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チップLEDを使って室内灯を作る

■ はじめに

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 「鉄道模型工作実験室」と題してホームページを公開しているからには、車両の室内灯はなるべく自作するようにしている。 今までも「夕庵」さんのアイディアを借用して自分なりの工夫して来たが、いまいちすっきりしない工作であった。 もっとスマートな工作物をめざし、最近入手したチップ式の電球色に近いLEDと、CRDを使って室内灯を作ってみることにした。

 

■ 対象とした車両と工作内容

 今回工作対象として選定した車両は、麦球式の室内灯を装着していたKATOの24系25形を選定した。 このセットは、鉄道模型を始めた頃に入手したKATOの24系ブルートレイン4両セット(品番:10-015)を中心として、単品での新品、あるいは中古品を追加して24系25形客車による7両のブルートレインを編成している。 このため、色々な形式の車両が混在している。 室内灯は、11-201の室内灯や11-204の室内灯を装着している。 右の写真。

 工作で使用する部品のリストを下に示す。 すべて秋月電子の通販にて入手する。

部品名 品番 メーカー 仕様
表面実装 ウォームホワイト色LED OSM50805C1C OptoSupply If=20mA、Vf=3.3V、Iv=450mcd
定電流IC (15mA) NSI45015WT1G ON Semiconductor 表面実装型、15mA、460mW
ブリッジダイオードDIP型 DI1510 PANJIT 耐圧1000V、700V 1.5A
セラミックコンデンサー GP075F106F 太陽誘電 10μF 35V

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 チップ部品を使用するので、今までの様にブリッジダイオードの足をそのまま使用するには、不安定である。 このため、LEDとCRDをどの様に配置するか、スケッチ図を描きながらアイディア出しを実施した。

 チップ部品を安定して保持するためには基板が必要と判断し、どうやって自作するかがメインの検討事項である。 エッチング技術は無いし、生基板をゴリゴリ削って回路を作るも大変なので、いつものユニバーサル基板を使うことにした。

 ブリッジダイオードの足の寸法が、穴3個分であるので、中央の穴をチップLEDとチップCRDの連絡ゾーンとする構成を取ることにした。、

 まず、ユニバーサル基板を左の写真のように、切り出して整形する。 この辺はもうお得意の工作である。

 次に、工作板の上に両面テープを貼りつけおいてブリッジダイオードを固定し、出力側の足にコンデンサーをハンダ付けする。 下左の写真。 なお、事前にブリッジダイオードのプラス側の出力足には、目印の赤マークを付けておく。 また、コンデンサーの両側についている保持紙は、取りはずさずにそのままにしておくと、部品の取り扱いが便利である。 さらに、ハンダ付けの前に、各部品の足にハンダを付けておくと組み付けが容易である。 下左の写真では、左側はまだハンダ接合を実施していない状態である。

 次に、下右の写真のように基板を接合する。 まず、片方をハンダ接合し、ハンダが溶けている状態で基板の水平を出しておく。

 そして、反対側の足もハンダ付けを実施する。 出来あがった状態を下左に示す。

 いよいよチップ部品のハンダ付け作業に入る。 最初にCRDを下側側に取り付けるが、片方の足が中央部に接するように少し傾けて取り付ける。 上右の写真。 そしてチップLEDを慎重にハンダ付けする。 ここで、CRDとLEDの取り付け方向を再三確認しながら実施すること。 方向を間違えると オシャカになってしまうのである。

 このチップ部品のハンダ付け方法について、さるホームページにて詳しく解説されていた。 まず、片方の取り付け部のハンダが溶けている状態で、チップ部品の片端を近づけて接合し、そのハンダが固まった後に、反対側にハンダを盛って接合すれば上手くいくと解説してあった。 確かにこの手順で実施すると、チップ部品の位置決めも容易であり、手際良く確実に作業できるようなり、腕が上がった気がした。 相変わらずハンダ付けは下手ではあるが、ハンダ付け完了の状態が下左の写真で、通電テストを実施して、点灯する事を確認する。 下右の写真。

 出来あがったユニットを下左に示す。 不要部分を切り取って完成した状態を下右の写真に示す。 LED部品はなるべく中央寄りになるように取りつけたつもりであるが、かなり左に寄っている。 基板の関係で止む得ないとして、ごまかすことにしている。 また、ハンダが不要な部分にあちこち付着していてみっともないが、機能的には問題ないので、素人工作として許してもらおう。

 次に、完成したユニットを車体に取り付ける。 古い電球式の純正品を外し、手作りユニットを代わりに差し込むのであるが、古い形式の車体もあるため、通電部品の構成が3種類もあった。 多くの場合は下左の写真のように、車体の隙間にブリッジ本体を差し込み、ブリッジの足を通電部品に接触させて組み付けた。 他の場合は、通電部品と上手く組み合わせる事が出来ず、強引にハンダ付けしたものもあった。

 組付け後は、レイアウト上に置いて通電テストを実施して、点灯を確認する。 下右の写真。

 照明板は既に組み付けてあるが、照明ユニットの位置が短くなったので、ツメの位置を無視して位置をズラしている。

 

■ レイアウト上での確認

 完成した車両をミニレイアウトに乗せた状態を下に示す。 綺麗に光っているので合格としよう。

 早速、機関車に牽引させて夜行寝台特急列車として走らせて楽しみたいところですが、クラーの無い物置部屋では、楽しむ余裕がありません。 盛夏を過ぎてからの楽しみに取っておくことにします。