HOME >> 鉄道模型実験室 > 新しいテープ式室内灯 パルスを観察する
チラツキに関するパルス実験の準備ができたので、まずは、様子を観察することにした。遮断時間の変化や抵抗とCRDの違いなどを確かめてみた。
■ 実験方法
実験用回路は先回の報告した回路を使用しました。
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供給電源としては、電圧が調整できる安定化電源を使っており、テープLEDは新しいFCOBテープLEDを2本使いました。
左側の回路の電流制限部品として 510Ωの抵抗を使用し、右側の回路では18mAのCRDを使用しています。オシロの端子は、これらの部品の上流側の電圧を測定します。左側の回路を CH1に、右側の回路をCH2とし、オシロのGNDを電源のGNDに接続しています。
電源遮断時間は、オシロ画面よりパルス幅を測定しながら設定しました。コンデンサは100μFの電解コンデンサを使い、電流制限部品の上流側電圧の落ち込み具合を観察しました。その時のオシロ波形を保存し、落ち込んだミニマム電圧も観察しました。そいて、この時のLEDのチラツキ具合を動画でも撮影しています。
■ チラツキパルスを観察する
観察は、コンデンサ部、即ち電流制限部品の上流側の電圧を観察しています。左側のLED(チャネル1:黄色)には510Ωの抵抗を、右側のLED(チャネル2:青色)には18mAのCRDを用いていますので、比較しながら観察しました。
最初は、抵抗とCRDの効果の違いを見ました。テスト1〜3です。テスト4と5はコンデンサをはずした場合です。そして、供給電圧を下げた場合の様子をテスト6と7で観察しました。また、表に記した落ち込んだ最低電圧は、オシロ画面が読み取った値である。
No | 状態 | オシロ画面 | 落込んだ最低電圧 | 備考 |
---|---|---|---|---|
No.1 | Time:100 ms 左:100μF 右:100μF 左:チラツキ有り 右:チラツキ有り |
CH1: 4.0 volt CH2: 2.5 volt |
チラツキ状態の現状を確認する。CRD(CH2)の方が電圧の落込みが早いが、この現象は先回までの観察結果と同じである。(電流値でなくて電圧値であるのだ) | |
No.2 | Time:40 ms 左:100μF 右:100μF 左:チラツキ有り 右:チラツキほとんど無し |
CH1: 7.0 volt CH2: 6.5 volt |
電圧変化は同じようであるが、チラツキに対しては、抵抗よりもCRDの方が効果がある。 | |
No.3 | Time:17.0 ms 左:100μF 右:100μF 左:チラツキ無し 右:チラツキ無し |
CH1: 11.0 volt CH2: 11.0 volt |
パルス幅を小さくすると、抵抗使用の場合でも効果あり。 | |
No.4 | Time:7.6 ms (時間スケール 5ms) 左:コンデンサ無し 右:コンデンサ無し 左:わずかにチラツく 右:わずかにチラツく |
CH1: 8.0 volt CH2: 8.0 volt |
コンデンサ無しの場合、チラツキが感じられる限界を探ってみた。 思っていたよりも、限界時間は短いのだ。 でも何だか変な波形なり。オシロの精度の問題なのか、実験方法の問題なのかは不明なり。 |
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No.5 | Time:41 ms 左:コンデンサ無し 右:コンデンサ無し 左:バッチリとチラツく 右:バッチリとチラツく |
CH1: 0.0 volt CH2: 0.0 volt |
No.2 の場合から、コンデンサを取り外す。 コンデンサが無いとバッチリとチラツキます。コンデンサの効果を改めて確認する。 |
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No.6 | 供給電圧を 8.0 volt に下げる Time:41 ms 左:100μF 右:100μF 左:チラツキ有り 右:チラツキ有り |
CH1: 5.0 volt CH2: 3.5 volt |
No2 の場合から、供給電圧を下げると、チラツキが見えるようになった。 コンデンサに溜める電気量が少なくなったためと考える。 |
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No.7 | 供給電圧を 6.0 volt に下げる Time:41 ms 左:100μF 右:100μF 左:チラツキ有り 右:チラツキ有り |
CH1: 4.5 volt CH2: 3.0 volt |
No.6 の場合から、さらに供給電圧を下げる。チラツキがしっかりと見えるようになった。 |
テスト1〜5までの様子を動画で紹介します。また、左右のLEDの間に壁を設けて、光り具合が干渉しないよう工夫しています。
■ まとめ
観測結果より得られた知見として、
などである。
今回は、光り具合の観察がメインであり、電圧測定はおろそかであった。この電圧とLEDの光り具合は、直接的には関係しない。このため、電圧では無くて電流を測定すべきであった。
そこで、次回は電流値に注目して実験を実施した様子を紹介しよう。
2024/3/9