」を使ってその形状をコピーした。 心棒はφ2mm の透明プラ棒を用いたが、少しでも光の拡散を図るために先端を円錐状に削っている。

 そして、タミヤ透明エポキシ樹脂を調合し、型想いの型に流し込んで整形するのであるが、エポキシ樹脂そのままでは透明になってしまうので、色を付ける必要がある。 取説にはタミヤカラー・エナメルまたはエポキシ樹脂用着色剤を使用して下さいとのことであったが、手持ちにはそのような塗料はないので、何時も使用している白いアクリル絵具を少し混ぜてみた。

 混ぜた瞬間に失敗だと分かった手遅れであった。 色が均一に混ざらないのである。 もう元に戻せないのでがむしゃらに撹拌して何とかごまかした。 そして程良く乳白色に濁ってくれるのかも心配であったが、液を捨てても無駄なのでそのまま型に流し込んだのである。

 失敗作と諦めて一日置いておき、エポキシが硬化したのち取り出した。 水平に置いていた底面(裏側)には、白いアクリル絵具の断片(混ぜ切れていないもの)が沈着しており、表面も凸凹していたのでヤスリで削り取った。 上の面(表面)は綺麗な面であるが、底の面は凸凹となっており、型想いでの成型の限界と感じた。

 肝心の照明具合であるが、心棒の下からLEDの光りを当ててみると、心棒を通して光は看板まで届くものの、看板部は乳白色に濁り過ぎたようであり、中心部がぼんやりと光る程度であった。 でも少しは光るので、試作品として使ってみる事にし、看板として画像を貼りつけ、ボールペンのキャップを細工して底の光源部も工作した。 カレー専門のファミリーレストランのつもりが、イトーヨーカドーさんに変身しているが、ご免なさいね。 デザインが気に入っていたので採用しました!

 

■ さらに薄い光る看板をめざして

 ビルの壁などに貼りつける事が出来るように、さらに薄い看板が出来ないか検討した。 市販品では、有機ELなどを使用した「ひかる看板」等があるが、高価ですので手が出ません。 たまたま、バックライト用のLEDを見つけましたので、入手してその構造をチェックしてみることにした。 入手した製品は、12×40mm の白色LEDバックライトモジュール ID-1626 で、単価は308円であった。 

 LEDを使った工作には、テスト点灯を必要とする場合が多いので、上左の写真のような簡単なチェック回路を作成した。 回路の途中には15mA の定電流ダイオードを接続している。  これを使用してバックライトを光らしたのが上右の写真である。 さすが商品として売っているだけに、均一に綺麗に光っている。 少し周囲を暗くし、露光を落として撮影したのが下左の写真である。

 構造を調査するために表と裏のカバーを剥がした。 接着は両端のみであった。 裏側は不透明で表側は半透明の素材である。 側面は銀紙のようであったので少し剥がして見た。 点灯していない状態が右上の写真で、点灯させた状態が下左の写真である。

 光源は見たことのある角型のLEDである。 上右の写真。 手持ちのものとサイズは一緒であった。 中心となる導光体は透明なプラスチックでおそらくアクリル製のようである。 すべての表面はツルツルで滑らかであった。 導光体内部での全反射が可能と思われる。 この手の部品は、反射部分がミソと思われるので、虫眼鏡を持ち出して観察するも、その細工状態はよくわからなかった。 底面内部には白い小さな点が綺麗に並んでいるが、光源側は少し小さく、奥に行くに従って丸が大きくなっているものの、表面から触っても凸凹が感じられない。 もし、裏面に印刷しているのであれば、印刷部分の光りの反射具合が変化するし、僅かな凸凹が発生するはずなのに、それが認められないということ、さらに横から見るとその厚さを観察出来ないので、導光体の内部側に薄く印刷されていると推定するも、その構成を理解できなかった。 光り具合から蛍光塗料のようでもない。

 この製品から学んだことは、内部で全反射して遠くまで光が届くように導光体のすべての表面はツルツルにしておくこと、光が当ると白くひかるようにする細工は、小さなポイントを一面に散らすこと、そして光の届く距離によってそのポイントの大きさを変化させること、などである。

 

■ バックライトの自作

 この原理で均一に光らせる事が出来るならと考えて、それらしき物を作ってみることにした。 厚さ2mm の透明なアクリル板の切れ端を持ち出し、LEDのための切込みを作って、全側面をコンパウンドを付けて磨き上げた。 そして、裏面に反射細工として、ドリルの先端で三角錘の切り込みを作ることにした。 自分で出来る方法はこれしかないと考えたからである。

 最初に工作用のパットに描かれた5mm間隔の升目にそって、φ0.8mm のドリルで穴を開けていく。 5mm の升目が出来あがると、その四角の中央にも穴を開けていき、穴の数を増やして行く。 その後出来あがった升目の中央にも、さらに穴を開けていくと、2.5mm 間隔の升目が出来あがる。 しかし、これでもまだ目が荒かったので、さらに升目の中央に穴を開けて行き、アクリル板の全面に小さな凹んだ穴を配置することが出来た。 この作業はパットに描かれた5mm間隔の升目を頼りに目分量で加工して行ったが、穴の位置は下の写真のごとく、まあまあの均一さであった。

 そして、ドリルをφ1.2、1.1、1.0、0.9 と揃え、LEDからの位置によってだんだん穴の径が大きくなるように整形していった。 出来あがった状態を下に示す。

 試験点灯の結果は、まずまずの光り具合でり、工作は成功であった。 これに気を良くして、上面には0.3mm のプラ板、裏面には白い厚紙を貼りつけ、周りを銀紙で遮光した。 LEDの足の部分は、固定と遮光を兼ねてパテで塞いだ。

 看板としては、市販品のバックライトには、何時もお世話になっているJoshin のロゴを、 自作のバックライトにはこれも魚魚丸の看板(店名は異なる)を使わせてもらった。

 この看板の点灯状態を下に示す。 自作の方も綺麗に光っており、充分実用に値すると満足している。

 これで、薄い看板にも対応できる工作方を見つけたので、個数を増やすことにしよう。

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■ LEDライトバーを使う

 折角、LEDライトバーを入手したのでラベルシールを貼ってしようすることにする。 大きさに合わせて右の様なイラストを選択したが、どこに使おうか思案中である。

 

■ 失敗作の残骸

 今回の工作では多くの失敗を経験している。 その残骸の写真(右上の写真)を紹介してその内容の説明とさせていただきます。