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自動列車停止装置 センサーの設置工事

■ はじめに

 物置部屋に設置された我がレイアウトに、無謀にも追突防止の自動列車停止装置、いわゆるATSを設置しようと挑戦を始めた。 構想検討が固まったので、いよいよレイアウトへの設置作業を始める。

 レイアウト上でのテスト走行の結果、システムは機能する事が確認出来たので、いよいよ本格的に工事を実施する決心をした。 暫くの間、作業に振り回されていたのでこの報告が止まっていたが、無事に工事か完了したので、工事状況を報告しよう。

 

■ レイアウトブロックの分解

 センサーの設置工事にあたり、狭い部屋にレイアウトを設置している関係から、まず、レイアウトを分解する必要があった。 特に中央部の一番大きいブロックの工作のためには、周りのすべてのブロックを取り外す必要があった。 そして、あいたスペースを工作台にして作業をしている。 下左の写真。 他のブロックは、下右の写真の様に壁に立てかけたり、隣の和室を一時置き場にしていた。

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 これ以外の小物は、ヤードを物置として使用している状態である。 右の写真。

 このように、年に一度の大工事となってしまったが、この際に、残っていた郊外の建物の照明工事も実施したり、ゴチャゴチャになっていたベース下の配線も整理することにした。

 

■ センサの設置工事 方式3

 先回の報告でも紹介したように、レイアウトに合わせてセンサの設置方法も色々工夫する必要があった。 そこで、その工作方法を分類しておこう。 センサユニットを作り、線路下に貼りつけたり、横から差し込む方法を方式1とする。 そして、道床のベニヤ板に直接工作する方法を方式2としよう。

 ここでは、新たに工夫した線路に直接センサを取り付ける方法として、方式3を説明しよう。 下の写真は、センサを仕込んだ曲線路である。 場所は区間1のトンネル入口の部分の曲線路である。 ここに、曲線の外側には外回り線のセンサ1を、内側には内回り線のセンサ7を設ける。

 当初は、トンネル内の工事のために、トンネルの一部を崩す必要があるのではないかと心配し、 “難工事” を覚悟していたが、線路を観察していると、この線路に工作する事が出来る事に気が付いた。 線路を取り外し、工作机の上で楽々工作出来るので安心して工作出来るし、トンネルを崩す必要もないのである。

 右上に裏側の写真を示すが、センサ部分を拡大した写真を下に示す。 この旧式の曲線路は、配線を通すことが出来るチャンネルもあるし、壁には照明用電柱を接着する高さもあるので、願ってもないことである。

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 センサの機能テストで作動を確認後に、配線部分を樹脂で固めてセンサ付き複線路の完成である。 トンネル内に設置した状態を上右の写真に示す。 なお、トンネル内で照明を使うので、トンネル内の線路の周りには厚紙で簡単な壁を作り、入口から見ても奥のガラクタが見えないように余分な工作も必要であった。

 完成した状態をトンネルの入り口から撮影した写真を右に示す。 なかなかいい雰囲気である。

 

■ 中央ブロックのセンサ工事(1)

 次の難関工事である中央ブロックの工事内容を紹介する。

 最初に一番奥の土手の上に設置するセンサ工作を下に示す。 閉塞区間2の内回り線に設置するセンサ2である。 なお、内回り線の区間割は、外回り線と同じ区切りであるが、進行方向が逆になるので、センサの設置場所が異なっている。 説明を省略しています。

 このセンサ2の場所は、土手に高さがあるため横からほじくるしかない工事であるので、スタイロフォームで作られた土手を横からほじくり、センサユニットが挿入出来る穴を作った。 道具はカッタナイフやピンセット、マイナスドライバなどを使用する。

 このような工作の場合、発泡スチロールの場合には、切りくずがまとわり付き、後の掃除が大変であるが、スタイロフォームの場合はおとなしく、掃除も楽である。 さらにサクサクと切り取る事が出来るので、余分に切り取り過ぎるくらいである。

 配線用の穴は、下のベース板までドリルで貫通させた。 取り付け穴が出来ると、方式1のセンサユニットを差し込み、配線を通した。

 上左の写真は、ベースの下から見たもので、以前より設置していた給電用配線を一緒にベース内を通した。 センサユニットの周りを紙粘土で補修してターフを振りまいて工事完成である。 点灯状態を右上の写真に示す。

■ 中央ブロックのセンサ工事(2)

