HOME >> 鉄道模型工作室 > レイアウト設置用の速度計を作る 構想
■ はじめに
分散式のATSシステムが完成したので次のプロジェクトとして、速度計の設置に取り掛かることにした。 そして、その構想については、別室のブログ「レイアウトに速度計を設置しよう」にてメモっているが、準備作業が整ったので、ここにプロジェクト活動して記録していく事にする。
■ レイアウトに速度計を設置しよう
レイアウト内に設置した速度計は、2014/8/1に報告した「レイアウトに速度計を設置する」のように、一度は実施したことがある。 しかし、この装置はレイアウト変更によってすでに撤去されている状態である。 その後、レイアウト変更や新しい分散式のATSシステムも完成したので、再びこのプロジェクトに取り組むことにしよう。 そして、官界はさらに機能おアップした装置とする。
まず、設置場所であるが、今回は春のゾーンのヤードの傍に狙いを定めている。 下左の写真参照。
そして、ここに、上右のイラストの様な装置を組みこもうとしている。 その内容は、長さ140mmの高架複線を使い、両側に測定ゲートを立てて上からLEDで光線を下に照射する。 その光線を線路の穴の中に設けたフォトダイオードで受けて車両の通過タイミングを測るのである。 そしてこのゲートのインとアウトの時間より走行速度を計算して、3桁の7セグメントLEDに表示させる。 さらに、線路に供給されている電圧も測定して表示させることも考えている。
今回の改良点は、
この機能を実現するには
ここで、問題になるのはマイコンの選定とプログラム方法である。 以前のようにArduinoを使用した場合は、同時に複線の速度計測が難しく、かつ、かさばるので今回は選定外とした。 そこで、PICマイコンを使てみることにするが、分散式の新ATSのようにシーケンス制御でなく、スケール速度換算の演算処理が必要となるので、簡単なアッセンブラーでは難しそうである。 かけ算には、mul 命令とかで、16ビットのマイコンが必要になるとのことだ。
自分はいま、8ビットマイコンを使っているので、記述言語としてC言語を使う必要が出てきたのだ。 そして、時間計測も割込み処理が必要のようだし、7セグメントLEDもややこしそうだし、これらもC言語で処理しなければならないのである。
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そこで、まず、PICマイコンのC言語を使ったプログラム方法の習得に挑戦しよう。 と言う訳で、まず Lチカ から学習を始めた次第である。 その内容は「LED電子工作集」にて報告した。 そして、時間計測と7セグLEDの表示方法も学習出来たので、いよいよプロジェクトを正式発足させよう。
■ 測定ゲートの製作
最初に、測定ゲートの工作を実施する。 速度計測のための通過タイミングの測定は、そのタイミングをキッチリと測らなけらばならない。 ATSシステムなどの場合は、通過したかどうかを判断するので、そのタイミングは曖昧であっても良かったのだ。 このため、光線の投光はなるべく絞ってビーム状になるように工夫する。
形状は架線柱の様な形状に倣って右の様な設計図(?)を書いてみた。 全体のアーチ部分はφ3.0mm の真鍮製パイプを使用してベース部分にハンダ付けする。
投光器は、φ3mmの砲弾型白色LEDは使用し、これを外径φ4.0mm、内径φ2.0mm のアルミパイプの一端にはめ込んで投光器とした。 アルミはハンダ付けが出来ないので、真鍮板で作ってホルダをアーチパイプにハンダ付するようにしたのだ。
まず、矩形型に真鍮板を切ろ取り、内径φ4.0mm に曲げる工作を実施した。 曲げ加工は、まず6mmの鉄の棒(ドライバの軸)を使って曲げ、次に4mmの鉄の棒を使って仕上げた。 下の写真。
投光器は、外径φ4.0mm、内径φ2.0mm のアルミパイプを長さ25mmに切り、その一端の内径をφ3.0mmに加工してφ3mmの砲弾型LEDをはめ込むようにした。 使用したLEDは、
また、t = 0.3mm の真鍮板を使ってU字型曲げ、ベースの台とした。 アーチパイプは、φ3.0mmの真鍮パイプを原寸で書いた設計図に合わせて曲げた。 上右に写真。
パイプとホルダはハンダ付けで固定させるが、出来るだけ正確にするため、ベニヤ板を使ってハンダ付け冶具を作った。 この冶具を使ってハンダ作業を実施する。
ハンダ付けされたゲートを下に示す。
このゲートを線路に取り付けた状態を下に示す。 当初予定していた線路は、TOMIX の複線レール DS140(F) 品番1061 であるが、近くの模型店では在庫が無く、代わりに品番が1769 のワイドPCレール S140-WP を入手した。 これを複線に組み立てたたものの、少し華奢の様な気がした。 当方の精度の良くない測定ゲートを取り付けるには剛性不足と判断したのだ。 そこで、ストック箱の中から高架橋 S140-55.5 品番3062 を持ち出し、これを使うことにした。
測定ゲートを組付けた状態を下に示す。 高架橋の裏側のリブは、ゲートのベース部分を取付けるために一部切り取っている。
そして、投光器のホルダの取り付け精度を確認するため、φ4.0mmのアルミパイプを使って線路との接点を確認した。 少しずれている箇所は力任せに修正を実施したが、なかなかの強度があり、少々の力では変形しないことも確認できたのだ。
これで、測定ゲートの骨格が出来たので、投光器とセンサの工作に入ることにする。
2019/3/11 作成