 次に、閉塞区間6の内回り線用センサ6の工事である。 この部分は、「レイアウト変更2012」で大幅変更された部分であるため。ベースの骨組みやベース板が複雑に入り組んでいる場所である。 しかし、下から覗くと、線路道床のベニヤ板が直接見えるところであったので、方式2の工作を採用した。 しかし、奥まった場所にあるため、cdsセンサを 1mm のプラ板に取り付け(下右の写真)、ベニヤ板の下から貼りつけることにした。 下左の写真。

 配線部分は、ホビー用グルーガン「ホットボンド」で固めている。 上左の写真。 見た目はくしゃくしゃであるが、ベース下なので固定されておればOKである。 完成した状態を右上に写真にしめす。

■ 中央ブロックのセンサ工事(3)

 次に、閉塞区間2の外回り線用センサ2の工事である。 この部分は高架線になっているので、方式1のセンサを道床ベニヤの下に貼りつけることにした。 下左の写真。そして配線は、下の線路の道床下にあるビル街の照明用配線の横を通している。

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 完成した状態を右の写真に示す。

 

■ 中央ブロックのセンサ工事(4)

 次に、閉塞区間6の外回り線用センサ6の工事を説明する。 このセンサは右の写真の高架線下で光っている部分であるが、ここはフレキシブル線を使用しているし、横からほじくるにしても、高架線が邪魔になるので、ベース板に直接工作する方式2を採用した。

 しかし、線路は 15mm の発泡スチロール板でかさ上げされているので、センサ応答が心配であった。 そこで、ベニヤ板の穴を大きくして、光の空間を広くした。 そして、上記の工作と同様にcdsセンサを 1mm のプラ板に取り付け貼りつけている。

 配線をした後(下左の写真)、各センサと同様に、動作チェックを実施した。 その様子を下右に示す。 チップLEDを光らせる 9Volt 電源は、安定化電源を使用し、センサ回路の抵抗変化をテスターで読み取っている。 電源のon/off によって、抵抗値の変化が出ているかを見て、「光センサーを使った通過センサーを作る」 で報告したように、20〜40KΩを境にon/off 出来ていればOKとした。

 その後、配線部分をホビー用グルーガン「ホットボンド」で固めている。

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 完成した状態を上右の写真に示す。

 

■ 中央ブロックのセンサ工事(5)

 5個目のセンサは、閉塞区間7の外回り線用センサ7である。 この場所は床が2重底になっている場所であるが、TOMIX の複線アプローチ線路であるので、線路を引き剥がして線路裏に細工することにした。

 もうひとつの理由は、この区間の内と外周りに給電ポイントを設置する必要があったためである。 給電方法は、ワイドレール・スラブレール用D.C.フィーダーN (品番:5538)を使用し、この線路の下側に装着した。

 センサは線路裏の隙間を利用した方式3を採用し、照明柱を立てる土台は線路脇の上面にプラ板を貼りつけて作っている。 右の写真ではターフを振りかけて誤魔化しているが、灰色を塗って完成としたい。

 なお、線路裏の工作状況は写真撮影を忘れてしまったので省略します。

 

■ 中央ブロックの配線工事

 この中央ブロックには、給電ポイントが6ヶ所、センサポイントが5ヶ所あるため、その配線がゴチャゴチャとなってしまった。 そこで、配線用チャンネルやスパイラルチューブを使ってまとめるようにしたが、電気屋さんの配線仕上げとは、ほど遠い仕上がりとなっている。

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 センサ線や給電線の端部は、それぞれ荷札を付けて識別できるようしている。 給電線は、レイアウト作成当初からの配線の結線を変更し、すべての配線が配電盤に接続できるよう変更し、その端子も新設している。

 今回追加したワイドレール・スラブレール用D.C.フィーダー線については、長さが足りないので、2ピンのピンヘッダを使用してコネクタとしている。 左の写真。 TOMIX の配線端子は、2.54mm ピッチのため、これらの一般的な電子部品が利用出来るのでうれしいですね。 写真撮影後に φ5mm の熱収縮チューブを挿入し、抜け止めとしている。

 

■ 他のセンサ工事

 これ以外のセンサにつては同じような工作内容なので、下記の写真の掲載のみとさせていただきます。

 最終的には、方式1では6ヶ所、方式2では3ヶ所、方式3では5ヶ所の工作となった。 

 

 

 次回は、制御盤の工作を報告しよう。